
ビジネスメールで「お手続きの程よろしくお願い致します」と書こうとして、「これって正しい敬語なのかな?」「もっと丁寧な言い方はある?」と気になったことはありませんか。
この表現は、取引先や上司に手続きをお願いするときに使える定番のフレーズです。意味・使い方・そのまま使えるメール例文・言い換え表現まで、この記事でまとめて確認しましょう。
「お手続きの程よろしくお願い致します」の意味と読み方
「お手続きの程よろしくお願い致します」は、相手に何らかの手続きをしてもらうよう、やわらかくお願いする敬語表現です。ひと言で言えば「手続きをしてください」という依頼を、丁寧に伝えるフレーズです。
ポイントは「の程」という言葉です。「の程」には断定を避けてニュアンスをやわらげる働きがあります。「手続きをしてください」とストレートに言うより、ぐっと柔らかい印象になります。
この表現には、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類の敬語が組み合わさっています。目上の方や取引先に使っても失礼にあたらない、きちんとした敬語表現です。
「致します」と「いたします」どちらが正しい?
これは迷う方が多いポイントですが、どちらも間違いではありません。「いたします」はひらがな表記、「致します」は漢字表記で、意味はまったく同じです。ただし、公用文のルールではひらがなの「いたします」が推奨されています。ビジネスメールでは「お手続きの程よろしくお願いいたします」と書くのが、より無難な選択です。
使えるシーンと基本の使い方
「お手続きの程よろしくお願いいたします」は、相手に何らかの手続きを依頼するときに幅広く使えます。たとえば以下のようなシーンが代表的です。
- 契約書の締結をお願いするとき
- 申込フォームへの入力・送信を促すとき
- 支払い・振込をお願いするとき
- 書類への署名・捺印を依頼するとき
使う相手は、取引先・社外のお客様・社内の上司など、目上の方全般に対応しています。
ただし、この表現を単体でポンと使うと、場合によっては少し事務的な印象を与えることがあります。前にクッション言葉を添えると、より丁寧で配慮のある文章になります。
よく使われるクッション言葉の例を挙げます。
- 「お忙しいところ恐れ入りますが、お手続きの程よろしくお願いいたします」
- 「お手数をおかけいたしますが、お手続きの程よろしくお願いいたします」
- 「ご多用中のところ大変恐縮ですが、お手続きの程よろしくお願いいたします」
クッション言葉ひとつ添えるだけで、受け取る側の印象がぐっとやわらかくなります。メールの文脈に合わせて使い分けてみてください。
シーン別メール例文
実際のメールでどう使うか、シーン別に例文を紹介します。そのまま使ったり、アレンジしたりしてお役立てください。
【初めて手続きをお願いするとき】
このたびはお申し込みいただきありがとうございます。つきましては、下記の内容をご確認のうえ、お手続きの程よろしくお願いいたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
【期日を明示してお願いするとき】
お世話になっております。先日ご案内いたしました件につきまして、〇月〇日(〇)までにお手続きの程よろしくお願いいたします。お忙しいところ恐れ入りますが、期日までにご対応いただけますと幸いです。
【催促・リマインドをするとき】
お世話になっております。先日ご案内いたしました〇〇の手続きについて、まだご対応が確認できておりません。お忙しいところ大変恐縮ですが、今一度ご確認のうえ、お手続きの程よろしくお願いいたします。ご不明な点がございましたら、遠慮なくお知らせください。
催促のメールは、相手を責めるような言い回しにならないよう注意が必要です。「まだですか?」という直接的な表現は避け、「ご確認できておりません」のようにやわらかく伝えるのがポイントです。
丁寧度で選ぶ言い換え表現
「お手続きの程よろしくお願いいたします」は十分に丁寧な表現ですが、相手や状況によってもう少し強めたり、逆にやわらかくしたりしたいこともあります。以下に丁寧度の目安とともに言い換え表現をまとめました。
お手続きくださいますようお願いいたします
「お手続きの程〜」とほぼ同じ丁寧さです。「くださいますよう」は相手の行為を尊重するニュアンスがあり、取引先・上司どちらにも使いやすい表現です。
お手続きいただければ幸いです
「〜すれば幸いです」は相手への強制感をさらに抑えた、控えめな依頼表現です。急ぎでない依頼や、初めてお願いする相手に使うと好印象です。
お手続きいただきますようお願い申し上げます
「お願いいたします」より「お願い申し上げます」のほうが格式が上がります。重要な契約や改まった場面で使うと、文章全体が引き締まります。
お手続き賜りますようお願い申し上げます
「賜る」は「もらう」の謙譲語の中でも最も丁寧な部類です。格式の高い取引先や、重要な依頼の場面に向いています。日常的なメールで使うとやや仰々しくなるため、場面を選んで使いましょう。
使うときの注意点
「お手続きの程よろしくお願いいたします」は便利な表現ですが、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
期日を明示しないと動いてもらえないことがある
「お手続きの程よろしくお願いいたします」だけでは、いつまでに対応してほしいのかが相手に伝わりません。期限がある場合は「〇月〇日までに」と具体的な日付をセットで伝えるようにしましょう。期日を明示することで、相手も優先順位をつけやすくなります。
「お手続きください」との使い分け
「お手続きください」も敬語として正しい表現ですが、「ください」は敬語でありながら命令形に近い響きを持ちます。目上の方や取引先に対しては、「お手続きの程よろしくお願いいたします」のようにやわらかい表現を選ぶほうが無難です。社内の同僚など関係が近い相手には「お手続きください」でも問題ありません。
催促・重ねてのお願いではクッション言葉を必ず添える
一度お願いしたのに対応がなく、再度連絡する場面では特に注意が必要です。この表現を単体で使うと、相手によっては責められているように感じることがあります。「お手数をおかけいたしますが」などのクッション言葉を必ず添えて、配慮ある文面を心がけましょう。
まとめ
「お手続きの程よろしくお願いいたします」は、相手に手続きをやわらかくお願いする定番の敬語フレーズです。尊敬語・謙譲語・丁寧語が組み合わさった丁寧な表現で、取引先や目上の方へのメールでも安心して使えます。
使うときのポイントをおさらいすると、以下の3点です。
- クッション言葉を添えて、相手への配慮を示す
- 期日がある場合は日付をセットで伝える
- 催促や重要な依頼では、より丁寧な言い換え表現も検討する
迷ったときは「お忙しいところ恐れ入りますが、お手続きの程よろしくお願いいたします」を基本形として覚えておくと、さまざまな場面で応用が利きます。相手や状況に合わせて言い換え表現も活用しながら、スムーズなビジネスコミュニケーションに役立ててください。

