
意見文を書こうとすると、
「何を書けばいいのか思いつかない…」
「下書きをしてみても、うまくまとまらない…」
と手が止まってしまうことはありませんか?
実は、意見文が書けないと感じるのは、
あなたに「文章の才能がない」からではありません。
意見文を書くために必要な「パーツ」が、まだそろっていないだけ なんです。
主張・理由・具体例・文章の流れなど、
意見文にはいくつかの“書くための型”があります。
どれか1つでも抜けていると、スラスラ書くことが難しくなってしまいます。
でも大丈夫です。
この記事では、
意見文が書けないときに起こりやすい
主な原因をやさしく整理し、
その原因ごとにすぐ使える解決策をまとめて紹介します。
読み終えるころには、
「次は書けそう!」と思える状態になっているはずです。
なぜ「意見文が書けない」と感じるのか?

多くの人が同じところでつまずいている
意見文を書くとき、
「自分だけが書けないのかも…」と不安になることがありますよね。
でも、安心してください。
実は、意見文が苦手だと感じている人はとても多いんです。
学校の宿題でもテストでも、
“意見をまとめて書く”という作業は、
多くの小学生・中学生がつまずきやすいところです。
まずは、書けないと感じるのは自然なことだと知っておきましょう。
書けないのは“才能”ではなく“パーツ不足”
「どう書けばいいか分からない」
「何から書き始めればいいか迷ってしまう」
こうした悩みは、才能とは関係ありません。
意見文には、
主張・理由・具体例・まとめ
といった “必要なパーツ” があります。
このうちのどれかが足りなかったり、
順番が分からなかったりすると、
自然と手が止まってしまいます。
つまり、
書けない=苦手なのではなく、書くための材料がそろっていないだけ
ということなんです。
意見文の基本の流れをつかみたい人は、こちらで「主張・理由・具体例・結論」の全体像をやさしく解説しています。
👉 意見文の書き方(完全版)|小学生〜中学生向けに流れをやさしく解説
まずは原因を明確にすると書きやすくなる
意見文を書きやすくするコツは、
「自分がどこでつまずいているのか」を知ることです。
-
主張が決められないのか
-
理由が思いつかないのか
-
具体例が浮かばないのか
-
文章の流れがつかめないのか
原因が分かれば、
その部分だけ解決すれば、意見文はぐっと書きやすくなります。
このあと、
多くの人がつまずきやすい“5つの原因”をやさしく解説していきます。
【原因①】主張が決まっていない

テーマがぼんやりしている
意見文を書くとき、
まず決めなければいけないのが 「自分は何を一番伝えたいのか」 という主張です。
しかし、
テーマがぼんやりしていると、書き始めても話があちこちに広がり、
途中で「何を書けばいいんだろう…」と手が止まってしまいます。
たとえば「掃除について」など、
テーマだけ決まっていて
主張が決まっていない状態では、
どんな文章にするのか方向が定まりません。
まずは、
テーマの中で“自分が言いたいことを一つにしぼる” ことが大切です。
書き出しで手が止まる理由
主張がはっきりしていないと、
最初の一行を書こうとしても迷いやすくなります。
「どう始めればいいのか分からない…」
「とりあえず書いてみたけど、しっくりこない…」
こう感じるのは自然なことです。
意見文の書き出しは、
主張が決まっているとスッと書けるという特徴があります。
逆に言えば、
書き出しで止まるのは“主張が固まっていないサイン”なんです。
主張の決め方のコツ(簡易版)
主張を決めるときは、
むずかしく考える必要はありません。
次のように考えると、スッと一文が作れます。
-
賛成・反対のどちらかを選ぶ
-
自分が「大事だと思うこと」を選ぶ
-
一番伝えたい気持ちをそのまま言葉にする
たとえば
「学校の掃除は必要だと思う」
「あいさつは自分からするべきだ」
のように、なるべくシンプルな一文 にすると決めやすくなります。
主張がはっきりすると、
文章全体の方向が決まり、書きやすさがぐっと上がります。
主張が決まらないときは、書きやすい題材から選ぶとスムーズです。
👉 意見文のテーマに迷ったら?書きやすい題材60選
書き出しで迷いやすい人はこちらも参考になります。
👉 意見文の書き出し例50選
【原因②】理由を見つけられない
「なんとなく賛成・反対」で止まる
意見文を書くとき、
「賛成か反対かは決まったけれど、その理由が思いつかない…」
ということはよくあります。
これは、あなたが悪いわけではなく、
最初の段階では「なんとなくの気持ち」だけが先に出てくるためです。
しかし、意見文を書くには
主張の“理由”がとても大切です。
理由がないと文章全体が弱く見え、
どれだけ良い主張でも説得力が足りなくなってしまいます。
理由が出てこないときの考え方
理由が浮かばないときは、
いきなり正しい答えを出そうとしなくて大丈夫です。
次のように、
自分の気持ちの“背景”を探すイメージで考えてみましょう。
-
なぜそう思ったのか?
