
「なお」と「また」、どちらを先に書けばいいんだろう?
そもそも何が違うんだろう?
ビジネスメールや案内文を書いていると、こんな疑問が頭をよぎることはありませんか。
どちらも前の文章に情報をつなぐ接続詞ですが、役割はちゃんと違います。使い方を間違えると、読み手に「なんとなく読みにくい」印象を与えてしまうこともあります。
この記事では、「なお」と「また」の意味の違い・正しい順番・ビジネスでの実践的な使い方を、例文をたっぷり交えながら解説します。「なお」が2回続いてしまうときの言い換えもあわせて紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
「なお」と「また」の意味の違いをひと言で
「なお」と「また」は、どちらも前の文章に何かをつなぐ接続詞です。でも、その役割は異なります。
ひと言で言うと、こうなります。
- なお:前の話の補足・強調をするときに使う
- また:前の話とは別の情報を追加するときに使う
「なお」は、前の文章と密接に関係した内容を続けるイメージです。「さっき言ったことに付け加えると…」というニュアンスですね。
一方「また」は、前の話から少し離れた別の事柄を並べるイメージ。「それとは別に、もう一つ言うと…」という感覚です。
迷ったときは、「補足したいなら『なお』、別の話を足すなら『また』」と覚えておくと判断しやすくなります。
| なお | また | |
|---|---|---|
| 役割 | 補足・強調 | 追加・並列 |
| 前の文との関係 | 密接につながっている | 別の話を並べる |
| 使うシーン例 | 注意事項・念押し・例外事項 | 別件の案内・追加情報 |
「なお」と「また」、どちらを先に書く?順番の考え方
「なお」と「また」を両方使う場合、どちらを先に書けばいいのか迷う方は多いと思います。
結論から言うと、「また」を先に書き、「なお」を後に書くのが一般的です。
なぜこの順番なのかというと、それぞれの役割を考えるとわかりやすくなります。「また」は別の情報を追加するための言葉なので、本題に近い位置で使います。「なお」は補足・念押しなので、最後に添える形が自然です。
イメージとしては、こんな流れです。
本題 → また、追加の情報 → なお、補足・注意事項
たとえば、社内への案内文であれば次のような順番になります。
来週月曜日より、オフィスの入館手続きが変更になります。また、駐車場の利用方法についても併せて見直しを行います。なお、詳細については別途メールにてご案内します。
この例のように、「また」で関連する別件を追加し、「なお」で補足・締めくくりの情報を添えると、読みやすい文章になります。
公文書では「また→なお」の順番が慣習として定着しており、ビジネス文書でもこれに倣うのが無難です。
ビジネスメール・文書での使い方|実践例文つき
ここでは、実際のビジネスシーンを想定した例文を紹介します。「また」と「なお」をセットで使うパターンを中心に見ていきましょう。
【例文1:社内への変更通知】
来月より、経費精算システムが新しくなります。また、申請期限もこれまでの毎月末から25日に変更となります。なお、移行期間中は旧システムも引き続きご利用いただけます。
【例文2:取引先へのお知らせメール】
弊社では、来る○月○日より営業時間を変更いたします。また、休業日についても一部見直しを行う予定です。なお、ご不明な点がございましたら、担当者までお気軽にお問い合わせください。
【例文3:イベント・説明会の案内】
説明会は午後2時より開始いたします。また、終了後に個別相談の時間も設けております。なお、会場へのアクセスについては、添付の地図をご参照ください。
【例文4:社内通達】
来週より全フロアで空調設備のメンテナンスを実施いたします。また、作業中は一部の会議室が使用できなくなります。なお、詳しいスケジュールは掲示板にてご確認ください。
どの例文も、「また」で関連する別の情報を追加し、「なお」で補足・案内を締めくくる構成になっています。この流れを意識するだけで、読みやすくまとまりのある文章になります。
「なお」が2回続いてしまうときの言い換え
文章を書いていると、補足したい内容が2つ以上あって「なお」を繰り返してしまうことがあります。
なお、〇〇については別途ご連絡します。なお、ご不明な点はお問い合わせください。
こうなると、読んでいてくどい印象になってしまいます。ビジネス文書では特に気をつけたいポイントです。
そんなときは、2回目の「なお」を別の表現に言い換えるのがおすすめです。
- 付記:メールや文書の末尾に添えるときに使いやすい。フォーマル度が高い
- 追記:「なお」より軽いニュアンスで、メールでよく使われる
- 補足:「補足ですが」という形で使える。やや柔らかい印象
- 念のため申し添えますと:丁寧な印象で、改まった場面に向いている
- あわせてお知らせします:「また」に近いニュアンスだが、締めくくりにも使える
実際の文章で見てみると、こうなります。
なお、〇〇については別途ご連絡します。念のため申し添えますと、ご不明な点はいつでもお問い合わせください。
なお、〇〇については別途ご連絡します。追記ですが、ご不明な点はいつでもお問い合わせください。
「なお」が重なりそうになったら、内容に合わせてこれらの表現を使い分けてみてください。
「なお・また」の言い換え表現まとめ
「なお」「また」は便利な言葉ですが、同じ文書の中で何度も使うと単調な印象になることがあります。場面に応じて言い換え表現を使い分けると、文章の質がぐっと上がります。
「なお」の言い換え
- 付記:文書の末尾に情報を添えるときに使う。フォーマルな場面向き
- 念のため:「念のためお伝えしますと」の形で使いやすい。柔らかい印象
- 補足ですが:やや口語的。メールや社内文書に向いている
- なお付け加えますと:「なお」を使いつつ、くどさを和らげたいときに有効
「また」の言い換え
- あわせて:「あわせてお知らせします」の形でよく使われる。自然でスマート
- 加えて:「また」より少しフォーマルな印象。ビジネス文書向き
- さらに:情報を積み重ねていくニュアンスがある。強調したいときに有効
- そのほか:複数の追加情報をまとめて紹介するときに使いやすい
| 言葉 | フォーマル度 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 付記 | 高 | 公文書・正式な通知文 |
| 念のため | 中〜高 | ビジネスメール全般 |
| あわせて | 中〜高 | ビジネスメール・社内文書 |
| 加えて | 中 | ビジネスメール・報告書 |
| 補足ですが | 中 | 社内メール・カジュアルな文書 |
| そのほか | 低〜中 | 案内文・リスト形式の文書 |
「なお」「また」に限らず、言い換え表現をいくつか引き出しに持っておくと、表現の幅がぐっと広がります。
まとめ
「なお」と「また」の違いと使い方について解説しました。最後に要点を整理しておきます。
「なお」は前の文章の補足・強調、「また」は前の文章とは別の情報を追加するときに使います。両方使う場合の順番は、「また」を先に、「なお」を後に書くのが基本です。
ビジネスメールや文書では、この順番を意識するだけで読みやすさがぐっと上がります。加えて、「なお」が2回続きそうなときは「念のため」「追記」などの言い換えを活用すると、すっきりとした文章に仕上がります。
「補足したいなら『なお』、別の話を足すなら『また』」——この一点を覚えておくだけで、迷う場面はぐっと減るはずです。ぜひ今日から使い分けてみてください。

