
会議中に「時間が押していて…」と言われて、なんとなく意味は分かるけれど、正確にはどんな状況を指すのか自信がない、という方も多いのではないでしょうか。また、「時間がおす」と検索してみたものの、漢字ではどう書くのか気になった方もいるかもしれません。
この記事では、「時間が押す」の意味や漢字表記、似た表現の「巻く」との違いに加えて、ビジネスメールでそのまま使える丁寧な言い換え表現や例文まで、分かりやすくご紹介します。
「時間が押す」とはどういう意味?
「時間が押す」とは、あらかじめ決めていた予定よりも進行が遅れている状態を指す言葉です。会議がなかなか終わらなかったり、イベントの進行が予定時刻を過ぎてしまったりしたときに使われます。
もともとは、テレビ番組や舞台などの現場で使われていた業界用語がもとになっていると言われています。放送や公演の世界では「決められた時間通りに進める」ことがとても重要なので、そこから「時間が押す」という表現が生まれ、少しずつ日常やビジネスの場面でも使われるようになりました。
具体的には、次のような場面でよく耳にする表現です。
- 会議やプレゼンで、質疑応答が長引いてしまったとき
- イベントや式典で、開会や進行が予定より遅れているとき
- 打ち合わせが延びて、次の予定に影響が出そうなとき
いずれも「本来のスケジュールより後ろにずれ込んでいる」という共通点があります。
「時間が押す」の漢字表記と読み方
「時間が押す」は、「じかんがおす」と読みます。「時間がおす」とひらがなで検索する方も多いですが、正式には「押す」という漢字を使うのが正しい表記です。
ここで少し注意しておきたいのが、「時間が推す」という表記です。「推す」は「おすすめする」「支持する」といった意味の言葉なので、スケジュールが遅れている状況を表す場合には使いません。パソコンやスマートフォンで変換したときに、うっかり「推す」を選んでしまうケースがあるようなので、文章やメールで使う際は「押す」になっているか確認しておくと安心です。
なお、活用する際は「時間が押しています」「時間が押しております」のように形が変わります。基本の形を覚えておけば、場面に応じて自然に使い分けられますよ。
「時間が押す」と「巻く」の違い
「時間が押す」とセットでよく使われるのが、「巻く」という表現です。この二つは反対の意味を持つので、混同しないよう整理しておきましょう。
- 時間が押す:予定より進行が遅れている状態
- 巻く(時間を巻く):遅れを取り戻すために進行を早める、または本来より前倒しで進める状態
たとえば、会議で議論が長引いてしまい「時間が押している」となった場合、司会者が「少し巻いていきましょう」と声をかけることがあります。これは「このままでは終了時刻に間に合わないので、テンポを上げて進めましょう」という意味です。
つまり、「押す」は遅れている状況そのものを表し、「巻く」はその遅れを解消するための行動を表す言葉と考えると分かりやすいでしょう。二つをセットで覚えておくと、会議やイベントの現場での会話がぐっと理解しやすくなります。
「時間が押す」の丁寧な言い換え表現
「時間が押す」は便利な表現ですが、もともとは業界用語に由来する、ややくだけた響きの言葉です。目上の方や社外の相手とのやり取りでは、状況に応じてより丁寧な表現に言い換えると、落ち着いた印象を与えられます。ここでは、フォーマル度別に使いやすい言い換えを紹介します。
社内・気心の知れた相手向け
「予定より少し遅れております」「進行が押している状況です」のように、事実を簡潔に伝える言い方が自然です。
上司・取引先など、社外向け
「予定より進行が遅れております」「スケジュールが後ろ倒しになっております」といった表現が無難です。「押す」という言葉自体を避けることで、フォーマルな印象になります。
謝罪の気持ちを添えたいとき
「大変恐れ入りますが、予定より進行が遅れております」のように、お詫びの言葉を一言添えると、より丁寧な印象になります。
ビジネスメールでの例文
実際にメールで使う際の例文をシーン別に紹介します。そのまま使いやすいよう、短くまとめました。
会議の進行が遅れていることを社内で共有する場合
本日の会議ですが、議題が多く予定より進行が遅れております。開始を10分ほど後ろ倒しにさせていただければと存じます。
打ち合わせの開始が遅れることを社外の相手に伝える場合
大変恐れ入りますが、前の打ち合わせが長引いており、本日の開始時刻が5分ほど遅れる見込みです。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
訪問が遅れそうなことを事前に連絡する場合
移動に予想より時間がかかっており、到着が10分ほど遅れる可能性がございます。取り急ぎご連絡いたします。
いずれも「遅れる時間の目安」と「一言お詫び」をセットにすると、相手に状況が伝わりやすくなります。
「時間が押す」の反対語
「時間が押す」の反対の状況を表す言葉には、すでに紹介した「巻く」のほか、次のような表現があります。
- 予定通り進む:スケジュール通りに物事が進んでいる状態
- 時間に余裕がある:予定より時間が残っている状態
- 順調に進行している:滞りなく物事が進んでいる状態
ビジネスメールでは、「予定通り進んでおります」「順調に進行しております」といった表現に言い換えると、丁寧な印象になります。
まとめ
「時間が押す」は、予定より進行が遅れている状態を表す表現で、漢字では「押す」と書きます。反対の状況を表す「巻く」とセットで覚えておくと、会議やイベントの現場での会話がスムーズに理解できるようになります。
また、この表現は口語的な響きがあるため、目上の方や社外の相手には「予定より進行が遅れております」といった丁寧な言い換えを使うのがおすすめです。今回紹介した例文を参考に、状況に合わせて使い分けてみてください。