-
きっかけになった出来事は?
-
その主張を選んだ理由は?
たとえば
「掃除は大切だと思う」
という主張なら、
-
きれいな教室のほうが気持ちよく過ごせる
-
みんなで協力する経験になる
-
ほこりがたまりにくくなる
などの理由が考えられます。
どれも立派な理由ですし、むずかしく考える必要はありません。
理由を広げるためのヒント
理由は、一つ思いつくと自然に広げやすくなります。
次のポイントを使うと、
小学生・中学生でも理由がスムーズに出てきます。
-
自分の経験を思い出す
-
周りの人の気持ちを想像してみる
-
「もし〜だったら?」と考えてみる
たとえば
「掃除をすると気持ちがいい」という理由が出たなら、
-
自分が掃除当番をした日のこと
-
きれいになって嬉しかった気持ち
-
みんなが使う場所だから大事にしたいという思い
など、書ける内容が広がっていきます。
理由が一つでも見つかれば、
意見文の“土台”がしっかりして、書きやすさが大きく変わります。
理由を深めるコツをもっと知りたい人は、こちらで詳しいテンプレートを紹介しています。
👉 意見文の理由の書き方
【原因③】具体例が浮かばない
体験が思い出せない
意見文では、
主張や理由を説明するために
「具体例」を書くことが多いですが、
いざ書こうとすると
「そういえば、どんな体験があったっけ?」
と手が止まってしまうことがあります。
これはとてもよくあることです。
体験をすぐに思い出せないのは、
あなたが忘れっぽいからではなく、
日常の出来事を“意見文に使える材料”として見てこなかっただけ なんです。
まずは、
大きな出来事だけでなく、小さな経験でも十分使えると知っておきましょう。
体験がない場合の具体例の探し方
「そもそも体験がないから書けない…」
という悩みもあります。
その場合は、次のように考えると具体例が見つかりやすくなります。
-
家族や友だちの体験を思い出す
-
ニュースや学校で聞いた話を参考にする
-
身近な場面を想像してみる
たとえば、
「協力することが大切」という主張を書きたいのに
自分に思い当たる体験がない場合でも、
-
掃除で友だちと協力した場面
-
行事で役割分担した経験
-
チームワークを感じた瞬間
など、少し視点を広げると書けることが増えていきます。
“実際の体験じゃなくてもOK” という点もポイントです。
体験がなくても書ける具体例の作り方はこちらでも詳しく紹介しています。
👉 意見文の具体例の作り方
よくあるNGパターン
具体例を考えるときに、
やってしまいがちなNGパターンもあります。
-
主張と関係のない体験を書く
-
ただの説明になっていて意見が伝わらない
-
実際にあった出来事を思い出そうとしすぎて苦しくなる
具体例は
「主張を説明するための材料」 なので、
完璧な体験を書く必要はありません。
主張 → 理由 → 具体例
という流れがつながっていれば、それで十分です。
【原因④】文章の流れが作れない
序論→本論→結論がうまくつながらない
意見文を書くとき、
「最初は書けたけれど、途中で話がずれてしまった…」
「まとめに入ったら、なんだか違う話になってしまった…」
という悩みはとても多いです。
これは、文章の流れである
序論→本論→結論
のつながりがつかめていないことが原因です。
それぞれの役割はこんなイメージです。
-
序論:主張を伝える部分
-
本論:理由や具体例で説明する部分
-
結論:主張をもう一度まとめる部分
この流れがつかめると、
文章は自然と読みやすくなります。
本論が長くなりすぎてしまう理由
文章を書いていると、
本論の部分だけが長くなり、
気づいたらバランスが悪くなってしまうことがあります。
これは、
伝えたいことが多すぎて一度に詰め込みすぎることが原因です。
本論は「理由→具体例」という形で
一つの流れを丁寧に書くだけで十分です。
思いついたことを全部書こうとせず、
まずは一つの理由にしぼると文章がまとまりやすくなります。
意見文の基本構成(簡易版)
文章の流れがつかめないときは、
次の“基本の型”を使うと書きやすくなります。
-
主張(自分の意見)
-
理由(そう思うわけ)
-
具体例(理由を説明する材料)
-
結論(主張をもう一度まとめる)
この4つを順番に書くだけで、
自然とスムーズな文章の流れが作れます。
型にそって書くことで、
文章が途中でずれたり、長くなりすぎたりすることが防げます。
本論部分の組み立てが苦手な人はこちらがおすすめです。
👉 意見文 本論の書き方|理由→具体例→補足の型を徹底解説
【原因⑤】反対意見の扱いが分からない
反対意見が必要になる理由
意見文の課題によっては、
「反対意見にも触れましょう」と書かれていることがあります。
これは、
文章に“深さ”や“説得力”を持たせるため です。
自分の意見だけを書くよりも、
「こういう意見もあるけれど、私はこう考える」
と書くことで、読み手に
「しっかり考えているな」と伝わりやすくなります。
