
上司や取引先から思いがけず褒めてもらったとき、嬉しい気持ちはあるものの、なんと返せばいいか迷ってしまうことはありませんか?
「お世辞でも嬉しいです」と言いたくなる場面ですが、この一言は相手によっては失礼に聞こえてしまうことがあります。
結論からお伝えすると、親しい同僚なら使えても、上司やお客様、取引先には避けたほうが安心です。
この記事では、「お世辞でも嬉しい」の意味と相手別の使い分け、そして失礼にならない言い換え表現を、例文つきでご紹介します。
「お世辞でも嬉しい」の意味とニュアンス
「お世辞でも嬉しい」は、相手の褒め言葉を社交辞令かもしれないと受け止めながらも、それでも嬉しいと伝える表現です。
お世辞とは、相手を喜ばせるために、本心よりも良く言う言葉のことです。つまり「お世辞でも嬉しい」の中には、「本気で言ってくれたわけではないかもしれませんが」という謙遜と、「それでも褒めてもらえて嬉しい」という素直な喜びの両方が入っています。
たとえば、手料理を褒められたときに「お世辞でも嬉しいわ」と返す場面を思い浮かべてみてください。照れくささをやわらげながら、喜びもきちんと伝わる、親しみのある言い方ですよね。
語尾は、「嬉しいわ」「嬉しいな」ならくだけた話し言葉、「嬉しいです」なら丁寧な口調になります。口調が変わっても、意味やニュアンスは同じです。
ビジネスで使っていい?目上・取引先には失礼になる場合も
ビジネスの場では、上司やお客様、取引先など目上の方には使わないのが無難です。一方、気心の知れた同僚や先輩になら、場面しだいで使っても問題ありません。
目上の方に避けたい理由は、「お世辞」という言葉を入れることで、相手の言葉を本心ではないと決めつけたように聞こえてしまうからです。褒めた側は、心から伝えたつもりかもしれません。そこへ「お世辞でも」と返されると、真剣な気持ちを軽く扱われたと感じる方もいます。
「嬉しいです」と「です」をつければ丁寧な口調にはなりますが、言葉づかいが丁寧になっても、相手に与える印象は変わりません。大切なのは敬語かどうかよりも、言葉の中身です。
親しい相手に使うなら、普段から冗談を言い合える関係で、笑顔や明るい口調から照れ隠しだと伝わることが目安になります。
目上・取引先に使える言い換え表現
「お世辞でも嬉しい」に込めた謙遜と喜びの気持ちは、目上の方には別の言葉に置きかえて伝えるのがおすすめです。照れや謙遜を伝えたいときは「恐縮です」「身に余るお言葉です」、喜びを伝えたいときは「嬉しく存じます」「光栄です」が使いやすい表現です。
| 表現 | ニュアンス | 使いやすい相手 |
|---|---|---|
| 光栄です | 評価されたことを名誉に感じる | 上司・取引先 |
| 恐縮です | 褒められて恐れ入る、控えめな気持ち | 上司・お客様 |
| 嬉しく存じます | 「嬉しい」の丁寧で改まった言い方 | 取引先・お客様 |
| 励みになります | 今後も頑張りたいという前向きな気持ち | 上司・先輩 |
| 身に余るお言葉です | 自分にはもったいないほどの褒め言葉への感謝 | 上司・取引先 |
【対面で上司に褒められたとき】
ありがとうございます。身に余るお言葉で恐縮です。今後の励みにいたします。
【メールで取引先からお褒めの言葉をいただいたとき】
このたびは温かいお言葉をいただき、大変嬉しく存じます。
同僚・親しい相手に使える、やわらかい返し方
気心の知れた同僚や先輩に褒められたときは、「お世辞でも嬉しいです」のあとに感謝の言葉を添えると、やわらかい印象にまとまります。「お世辞でも」だけで終わると謙遜が強く出すぎて、相手が受け止めにくくなるからです。
【対面で同僚に褒められたとき】
お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます!
冗談を言い合える先輩なら、少し茶目っ気を出した返し方もあります。
【対面で、冗談を言い合える先輩に褒められたとき】
先輩、お世辞がお上手ですね。でも、嬉しいです。ありがとうございます。
ただし、冗談めかした返しは、関係性や普段のキャラクターに合っていないと逆効果になることがあります。普段あまり冗談を言わない人が使うと、本気に受け取られかねません。迷ったときは、素直に感謝だけを伝えましょう。
【チャットで同僚から褒められたとき】
ありがとうございます!お世辞でも嬉しいです(笑)
文字だけのやりとりでは口調が伝わらないので、「(笑)」を添えるなど、冗談だとわかる工夫をしておくと誤解されにくくなります。
まとめ
褒められたときは、謙遜しすぎず、感謝の気持ちをまっすぐ伝えることが何より大切です。相手も「褒めてよかった」と感じてくれて、その後のやりとりも気持ちよく進みます。

