
生活作文を書いていて、
「最後、どう終わらせればいいんだろう?」
と手が止まったことはありませんか。
書き出しや途中までは、
自分の体験をそのまま書けていたのに、
まとめに入った瞬間、
「結局、何が言いたいの?」
「最後は自分の意見を書かないといけないよね」
そんなふうに考えてしまい、
気づいたら意見文のような終わり方になってしまう人はとても多いです。
でも、それはあなたの作文が下手だからではありません。
「まとめ=結論を書くもの」
という思い込みが、生活作文をズラしてしまっているだけです。
実は、
生活作文のまとめには
答えを出す必要はありません。
このページでは、
・なぜまとめで意見文になりやすいのか
・生活作文の「まとめ」が結論ではない理由
・意見文にならずに終われる考え方
を整理していきます。
「最後でいつも直される」
「まとめだけが不安」
そんな人は、ここで一度、
生活作文の終わらせ方の考え方を整理してみてください。
なぜ「まとめ」で生活作文は意見文になりやすいのか
生活作文が意見文にズレてしまう一番多いタイミングは、書き終わりの直前です。
書いている途中までは、
・その日にあったこと
・そのとき感じたこと
・自分なりの気づき
を、わりと自然に書けています。
ところが、
「そろそろ終わりだな」
と感じた瞬間、頭の中でこんな声が出てきます。
「最後はちゃんとまとめなきゃ」
「何か“言いたいこと”を書かないといけない気がする」
この考えが出た時点で、
生活作文は意見文の方向へ引っ張られ始めます。
「最後は答えを書くもの」という思い込み
多くの人が、文章の終わりには
はっきりした答えや主張が必要
だと思っています。
たとえば、
・だから〇〇するべきだと思いました
・このことから、〇〇が大切だと分かりました
こうした終わり方は、
意見文では自然ですが、
生活作文ではズレの原因になります。
なぜなら、
生活作文は「考えをまとめる文章」ではなく、
体験を伝える文章だからです。
書き手が急に「評価する側」になってしまう
まとめで意見文になってしまうとき、
書き手の立場が変わっています。
・体験していた自分
から
・出来事を評価する自分
へ、切り替わってしまうのです。
この切り替えは、
無意識に起きるのでやっかいです。
「いい話にしよう」
「成長した感じで終わらせよう」
そう思った瞬間、
文章は体験から離れ、
意見や主張に寄っていきます。
生活作文は「納得させる文章」ではない
生活作文の目的は、
読む人を納得させることではありません。
・答えを示す
・正しさを伝える
・教訓を言い切る
これらは、
意見文や感想文の役割です。
生活作文では、
そこまでやらなくていいのです。
むしろ、
やらないほうが自然に終われます。
生活作文の「まとめ」は結論ではない
はっきり言います。
生活作文のまとめは、結論ではありません。
「まとめ」と聞くと、
・一番言いたいこと
・正しい答え
・学んだことの結論
を思い浮かべる人が多いですが、
それは意見文の考え方です。
生活作文では、
そこまで話を閉じる必要はありません。
結論を書こうとした瞬間にズレ始める
まとめでこんなことを考え始めたら、
少し注意が必要です。
「結局、何が言いたいんだろう?」
「この話から、どんな教訓が言えるかな?」
この考え方自体が、
答えを出す文章へ向かっています。
でも、生活作文は
「答えを出す作文」ではありません。
出来事と気持ちが
ある程度伝わったところで、
終わってもいい文章です。
生活作文は「途中で止まっても成立する」
意見文は、
最後に主張がはっきりしていないと
読み手がモヤっとします。
一方で、生活作文は違います。
・全部わかりきらなくてもいい
・きれいに整理されていなくてもいい
・少し引っかかりが残ってもいい
それでも、
体験として伝わっていれば成立します。
「だから〇〇だと思いました」
まで言い切らなくても、
十分に生活作文です。
まとめは「締め」くらいに考えていい
生活作文のまとめは、
話を閉じるための区切りに近いものです。
・そのときの気持ちが落ち着いた
・出来事が一段落した
・書き手が立ち止まった
その位置で終わっていれば、
無理に意味づけをしなくても大丈夫です。
「まとめ=結論」
ではなく、
「まとめ=ここで話を終える合図」
このくらいの感覚で考えると、
意見文にズレにくくなります。
生活作文のまとめで書いていいこと・書かなくていいこと
ここまで読んで、
「じゃあ、まとめには何を書けばいいの?」
と感じている人もいると思います。
生活作文のまとめで大事なのは、
うまくまとめることでも
正しいことを書くことでもありません。
どこで止めるかを間違えないことです。
そこでここでは、
生活作文のまとめで
「書いていいこと」と
「書かないほうがいいこと」
をはっきり分けて整理します。
書いていいこと
生活作文のまとめでは、
次のような内容で終わって問題ありません。
