料理中に水溶き片栗粉を作りすぎて余ってしまったり、実験で片栗粉を水に溶かして失敗してしまったり――。
そんなとき「このまま排水口に流していいのかな?」と迷った経験はありませんか?
実際、片栗粉は水と混ざるとドロッとして扱いにくく、処理方法を間違えると排水管の詰まりや悪臭の原因になってしまうことがあります。
特に「お湯で流せば溶けるだろう」と思って処理すると、かえってデンプンが固まってトラブルを招くことも…。
この記事では、水溶き片栗粉を 安全に処理する正しい方法 と、やってはいけない NGな捨て方 を分かりやすく解説します。
最後まで読めば「どんな場合にどう捨てればいいか」がスッキリわかり、排水口トラブルを未然に防ぐことができますよ。
水溶き片栗粉を排水口に流してはいけない理由
水溶き片栗粉は見た目がサラッとしているので、「水と一緒に流せば大丈夫かな」と思ってしまいがちです。
でも、実はそのまま流すのはおすすめできません。
一番の理由は 片栗粉の成分がデンプンだから です。
デンプンは熱が加わると「糊(のり)」のように固まる性質があります。
もしお湯で流してしまうと、排水管の中でベタッと固まってしまい、詰まりの原因になりやすいのです。
また、少量でも何度も繰り返して流していると、配管の曲がり角や排水トラップに少しずつたまっていきます。
そのまま放置すると水の流れが悪くなったり、においの原因になったりすることもあります。
つまり「お湯で流す」や「まとめて大量に流す」のはとても危険。
片栗粉を捨てるときは、排水口ではなくゴミとして処分するのが基本なんですね。
正しい捨て方の方法
水溶き片栗粉は「排水口に流す」よりも、ゴミとして処理する のが基本です。
ここでは、家庭でもすぐにできるいくつかの方法をご紹介します。
新聞紙やキッチンペーパーに吸わせてゴミへ
少量であれば、キッチンペーパーやティッシュに吸わせて、そのまま燃えるゴミに出すのが一番簡単です。
ボウルや器に残った分を紙で拭き取ってから捨てれば、洗い物もラクになりますよ。
沈殿させてから処分する
ボウルに残った水溶き片栗粉をしばらく置くと、下にドロッとした沈殿物がたまります。
上の透明な水だけをそっと流し、沈んだ部分は袋や紙に包んで可燃ゴミに出しましょう。
冷凍して固めてから捨てる
たくさん余ってしまったときは、袋や容器に入れて冷凍庫で固めてしまうのもおすすめです。
カチカチに凍らせたら、そのまま袋ごと燃えるゴミに出せるので安心です。
ごく少量なら水で薄めて流す
「スプーン1杯くらい残った」などごく少量であれば、冷たい水でしっかり薄めながら、大量の水と一緒に流せば大丈夫。
ただし、これはあくまで少量限定。たくさんある場合は必ずゴミとして処分してくださいね。
やってはいけないNG処理方法
水溶き片栗粉は、一見すると「水と同じように流していいのでは?」と思ってしまいますが、実は間違った処理をすると配管トラブルの原因になってしまいます。ここでは特に避けたい方法をご紹介します。
お湯で流す
「お湯なら溶けて流れるはず」と思う方も多いのですが、逆効果です。
片栗粉の主成分であるデンプンは熱で固まる性質があるため、排水管の中でベタッと糊のように付着してしまいます。
大量を一気に流す
たとえ冷たい水であっても、大量にドロッとした状態のまま流すと配管に沈殿してしまい、詰まりのもとになります。
油と一緒に流す
料理の後片付けで油と一緒に流すと、デンプンのネバつきと油汚れが混ざり合い、落ちにくい塊になってしまいます。
こうなると水だけでは流れにくく、掃除も大変です。
固まったまま流す
長時間放置して固まった水溶き片栗粉を、ゴリゴリ削ってそのまま流すのも危険です。
一気に大きな塊が配管に入ってしまうと、すぐに詰まりの原因になります。
もし流してしまった場合の対処法
「うっかり排水口に流してしまった…」ということもありますよね。
そんなときは慌てず、次の方法を試してみてください。
ラバーカップを使う
トイレ詰まりでよく使う「スッポン」と同じ道具です。
排水口にピッタリ当てて押したり引いたりすると、中の詰まりを動かして流れを良くすることができます。
重曹とお酢を使う
市販の重曹を排水口にふりかけ、その上からお酢を少しずつ注ぎます。
シュワシュワと泡が出て汚れを浮かせてくれるので、最後にぬるま湯を流せばスッキリしやすくなります。
パイプクリーナーを使う
ドラッグストアなどで売っている専用のパイプクリーナーも効果的です。
説明書に従って使えば、こびりついたデンプンや油汚れを溶かして流しやすくしてくれます。
業者に依頼する
どうしても改善しないときや、水の流れが完全に止まってしまった場合は、無理をせず専門の業者さんに相談するのが安心です。
調理器具の後片付けのコツ
水溶き片栗粉を使った後、ボウルやお鍋、菜箸などにドロッと残ってしまうことってありますよね。
ここでも処理の仕方を間違えると、排水口トラブルにつながることがあります。
ちょっとした工夫で後片付けがぐんと楽になりますよ。
拭き取ってから洗う
ボウルや鍋に残った片栗粉は、そのまま水で流さずに キッチンペーパーや新聞紙で拭き取ってから 洗うのが基本です。
これだけで排水口に流れる片栗粉の量を大きく減らせます。
少量の水でゆるめてから処理
ドロッと固まってしまった場合は、少し水を加えてゆるめてから紙で拭き取るとスムーズです。
そのままゴシゴシ流すと詰まりやすいので注意してくださいね。
スポンジに付いた片栗粉も注意
食器用スポンジに片栗粉がベタッと付いたまま洗うと、スポンジから排水口へ流れてしまいます。
あらかじめ流水で軽く落としてから洗剤で洗うと安心です。
まとめ
水溶き片栗粉は料理や実験で便利ですが、捨て方を間違えると排水口トラブルの原因になってしまいます。
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基本は 紙に吸わせてゴミに出す のが安心
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余ったら 沈殿させる・冷凍して固める と処理しやすい
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ごく少量なら 冷水で薄めて大量の水と一緒に流す ことも可能
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お湯で流す・大量を一気に流す・油と混ぜる のはNG
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うっかり流してしまったら、ラバーカップや重曹+酢などで対処
そして、ボウルや鍋に残った片栗粉は拭き取ってから洗うのがトラブル防止のコツです。
正しい方法を知っておけば、もう「どうやって処分しよう?」と迷うことはありません。
日々のちょっとした工夫で、キッチンを清潔で安心な状態に保ちましょう。