
お客様や取引先に商品や贈り物を渡したあと、「気に入りました」と言ってもらえると、うれしいものですよね。そんなとき、「お気に召していただけて嬉しいです」と返したくなるものの、この言い方で合っているのかなと手が止まってしまうことはありませんか。
結論からお伝えすると、「お気に召していただけて」は目上の方にも安心して使える表現で、二重敬語でもありません。自分が出したものを相手が気に入ってくれたと分かったときに、喜びと感謝を丁寧に伝えられる言葉です。
この記事では、場面別の例文から、敬語として正しい理由、文末の選び方、言い換えまでをやさしくまとめました。メールや接客でそのまま使えるようにしていますので、ぜひ参考にしてください。
「お気に召していただけて」の例文【場面別】
場面ごとに、そのまま使える例文をご紹介しますね。文末は、相手との距離に合わせて変えています。
メール(取引先・お客様)
このたびは新商品をお買い求めいただき、ありがとうございます。お気に召していただけて嬉しく存じます。ご不明な点がございましたら、いつでもお知らせください。
接客・対面
ありがとうございます。お気に召していただけて嬉しいです。
ネット販売のレビュー返信
ご購入とレビューをありがとうございます。お気に召していただけて嬉しいです。長くお使いいただけましたら幸いです。
贈り物のお礼をもらったとき(親しい相手)
ご丁寧にご連絡をいただき、ありがとうございます。お気に召していただけて何よりです。
「お気に召していただけて」は敬語として正しい?二重敬語ではない理由
「お気に召していただけて」は、相手が自分の出したものを気に入ってくれたことへの、喜びと感謝を伝える言葉です。
「敬語が重なっているから二重敬語では?」と心配になりますが、そうではありません。二重敬語とは、「お読みになられる」のように、同じ種類の敬語を重ねてしまった形のことです。
「お気に召していただけて」を分けて見てみましょう。
- お気に召す:「気に入る」の尊敬語(相手の動作を高める)
- いただく:「もらう」の謙譲語(自分側をへりくだる)
尊敬語と謙譲語の組み合わせなので、二重敬語にはあたりません。「ご覧いただく」「お気遣いいただく」と同じ仕組みです。
使うタイミングにも違いがあります。渡す前なら「お気に召していただけたら幸いです」、気に入ってもらえたと分かったあとなら「お気に召していただけて」と使い分けます。
ひとつだけ注意したいのは、「お気に召す」は尊敬語なので、気に入る人が相手のときにしか使えないことです。自分の気持ちには使わず、「私もとても気に入りました」と言いましょう。
「お気に召していただけて」の文末の選び方
「お気に召していただけて」のあとに続ける言葉は、相手との距離で選びましょう。よく使われる4つを比べました。
| 文末 | 丁寧さ | 向く相手 | 印象 |
|---|---|---|---|
| 嬉しいです | ふつう | お客様・上司 | 素直でやわらかい |
| 良かったです | ややくだけている | 同僚・親しいお客様 | 安心した気持ちが伝わる |
| 光栄です | 高い | 取引先・目上の方 | 評価をありがたく受け止める |
| 何よりです | ふつう | お客様・親しい相手 | 安心と喜びが伝わる |
迷ったら「嬉しいです」が使いやすく、もう少しかしこまりたいときは「嬉しく存じます」にします。取引先や目上の方には、「光栄です」もぴったりです。「光栄です」の使い方は、「光栄に思います」の記事でくわしく解説しています。
「何よりです」の「何より」は、ほかの何よりも良い、という意味です。気に入ってもらえたことが一番うれしい、という気持ちを込められます。ただ、目上の方には「嬉しく存じます」や「光栄です」のほうが無難です。
「お気に召していただけて」の言い換え表現
「お気に召していただけて」は少し改まった響きがあります。くだけすぎず、かたすぎない言い方にしたいときは、場面に合わせて言い換えてみましょう。
| 言い換え | 使いやすい場面 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 気に入っていただけて | 日常のやりとり、チャット | 「お気に召して」よりやわらかい |
| 喜んでいただけて | 贈り物、イベント、サービス | 相手の喜びに焦点を当てられる |
| ご満足いただけて | 商品やサービス全般、ビジネス | 品質に自信を持って伝えられる |
| お口に合って | 食べ物・飲み物 | 食べ物・飲み物にだけ使える |
こうした言い換えは、そのあとに「嬉しいです」「光栄です」などの文末をつなげて使えます。食べ物を贈った相手に「お口に合って嬉しいです」と伝えるなど、物に合わせて選ぶと、自然な気持ちが伝わります。
まとめ
相手が気に入ってくれたと分かったときは、「お気に召していただけて」に、相手に合わせた文末を添えて、あなたの喜びを伝えてみてください。少し堅いと感じる場面では、「気に入っていただけて」などへの言い換えも使えます。
ひとこと添えるだけで、気持ちがやわらかく伝わります。ぜひ、日々のやりとりで使ってみてくださいね。

