
ビジネスメールで資料を送るとき、「お目通しいただければ幸いです」という一文を使ったことがある方は多いと思います。でも、こんな不安を感じたことはありませんか?
「これって上司に使っても失礼じゃないかな?」
「取引先へのメールにも使っていいのかな?」
「ほかの表現と何が違うんだろう?」
この記事では、「お目通しいただければ幸いです」の意味と正しい使い方を、メール例文つきでわかりやすく解説します。言い換え表現との使い分けまでまとめているので、迷ったときにそのまま使えます。
「お目通しいただければ幸いです」の意味をおさらい
「お目通し」とは、最初から最後までひと通り見ることを意味する言葉です。内容を細かく精査するのではなく、全体をざっと把握してもらうときに使います。
「目を通す」という動詞に、丁寧さを加える接頭語「お」がついた形で、目上の人や取引先に対して使える敬語表現です。
そこに「幸いです」を組み合わせると、「見ていただけると嬉しいです」というやわらかいお願いの表現になります。命令や強い要求ではなく、相手への配慮を込めた依頼のフレーズです。
なお、読み方は「おめどおし」が一般的です。「おめとおし」と読むこともありますが、どちらも間違いとは言い切れません。
また、自分が目を通した場合に「お目通ししました」とは言えません。自分の行為には使えない表現なので、そのときは「拝見しました」「確認しました」と言い換えましょう。
失礼にはならない?上司・取引先に使っても大丈夫か
結論からいうと、上司にも取引先にも使える丁寧な表現です。失礼にはなりません。
ただ、「幸いです」という言葉には「できればお願いしたい」というニュアンスがあり、対応するかどうかの選択を相手に委ねる表現でもあります。つまり、強くお願いするというより「よかったら見てください」に近い温度感です。
これ自体はマナー違反ではなく、むしろ相手に余白を持たせる丁寧な言い回しとして広くビジネスシーンで使われています。
ただし、期日が決まっている場合は注意が必要です。「幸いです」だけでは、いつまでに見てほしいのかが伝わりません。その場合は、期日を一言添えるだけでぐっと明確になります。
- 「明日の会議までにお目通しいただければ幸いです」
- 「今週中にお目通しいただければ幸いです」
期日があるときは必ず明示する、と覚えておくと安心です。
社内(上司)と社外(取引先)、それぞれの使い方
「お目通しいただければ幸いです」は社内・社外どちらにも使えますが、相手との関係性によって前後の言葉を少し調整するとより自然です。
社内の上司に送るとき
上司へのメールでは、「お手すきの際に」を添えると、相手の都合を気遣う印象になります。
先日の打ち合わせ内容をまとめた資料を添付いたします。
お手すきの際にお目通しいただければ幸いです。
社外の取引先に送るとき
取引先には、より丁寧な前置きを加えるとスムーズです。「ご多忙のところ恐縮ですが」「お忙しいところ申し訳ございませんが」などを組み合わせると、相手への配慮が伝わります。
提案書を添付ファイルにてお送りいたします。
ご多忙のところ恐縮ですが、お目通しいただければ幸いです。
どちらの場合も、資料や文書の内容を一言で説明してから「お目通しいただければ幸いです」につなげると、相手が何を確認すればよいか一目でわかります。
シーン別のメール例文
実際のビジネスシーンに合わせた例文をまとめました。そのまま使ったり、アレンジしたりしてご活用ください。
資料・企画書を添付して送るとき
企画書を添付いたします。ご確認のうえ、お目通しいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
会議前に事前確認をお願いするとき
明日の会議資料を添付いたします。お手すきの際に事前にお目通しいただければ幸いです。
修正後の資料を再送するとき
先日お送りした資料を修正いたしました。お忙しいところ恐縮ですが、改めてお目通しいただければ幸いです。
履歴書・応募書類を送るとき
就職・転職活動で履歴書や職務経歴書を送る際にも使えます。採用担当者は目上の立場にあたるため、この表現は自然に使えます。
履歴書および職務経歴書を添付いたします。お目通しいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
「お目通し」「ご査収」「ご一読」「ご確認」の使い分けと言い換え
似たような場面で使う表現がいくつかありますが、それぞれニュアンスが異なります。場面に合わせて使い分けられると、より的確な印象を与えられます。
お目通し
全体をざっと把握してほしいときに使います。細かく確認するというより、内容の概要をつかんでもらうイメージです。やわらかいお願いの表現なので、プレッシャーを与えたくない場面に向いています。
ご一読
「一度読んでほしい」というニュアンスで、お目通しよりやや内容をしっかり読んでほしいときに使います。資料や案内文など、読み物として送る場合に自然です。
ご確認
内容を確かめてほしいというストレートな依頼です。お目通しよりも確認の意味が強く、返答や承認が必要な場面にも使えます。日常的なビジネスメールで最も幅広く使える表現です。
ご査収
「よく確認したうえで受け取ってください」という意味で、4つの中で最も改まった表現です。請求書や契約書など、重要な書類を送るときに使います。ざっと見てほしい場面には少し重すぎるので注意しましょう。
まとめ
「お目通しいただければ幸いです」は、上司にも取引先にも使える丁寧な依頼表現です。失礼にあたる言葉ではないので、ビジネスメールで資料や書類を送る際に安心して使ってください。なお、期日がある場合は「〇日までに」と一言添えると、より確実に伝わります。
似た表現との使い分けも意識できると、メールの質がぐっと上がります。
- ざっと全体を見てほしい → お目通し
- しっかり読んでほしい → ご一読
- 確認・返答がほしい → ご確認
- 重要書類の受け取り → ご査収
場面に合った言葉を選ぶことで、相手への配慮がより伝わるメールになります。
