
「確認させていただきます」って、なんとなく丁寧に聞こえるから使っているけど、実は正しいのかどうか、少し不安に思ったことはありませんか?
「回りくどい」「過剰な敬語では?」と感じている方もいれば、逆に「これくらい丁寧に言った方がいいのでは」と思っている方もいるかもしれません。
結論から言うと、「確認させていただきます」は正しい敬語です。ただし、使える場面が限られます。
場面を選ばず使ってしまうと、相手に「回りくどいな」と感じさせてしまうこともあります。
この記事では、「確認させていただきます」が使える場面・使えない場面の判断基準から、場面別の言い換え表現、ビジネスメールや電話で使える例文まで、まとめて解説します。
「確認させていただきます」は正しい敬語?結論から言うと…
「確認させていただきます」は、敬語として正しい表現です。ただし、どんな場面でも使えるわけではありません。
この言葉のポイントは、「させていただく」という表現にあります。
「させていただく」は、次の2つの条件がそろったときに使える敬語です。
- 相手(または第三者)の許可を得て行動する場合
- その行動によって、自分が恩恵を受けている場合
たとえば、お客様から「身分証を見せてください」と事前に案内したうえで確認するようなケースは、この条件に当てはまります。「確認させていただきます」と言っても、まったく問題ありません。
一方、取引先から送られてきた資料をただ確認するだけなら、相手の「許可」は必要ないですよね。こういった場面で「確認させていただきます」を使うと、正確には条件を満たしていないため、丁寧なつもりが「回りくどい」と受け取られることがあります。
誤りとまでは言い切れませんが、使い方次第で印象が変わる表現だと覚えておくと安心です。
「確認させていただきます」が使える場面・使えない場面
「させていただく」が使えるかどうかは、「相手の許可が必要かどうか」を考えるとシンプルに判断できます。
許可が必要な場面なら使ってOK、許可が不要な場面なら別の表現に言い換えるのがベターです。
使える場面
- お客様の身分証や会員証を確認するとき(事前に案内・了承を得ている)
- 相手から「内容を確認してほしい」と依頼を受けて確認するとき
- スケジュール変更など、相手の都合に関わることを確認するとき
使えない場面(言い換えを推奨)
- 取引先から送られてきた資料を確認するとき
- 自分から送った書類の内容を確認するとき
- 問い合わせを受けて、社内の情報を調べて折り返すとき
最後の「問い合わせを受けて折り返す」ケースは、ビジネスの電話やメールでよく出てくる場面ですが、このときに「確認させていただきます」と言っても相手の許可は特に必要ありませんよね。「確認いたします」とシンプルに言う方が、スマートな印象になります。
「許可が要る?要らない?」——この一問で判断できると、使い分けがぐっと楽になりますよ。
「確認させていただきます」の言い換え表現と使い分け
「確認させていただきます」が使いにくい場面では、次の2つの表現が役立ちます。それぞれの特徴と使いどころを整理しておきましょう。
確認いたします
最も汎用性が高い表現です。「確認する」の謙譲語で、目上の方や取引先に対しても問題なく使えます。許可が不要な場面では、ほぼこれ一択と考えてOKです。迷ったときはまずこちらを使えば、失礼になることはありません。
拝見いたします
資料・書類・メールなど、「見る」行為に特化した謙譲語です。「確認いたします」よりもやや格式のある表現で、改まった場面や社外の方へのメールで使うと丁寧な印象を与えられます。ただし、「見る」以外の行為(内容を調べる・照合するなど)には使えないため注意してください。
場面ごとの使い分けをまとめると、次のようになります。
| 場面 | 適した表現 |
|---|---|
| 送られてきた資料を確認する | 拝見いたします |
| 問い合わせ内容を調べて折り返す | 確認いたします |
| 相手の依頼を受けて確認する | 確認させていただきます |
| お客様の身分証などを確認する | 確認させていただきます |
「ご確認させていただきます」は二重敬語?
「確認させていただきます」の前に「ご」をつけて、「ご確認させていただきます」と言う方がいますが、これは二重敬語なのでしょうか。
結論から言うと、二重敬語にはあたりません。ただし、自然な表現とも言いにくく、ビジネスシーンではあまり使われない表現です。
そもそも「ご確認」の「ご」は、本来は相手の行為に対してつける敬語です。たとえば「ご確認をお願いいたします」「ご確認いただけますか」のように、相手に確認してもらうときに使います。
一方、「確認させていただきます」は自分が確認する表現ですから、自分の行為に「ご」をつけるのは不自然です。文法的に完全な誤りとは言い切れませんが、相手によっては違和感を持たれることもあります。
場面ごとに整理すると、次のようになります。
- 自分が確認する → 「確認いたします」「確認させていただきます」(「ご」は不要)
- 相手に確認してもらう → 「ご確認をお願いいたします」「ご確認いただけますか」
「ご確認させていただきます」を使いたくなったときは、まず「自分が確認するのか、相手に確認してもらうのか」を確認してみてください。それだけで、自然な表現に整理できます。
ビジネスで使える例文集
実際のビジネスシーンでどう使うか、場面別に例文をまとめました。NG例とOK例を見比べながら、使い分けの感覚をつかんでみてください。
社外メール(取引先から資料を受け取ったとき)
❌ 資料をお送りいただきありがとうございます。確認させていただき、後ほどご連絡いたします。
⭕ 資料をお送りいただきありがとうございます。拝見いたしまして、後ほどご連絡いたします。
社外メール(問い合わせへの返答)
❌ お問い合わせいただいた件について、確認させていただきます。
⭕ お問い合わせいただいた件について、確認いたします。
社内メール(上司への確認依頼)
❌ 先日お送りした企画書について、ご確認させていただけますでしょうか。
⭕ 先日お送りした企画書について、ご確認いただけますでしょうか。
電話での一言(問い合わせを受けたとき)
❌ 少々お待ちください。確認させていただきます。
⭕ 少々お待ちください。確認いたします。
「確認させていただきます」が自然に使える場面
⭕ お手数ですが、ご本人確認のため、身分証を確認させていただきます。
⭕ スケジュール変更の件、確認させていただきました。問題ございません。
例文を見ると、日常的なビジネスシーンのほとんどは「確認いたします」「拝見いたします」でカバーできることがわかります。「確認させていただきます」は、相手の許可が必要な場面にだけ使う、と覚えておくとシンプルです。
まとめ
「確認させていただきます」は正しい敬語ですが、使える場面は「相手の許可が必要なとき」に限られます。許可が不要な場面で使い続けると、丁寧なつもりが「回りくどい」と受け取られることがあるため注意が必要です。
迷ったときは、次の3つを使い分けの基準にしてみてください。
- 許可が不要な確認 → 「確認いたします」
- 資料・書類・メールを見る → 「拝見いたします」
- 相手の許可を得て確認する → 「確認させていただきます」
また、「ご確認させていただきます」は自分が確認する場面では不自然です。相手に確認してもらうときは「ご確認をお願いいたします」、自分が確認するときは「確認いたします」と覚えておくだけで、ほとんどの場面に対応できます。
敬語は丁寧であればよいというわけではなく、場面に合った表現を選ぶことが大切です。この記事の使い分けを参考に、すっきりとした敬語表現を使いこなしてみてください。