とくに中学生や600字レベルの課題では、
反対意見を取り入れることで、文章の完成度が大きく上がります。
反対意見を書くときのポイント
反対意見を書くときは、
相手の考えを否定しすぎないことが大切です。
ポイントは次の2つ。
-
相手の意見にも一度うなずく
-
その上で、自分はこう思うと伝える
たとえば
「掃除は時間がもったいない」という反対意見に対して、
-
たしかに、掃除に時間がかかるという意見もあります。
-
しかし、きれいな教室で学ぶためには必要だと思います。
というように、
相手の意見をいったん受け入れてから自分の考えを書く と、
文章にやわらかさと説得力が出ます。
中学生向けの書き方のコツ
中学生になると、
意見文で“深い考え方”が求められることが増えます。
そのとき役立つのが、
「反対意見 → 自分の意見」 の流れです。
書き方の例は次の通りです。
-
反対意見をやさしく紹介する
-
その意見の良さも少し認める
-
それでも自分はこう思う、とまとめる
この順番で書くと、
大人が読んでも「しっかり考えて書いている」と感じる文章になります。
反対意見をうまく扱えると、
文章全体のレベルが一段アップします。
600字課題で反対意見を書く必要がある人はこちらが役立ちます。
👉 意見文600字の書き方|反対意見入りテンプレ&例文つき
👉 意見文 反対意見の書き方
すぐ書けるようになる解決テンプレートまとめ
主張のつくり方テンプレ
主張は、むずかしく考えずに一文でシンプルに書くのがポイントです。
次のテンプレを使うと、さっと形になります。
「私は〇〇だと思います。」
「〇〇は大切だと考えます。」
たとえば
「学校の掃除は必要だと思います。」
のように、まずは“自分の意見をはっきり言い切る”形を作りましょう。
理由のつくり方テンプレ
理由を書くときは、次の一文を使うと書きやすくなります。
「なぜなら、〇〇だからです。」
-
気持ち
-
経験
-
見たこと・聞いたこと
どれを書いてもOKです。
たとえば
「なぜなら、みんなが気持ちよく過ごせるからです。」
のように、シンプルな理由で十分です。
具体例テンプレ
具体例は、理由を説明するための材料です。
次の形で書くと、短い文章でも伝わりやすくなります。
「たとえば、〇〇という経験があります。」
-
掃除で協力したこと
-
行事で感じたこと
-
身近で起きた出来事
など、日常の小さなことでも立派な具体例になります。
反対意見テンプレ
600字以上の意見文では、反対意見を一文入れるだけで文章が深くなります。
使いやすいのは、次の2ステップです。
-
「たしかに、〇〇という意見もあります。」
-
「しかし、私は〇〇だと思います。」
この流れなら、相手の意見を尊重しながら、自分の考えをはっきり伝えられます。
そのまま使える「文章の流れ」テンプレ
意見文の基本の型は、次の4つを順番に書くだけです。
-
主張(私は〇〇だと思います)
-
理由(なぜなら〇〇だからです)
-
具体例(たとえば〇〇という経験があります)
-
結論(以上のことから、私は〇〇だと思います)
この型にそえば、
文章が途中でずれたり、話が広がりすぎたりする心配が少なくなります。
迷ったときは、まずこのテンプレにそって書き始めてみてください。
目的別に読むべき関連記事まとめ
意見文が書けない原因は、人によって少しずつ違います。
ここでは、つまずきやすいポイントごとに、役に立つ関連記事をまとめました。
「今の自分がどこで困っているのか」を意識しながら、必要なものを読んでみてください。
●主張・テーマが決まらない人
主張がぼんやりしていると、文章全体の方向が定まりません。
●理由が思いつかない/浅くなる人
理由は文章の“骨組み”になる大切な部分です。
●具体例が浮かばない人
体験がなくても、書ける具体例はたくさんあります。
●文章の流れがつかめない人
序論→本論→結論の型をつかむことで、迷いがなくなります。
●600字以上の課題に取り組む人
反対意見が書けると、文章が一段と深くなります。
●テーマ別の例文を読みたい人
自分の書きたいテーマがはっきりしている人向けです。
●字数ごとのテンプレを使いたい人
制限字数が決まっている課題におすすめです。
以上をうまく活用すると、自分の弱点が補いやすくなり、書き進めやすくなります。
まとめ|書けない原因は“パーツ不足”がほとんどです
意見文が書けないと感じるとき、
「自分には向いていないのかも…」と不安になることがあります。
しかし、意見文が書けない理由の多くは、
主張・理由・具体例・文章の流れといった必要なパーツが、
まだそろっていないだけです。
どれか一つでも「ここが弱いな」と気づけば、
その部分だけを補っていくことで、
文章はぐっと書きやすくなります。
まずは、
今日の自分がつまずいたポイントを
一つだけ意識して、そこから直していけば大丈夫です。
意見文は、才能よりも「型」と「準備」で書けるようになります。
明日のあなたは、きっと今よりスラスラ書けるはずです。
