「表題の件」は失礼?目上への使い方と標題・標記との違い、例文

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メールを書いていて「表題の件につきまして」と打ったものの、「これって失礼じゃないかな」「標題の件のほうが正しいのでは?」と手が止まったことはありませんか。

結論からお伝えすると、「表題の件」は日本語として間違いではなく、メールの件名を指す言葉として広く使われています。ただし省略した言い方なので、相手によっては少し気を配りたい場面もあります。

この記事では、意味や正しい書き方、失礼にならない使い方、そのまま使える例文を、やさしくご紹介します。

「表題の件」とは?意味と読み方をやさしく解説

「表題の件」は「ひょうだいのけん」と読み、メールの件名に書いた内容を指す言葉です。

たとえば、件名が「来週の打ち合わせ日程について」のメールなら、本文の冒頭で「表題の件につきまして、候補日をお送りいたします」と書けば、件名の打ち合わせ日程の話だと伝わります。件名と同じ言葉を本文でもう一度書かなくてすむので、ビジネスメールでよく使われているのです。

「さて、表題の件につきまして」や「表題の件です」も、意味は同じです。「ここから件名の話に入りますね」という前置きだと考えておけば大丈夫です。

ちなみに、辞書でいう「表題」は、本や作品のタイトルのこと。メールのやり取りが仕事の中心になるにつれて、メールの件名を指す言葉としても使われるようになりました。

表題の件と標題の件はどっちが正しい?標記・掲題・首記との違い

メールの件名を指すなら、「表題の件」で問題ありません。「標題の件」と書く人もいて間違いではありませんが、一般的なのは「表題の件」です。

どちらも「ひょうだい」と読み、辞書でも同じ意味で載っています。ただ、ニュアンスには違いがあるとも言われています。表題は文章全体のタイトル、標題は文章の中の見出しという考え方です。メールの件名は、メール全体につけるタイトルですから、表題のほうが自然というわけです。実際には厳密に使い分けられていないので、気にしすぎなくて大丈夫です。

似た言葉もあわせて整理しておきましょう。

言葉 読み 意味とひとこと
表題の件 ひょうだい メールの件名に書いた内容。いちばん一般的
標題の件 ひょうだい 見出しのニュアンス。使う人もいるが少数派
標記の件 ひょうき 表題として書き記した事柄。意味は表題の件とほぼ同じ
掲題の件 けいだい 題として掲げた事柄。表題の件よりややフォーマルで、見かける機会は少なめ
首記の件 しゅき 文書の冒頭に記した事柄
首題の件 しゅだい 文書の初めに書いた題目

「標記」は読みが「ひょうき」で、「表記」と書き間違えやすいのでご注意ください。また、社内や取引先でよく使われている言葉があれば、それに合わせるのが自然です。

「表題の件」は失礼?目上・社外に使っていい場面と避けたい場面

結論からお伝えすると、「表題の件」は失礼な言葉ではなく、日本語としても間違いではありません。多くの人が意味を理解しているので、ふつうに使えます。

ただ、「失礼では?」と心配される理由もあります。「表題の件」は件名の内容を省略した言い方なので、読む人は件名を見返さなければなりません。この手間を面倒に感じる人や、丁寧さが足りないと受け取る人もいるのです。

そこで、相手との距離感で使い分けるのがおすすめです。

相手・場面 使っていい? ひとこと
社内の同僚や、やり取りが続いている相手 そのまま使える 内容がすぐ分かるので手間になりにくい
社内の上司 件名が具体的なら使える 件名だけで用件が分かれば問題なし
すでに付き合いのある取引先 件名が具体的なら使える 用件が分かりにくい件名なら避ける
初めての相手・お客様・社外の目上の方 避けたい 件名を見返す手間をかけない配慮が大切

使うときは、件名と本文の内容をそろえることも大切です。件名と違う話を始めると相手が混乱してしまいます。別の話題を加えるときは、「別件ですが」と添えましょう。また、職場によっては「表題の件」を使わない決まりもあるので、上司や先輩のメールを見ておくと安心です。

「表題の件」の言い換え|件名の内容を書き直すと丁寧になる

初めてやり取りする相手やお客様、社外の目上の方には、件名の内容を省略せずに、本文でもひとこと書くのがいちばん丁寧です。「掲題の件」などに言葉を置き換えても、件名を省略していることは変わらないので、丁寧さは上がりません。

書き直しのコツは、件名の言葉をそのまま使うか、やり取りの経緯を添えることです。

件名の言葉をそのまま入れる(件名:来週のお打ち合わせ日程について)

来週のお打ち合わせ日程につきまして、候補日をお送りいたします。

相手の行動を添える(件名:お見積書のご送付について)

お送りいただいたお見積書につきまして、内容を確認いたしました。

経緯を添える(件名:9月分請求書のご送付について)

先日ご依頼いただきました9月分請求書の件につきまして、本日発送いたしました。

こうしておけば、相手は件名を見返さなくても用件が分かります。件名が「Re:」のまま続いているやり取りでも、何の話かがすぐに伝わるので親切です。

「表題の件について」「につきまして」「ですが」の使い分け

「表題の件」のあとには「について」「につきまして」などの言葉を続けますが、どれを選ぶかで丁寧さが変わります。

書き出し 丁寧さ 向いている相手
表題の件、 簡潔 社内の同僚
表題の件ですが 話し言葉に近い 同僚や親しい相手
表題の件について ふつう 社内・社外どちらも
表題の件につきまして 丁寧 社外、目上の方

「表題の件ですが」は失礼ではありませんが、会話のような軽い響きがあります。改まったメールでは「につきまして」を選ぶと安心です。

また、「について」と「につきまして」が重なった「表題の件についてつきまして」や、「に」が抜けた「表題の件つきまして」といった間違いもよく見かけます。送る前にチェックしておきましょう。

「表題の件」の例文|添付・返信・相談の3場面

ここでは、社内の方や、すでにやり取りのある相手に送る場合の例文を、場面別にご紹介します。

添付・送付(件名:来月の研修資料について)

表題の件につきまして、資料をメールに添付しております。ご確認をお願いいたします。

返信(件名:Re: 次回会議の開始時間について)

表題の件、承知いたしました。

表題の件、確認いたしました。

表題の件につきまして、ご連絡ありがとうございます。

ただ、こうした短い返信だけでは、メールを受け取っただけなのか、内容まで了承したのかが相手に伝わりにくいことがあります。何を承知したのかをひとこと添えると、誤解を防げます。

表題の件、来週火曜の13時開始で承知いたしました。

相談(件名:新商品のパッケージ案について)

さて、表題の件につきまして、1点ご相談がございます。

表題の件でご相談があり、ご連絡いたしました。

まとめ

「表題の件」は、メールの件名に書いた内容を指す一般的な言葉で、件名を指すなら「表題の件」を選んで問題ありません。

大切なのは、相手に合わせて使い分けることです。社内の方や、すでにやり取りのある相手にはそのまま使えます。初めての相手やお客様には、件名の内容を本文でも書くと丁寧です。

書き出しは、改まった場面なら「につきまして」。返信のときは、何を承知したのかをひとこと添える。この2点を意識するだけで、メールの印象はぐっとよくなります。

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