「その節はありがとうございました」は目上に使える?意味・先日との違い・例文

広告

久しぶりに連絡する取引先や、以前お世話になった上司。「あのときのお礼を、あらためて伝えたいな」と思って、「その節はありがとうございました」と書きかけたものの、ふと手が止まったことはありませんか。

「この言い方は失礼にならないかな」「目上の人に使っても大丈夫かな」と、迷ってしまう方は多いと思います。

結論からお伝えすると、この言葉は正しい敬語で、上司や取引先にも安心して使えます。ただし、気持ちよく伝わるかどうかは、使うタイミングと出来事を添えるひと言で変わってきます。

この記事では、意味から使い分けの目安、そのまま使える例文、言い換え表現までをやさしくご紹介します。

「その節はありがとうございました」の意味と、目上の人に使えるか

「その節」の「節(せつ)」には、「ある時期」「ある機会」という意味があります。つまり「その節」は、「そのとき」「あのとき」と同じ意味の言葉です。

「その節はありがとうございました」は、以前に助けてもらった出来事について、あらためてお礼を伝える表現です。その場でお礼を伝えたあと、時間がたってから「あのときは本当に助かりました」という気持ちを、丁寧に伝え直すイメージですね。

気になる丁寧さですが、正しい敬語で、上司や取引先などの目上の方にも使えます。「あのときはありがとうございました」と言うよりも、あらたまった印象になります。

また、「ありがとうございます」ではなく「ありがとうございました」と過去形になるのは、お礼の対象が、すでに終わった出来事だからです。過去のことへのお礼なので、過去形がもっとも自然な形になります。

いつ使う?「先日」との使い分けの目安

「その節は」がぴったりなのは、久しぶりに会ったときや、しばらく連絡していなかった相手にあらためて連絡するときです。以前の出来事を振り返りながら、お礼を伝える場面で使います。

迷いやすいのが「先日は」との使い分けです。厳密なルールはありませんが、前の出来事からどれくらい時間がたっているかを目安にすると選びやすくなります。

前の出来事から おすすめの言い方
1か月以内 先日はありがとうございました
数か月以上 その節はありがとうございました
1〜数か月の間 出来事を添えれば、どちらでも自然

たとえば、昨日の会議のお礼を「その節は」と言うと、少し大げさに聞こえてしまいます。この場合は、「昨日はありがとうございました」で十分です。反対に、半年前にお世話になった件を「先日は」と言うと、相手が「いつのことだろう?」と戸惑うかもしれません。

失礼にならない使い方の型

「その節は」を気持ちよく伝えるコツは、「その節は」のあとに、何に対するお礼なのかを添えることです。

「その節はありがとうございました」だけだと、相手が「どの件のことだろう?」と思い出せないことがあります。とくに、いくつもの案件でやり取りしている相手には伝わりにくくなります。

そこでおすすめなのが、次の型です。

その節は+具体的な出来事+お礼+その後の報告

たとえば、こんなふうに組み立てます。

その節は、○○の資料づくりでご協力いただき、ありがとうございました。おかげさまで、無事に契約をいただくことができました。

最後に「おかげさまで〜」とその後の様子を伝えると、お礼がより気持ちのこもった一言になります。相手も、自分の助けが役に立ったことを知って嬉しく感じるものです。

なお、会うたびに毎回「その節は」と言うと、わざとらしく聞こえてしまいます。特に感謝を伝えたい出来事があるときに絞って使うと、気持ちがまっすぐ届きます。

そのまま使えるビジネスメール・会話の例文

場面ごとに、そのまま使える例文をご紹介します。○○や△△の部分は、実際の出来事に置きかえてお使いください。

久しぶりに取引先へメールを送るとき

株式会社○○ 山田様

ご無沙汰しております。△△社の鈴木です。

その節は、新商品の展示会にご来場いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、多くのお客様にご好評をいただきました。

このたび、次の企画についてご相談したく、ご連絡いたしました。

以前お世話になった上司へ連絡するとき

○○部長、ご無沙汰しております。

その節は、お客様への提案の進め方をご指導いただき、ありがとうございました。教えていただいたことを活かして、いまも仕事に取り組んでおります。

対面や電話で、ひと言添えるとき

ご無沙汰しております。その節は、大変お世話になりました。

メールでは、「誠に」「大変」を加えると、より丁寧な印象になります。会話では、気持ちを込めて短く伝えるだけで十分です。

「その節は」の言い換え表現

「その節は」は便利ですが、毎回同じ表現だと単調になりがちです。相手との関係や、会話か文章かに合わせて、あらたまり度で選ぶと使いやすくなります。

あらたまり度 言い換え ひとこと
カジュアル あのときは本当に助かりました 親しい同僚や先輩に
ふつう 昨年の○○では、大変お世話になりました 時期を具体的に示す言い方
ふつう 以前は○○でご協力いただき、ありがとうございました 取引先や上司にも使いやすい
あらたまった 先般は/過日は メールや書類向き
とてもかたい かねてよりのご厚情に感謝申し上げます 長く続いた好意全体へのお礼

「先般」と「過日」は、先日をあらたまった形にした言い方です。話し言葉ではあまり使われず、主にメールや書類で使います。指す時期の幅も広く、人によって受け取り方が違うため、会話では「その節は」を使うほうが自然です。

また、「かねてよりのご厚情」は、ひとつの出来事ではなく、これまでの関係全体へのお礼です。特定の出来事への感謝ではないので、「その節は」とは使う場面が少し違います。

まとめ

「その節はありがとうございました」を気持ちよく伝えるポイントは、次の2つです。

  • 前の出来事から数か月以上たっていれば「その節は」、1か月以内なら「先日は」を選ぶ
  • 「その節は」のあとに、具体的な出来事とその後の様子を添える

久しぶりの連絡は、少し勇気がいるものです。そんなときに添えるこのひと言が、相手との関係をやさしくつなぎ直してくれます。

タイトルとURLをコピーしました