
取引先やお客様に、もう一度検討してもらいたい。そんなとき、つい「考えて下さい」と書いてしまってはいませんか。
普段よく使う言葉だけに、いざメールで使おうとすると「これで失礼にならないかな」「二重敬語になっていないかな」と不安になる方は少なくありません。
この記事では、「考えて下さい」が敬語として正しいのかどうかから、目上の人にも安心して使える言い換え表現、シーンに合わせた例文まで、わかりやすくまとめました。読み終えるころには、迷わず自信を持って言葉を選べるようになりますよ。
「考えて下さい」は目上や取引先に使って大丈夫?
結論からお伝えすると、「考えて下さい」は敬語としては丁寧語止まりの表現です。文法的に誤りではありませんが、目上の方や取引先に使うには少し物足りない印象を与えることがあります。
「下さい」は「くれ」の尊敬語にあたり、文法上は命令形です。「〜てください」という形は日常のお願いでもよく使われますが、重要な相手には少し直接的に響いてしまうことがあります。
また、丁寧にしようとして「お考えになられて下さい」としてしまうと、二重敬語になるので注意が必要です。
「お考えになる」自体がすでに尊敬語のため、そこにさらに「られる」を重ねると、敬語が過剰になってしまいます。
正しくは「お考えください」とするか、より丁寧な表現に言い換えるのが安心です。
「考えて下さい」の丁寧語・敬語表現一覧
「考えて下さい」を丁寧にする代表的な言い換えは、次の3つです。丁寧さの度合いとニュアンスが少しずつ異なるので、場面に合わせて選びましょう。
| 表現 | 丁寧度 | ニュアンス |
|---|---|---|
| お考えください | ★☆☆ | シンプルに考えてほしいと伝える |
| ご一考ください | ★★☆ | 一度、軽く目を通して考えてほしい |
| ご検討ください | ★★★ | しっかり判断してほしい |
「お考えください」
最も基本的な丁寧語で、社内の上司など普段のやり取りに向いています。
「ご一考ください」
「一度考えてみてください」という軽めのニュアンスで、提案を気軽に見てもらいたいときに便利です。
「ご検討ください」
最も丁寧度が高く、正式な提案や見積りなど、しっかり判断してほしい場面に適しています。
迷ったときは、社外や目上の方には「ご検討ください」を選んでおけば、まず間違いありません。
シーン別の言い換え例文
実際のビジネスシーンに合わせて、使い方を見ていきましょう。
提案書や見積りへの返答を求めるとき
しっかり判断してもらいたい場面なので、「ご検討ください」を使います。
ご提案いたしました内容につきまして、ご検討いただけますと幸いです。
軽く目を通してもらいたいとき
「一度考えて下さい」と伝えたい場面では、「ご一考ください」が向いています。
お時間のあるときに、こちらの資料をご一考いただければと思います。
対面や電話でやわらかく伝えたいとき
話し言葉では、少し柔らかい言い回しにすると印象が良くなります。
こちらの件、ぜひ一度お考えいただけますでしょうか。
場面によって「お考えください」「ご一考ください」「ご検討ください」を使い分けるだけで、メールや会話の印象がぐっと丁寧になります。
「考えて下さい」を使ってもいい場面
ここまで言い換え表現を紹介してきましたが、「考えて下さい」自体が常にNGというわけではありません。
社内の親しい上司や、気心の知れた取引先とのやり取りであれば、「考えて下さい」でも失礼にはあたらないことがほとんどです。普段のちょっとしたお願いにまで、毎回「ご検討ください」を使うと、かえって堅苦しく感じられる場合もあります。
使い分けの目安は、次の2点です。
- 相手との関係性:親しい間柄か、まだ距離のある相手か
- 内容の重要度:軽い相談か、正式な判断を求めるものか
初めてやり取りする取引先や、重要な提案を送る場面では言い換え表現を選び、普段の社内コミュニケーションでは「考えて下さい」をそのまま使う、というくらいの感覚で問題ありません。相手や場面に応じて柔軟に選べることが、なにより大切です。
まとめ
「考えて下さい」について、ポイントを整理します。
- 「考えて下さい」は丁寧語止まりで、目上や取引先にはやや物足りない印象になりやすい
- 「お考えになられて下さい」は二重敬語なので注意する
- 丁寧度は「お考えください」<「ご一考ください」<「ご検討ください」の順
- 迷ったときは「ご検討ください」を選べば安心
- 親しい相手への軽いお願いなら、「考えて下さい」のままでも問題ない
相手との関係性や内容の重要度に合わせて言葉を選べるようになると、ビジネスメールや会話の印象がぐっと丁寧になります。ぜひ今日から使い分けを意識してみてください。