・そのときに感じた、正直な気持ち
・少しだけ残った感情や余韻
・はっきり言葉にできない違和感
たとえば、
「なんとなく気になったままだった」
「少し考えさせられる出来事だった」
といった終わり方でも大丈夫です。
気持ちが止まったところで終える
それだけで、生活作文として成立します。
書かなくていいこと
一方で、
生活作文のまとめで
入れないほうがいいものもあります。
・正しい答え
・教訓
・「だから〇〇すべき」という意見
これらは、
生活作文のまとめでは
書かないほうが自然です。
書いた瞬間に、
文章は体験を伝える作文から、
意見や主張を伝える文章へと
近づいてしまいます。
迷ったら「言い切っているか」で判断する
まとめが意見文に寄っているかどうかは、
言い切っているかで判断できます。
・〜だと思いました
・〜するべきだと感じました
・〜が大切だと分かりました
こうした形で
強く意味づけて終わっている場合は、
少し踏み込みすぎている可能性があります。
逆に、
・〜と感じた
・〜が心に残った
・今も少し考えている
このくらいで止まっていれば、
生活作文として自然なまとめです。
意見文にならない「まとめ」の型はこの3つ
ここまでで、
「結論を書かなくていい」
「言い切らなくていい」
ということは分かってきたと思います。
ただ、それでも
「じゃあ、実際はどう終わらせればいいの?」
と迷う人は多いです。
そこでここでは、
意見文になりにくい終わり方の型を
3つ紹介します。
どれも、
正解を出さずに終われる型です。
型① そのときの気持ちで止める
いちばんシンプルで、
いちばん生活作文らしい終わり方です。
・楽しかった
・少し不安だった
・うれしかった反面、戸惑いもあった
こうした
その場で感じた気持ちのところで
文章を止めます。
無理に意味づけをせず、
「そう感じた」で終えていい型です。
型② 気づいたことを言い切らずに残す
「学んだこと」まで
はっきり書こうとすると、
意見文に近づいてしまいます。
そこで、
気づきかけたところで止める
という終わらせ方もあります。
・少し考えさせられた
・今までと見え方が変わった気がした
・前より気になるようになった
このように、
変化の途中で終えると、
生活作文として自然です。
型③ 出来事が一区切りついたところで終える
気持ちや考えを
無理にまとめなくても、
出来事そのものが終わった地点で
作文を閉じても問題ありません。
・家に帰った
・時間になって終わった
・その日はそれで終わった
出来事が一区切りついた場所は、
文章を終える場所として
十分な役割を持っています。
言い切らなければ、どの型でも生活作文になる
ここで紹介した3つの型は、
どれを使ってもかまいません。
大事なのは、
はっきり結論づけないことです。
「だから〇〇だと思いました」
と強く閉じる前で止められていれば、
それはもう生活作文です。
それでも迷ったら確認したい、最後のチェックポイント
ここまで読んでも、
書き終えたあとに
「これで大丈夫かな……?」
と不安になることはあります。
そんなときは、
提出前に次のポイントだけ確認してみてください。
難しいことは考えなくて大丈夫です。
チェック① 最後で「答え」を出そうとしていないか
まとめの一文に、
・だから〇〇すべきだ
・このことから〇〇が大切だと分かった
といった
はっきりした結論が入っていないかを見ます。
もし入っていたら、
その一文は削るか、
言い切らない形に直してみてください。
それだけで、
生活作文に戻ることが多いです。
チェック② 出来事より「評価」が前に出ていないか
最後の段落で、
・出来事そのもの
よりも
・それをどう評価したか
ばかりを書いていないかを確認します。
評価が強くなっているときは、
一段階戻って、
そのときの気持ちに立ち返ると
バランスが取りやすくなります。
チェック③ 「言い切って終わっていないか」
最後の一文が、
・〜だと思いました
・〜だと分かりました
で、きっぱり終わっていないかを見てみましょう。
少し余韻を残す形にするだけで、
生活作文らしい終わり方になります。
チェック④ 読んだあとに「体験」が残るか
最後に、
この作文を読み返してみてください。
読み終えたときに、
「何が正しいか」
ではなく、
「どんな出来事だったか」
が残っていれば大丈夫です。
それはもう、
意見文ではありません。
もし、
「これ、意見文っぽくなっていないかな?」
とまだ少し不安が残る場合は、
生活作文でよくあるNGの形をまとめた
生活作文のNGパターン集|これが出たら意見文です
も一度確認してみてください。
まとめに迷うのは、真剣に書いている証拠
最後に一つだけ伝えておきます。
まとめで迷うのは、
書き手が真剣に考えている証拠です。
ただ、
生活作文では
全部まとめきらなくていい
というだけの話です。
答えを出さず、
言い切らず、
感じたところで止める。
それが、
生活作文の自然な終わらせ方です。
