「います」と「おります」の違いと使い分け|迷ったときの判断基準と例文

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メールを書いていて、「こちらにいます」と「こちらにおります」のどちらにするか、手が止まってしまったことはありませんか?「います」だと失礼かもしれない、でも「おります」だと堅苦しすぎるかも……と、意外と迷いやすいところです。

結論からお伝えすると、「います」でも失礼にはなりません。そして、「おります」は自分や自分側の人にだけ使う言葉です。この2つを押さえておけば、大きな間違いはまず起こりません。

この記事では、2つの言葉の違いから、迷ったときの判断基準、電話やメールでの使い方、履歴書・面接での選び方、文章の中で混ぜてもよいかどうかまで、順番にやさしく解説します。読み終えるころには、自信を持ってどちらかを選べるようになりますよ。

「います」と「おります」の違い|丁寧語と丁重語

どちらも「いる」を丁寧に言い換えた形ですが、敬語としての種類が違います。

「います」は丁寧語です。「いる」に「ます」をつけた形で、聞き手に丁寧に話すときの基本になります。相手が目上でも目下でも使えるので、日常でもビジネスでも幅広く活躍します。

一方、「おります」は丁重語(謙譲語Ⅱ)です。「いる」の謙譲の言い方「おる」に「ます」がついた形で、自分の側をへりくだって、話している相手に丁重に伝えるときに使います。

ここでつまずきやすいのが、「伺う」のような謙譲語との違いです。「伺う」は、動作を向ける相手を立てる言葉です。それに対して「おります」は、動作の相手ではなく、話を聞いている相手への敬意を表します。ですから、「私は今、自宅におります」のように、誰かに何かをする場面でなくても使えます。

丁寧さの目安は、「いる」<「います」<「おります」の順です。

表現 種類 主な場面
いる ふつうの言い方 家族や友人との会話
います 丁寧語 日常から仕事まで幅広い場面
おります 丁重語(謙譲語Ⅱ) 取引先やお客様など、改まった場面

どっちを使う?迷ったときの判断基準

迷ったときは、次の2つを順番に確認してみてください。

① 主語は自分(または自分側の人)ですか?

「おります」が使えるのは、自分や、社内の人・家族など自分側の人の行動だけです。取引先やお客様など、相手側の行動には使えません。ここで「いいえ」なら、「おります」は使えないので、「います」を選びましょう。

② 話している相手や場面は、改まっていますか?

取引先、お客様、初対面の方など、きちんとした印象を大切にしたい相手なら、「おります」がぴったりです。社内の同僚や後輩とのふだんのやり取りなら、「います」で十分です。

取引先に伝えるとき

本日は終日、社内におります。

同僚や後輩に伝えるとき

午後は席にいますので、声をかけてくださいね。

ここで安心していただきたいのは、「います」は丁寧語なので、目上の方に使っても敬語として間違いではないということです。「おります」のほうが改まった印象になる、というだけの違いです。使い慣れない言葉を無理に選んで不自然になるより、自然な「います」のほうが好印象になることも少なくありません。

「おります」を相手に使うのは失礼?「おりますか」と「いらっしゃいますか」

「おります」は自分側の言葉だとお話ししましたが、実は一番間違えやすいのが、相手のことをたずねる場面です。

NG

〇〇様はおりますか?

「おります」は自分をへりくだる言葉なので、相手をへりくだらせてしまい、失礼に聞こえてしまいます。

OK

〇〇様はいらっしゃいますか?

相手やその会社の人について話すときは、「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」を使います。相手を立てる言葉なので、取引先や目上の方にも安心して使えます。

「いますか」でも間違いではありませんが、取引先やお客様に向けて言うなら、「いらっしゃいますか」のほうが丁寧です。

ここまでの違いを整理すると、次のようになります。

誰のことか 使う言葉 例
自分・自分側の人 おります 私は席におります
相手・相手側の人 いらっしゃいます 〇〇様は席にいらっしゃいます

電話・メールでの使い分けと例文

電話で、社外の人に自社の上司の在席を伝えるとき

いちばん迷いやすい場面です。自分にとっては上司でも、社外の人から見れば、同じ会社の身内にあたります。ですから、上司のことでも尊敬語は使わず、「おります」で伝えます。

NG

部長は席にいらっしゃいます。

OK

部長は席におります。

担当者が不在のとき

あいにく田中は外出しております。戻り次第、折り返しご連絡いたします。

メールで、取引先に所在や予定を伝えるとき

来週月曜は終日外出しております。火曜以降は社内におりますので、ご都合のよいときにご連絡ください。

メールで、社内のメンバーに共有するとき

午前中は客先にいますので、急ぎの用件はチャットでお願いします。

社内の同僚や後輩へのメールなら、「います」で十分に丁寧です。社外の人には「おります」、社内には「います」と切り替えると、読み手にとって自然な文章になります。

履歴書・エントリーシート・面接ではどっち?

履歴書・エントリーシート・職務経歴書

読み手は応募先の企業の方です。志望動機や自己PRは、簡潔で読みやすいほうが伝わりやすいので、「〜しています」で書くと、すっきりした文章になります。より丁寧に、改まった印象にしたいときは、「おります」を選びましょう。

「います」の例

現在は、法人向けの営業を担当しています。

「おります」の例

貴社の理念に共感し、志望しております。

なお、「である」調で書く書類では、「います」も「おります」も使わず、「いる」を使います。

面接

面接は話し言葉ですので、「います」でも「おります」でも構いません。大切なのは、声に出して自然に話せるほうを選ぶことです。「おります」を無理に使おうとして言葉に詰まってしまうより、落ち着いて「います」と話すほうが、印象は良くなります。

「います」の例

現在は、経理を担当しています。

「おります」の例

現在は、経理を担当しております。

一つの文章で混在してもいい?統一のコツ

同じ文章の中に「います」と「おります」が並んでも、文法上の間違いではありません。ただ、読み手には文の調子が揺れているように感じられ、読みにくくなることがあります。

揃えたほうがよい場面

履歴書、エントリーシート、報告書など、文章全体で一つのトーンを保ちたい書類です。書き始める前に「います」でいくか「おります」でいくかを決めて、最後まで通しましょう。

混ぜてもよい場面

改まった気持ちを込めたい一文だけ、意図して「おります」を使うのは自然です。お詫びや結びの挨拶が、その代表例です。「お世話になっております」のような定型のあいさつも、あとに「います」が続いて構いません。

お世話になっております。ご依頼の資料は、現在まとめています。お待たせしてしまい、申し訳なく思っております。

迷ったときの決め方

どちらに揃えるか決めきれないときは、基本を「います」にして、ここぞという一文だけ「おります」にすると、読みやすさと丁寧さのバランスが取れます。

まとめ

「います」は丁寧語、「おります」は自分側だけに使う丁重語です。相手のことには「いらっしゃいます」を使います。

迷ったときは、まず主語が自分側かどうか、次に場面が改まっているかどうかを確かめてみてください。それでも決められなければ、自然な「います」を選べば大丈夫です。

言葉遣いは、相手への思いやりが伝わることがいちばん大切です。この記事が、日々のメールや電話で、安心して言葉を選ぶ助けになればうれしいです。

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