
ある日突然、同僚や部下の家族に不幸があったという知らせを受け取ることがあります。何か声をかけたいけれど、失礼な言い方になっていないか、逆に相手を傷つけてしまわないかと、言葉を選ぶ手が止まってしまう方は少なくありません。特に職場という場では、プライベートな出来事とはいえ、社会人としてきちんとした対応をしたいという気持ちも働くものです。この記事では、社員の家族が亡くなったときにかけるべき言葉と、避けたほうがよい言葉について、職場の場面に沿って分かりやすくご紹介します。
社員の家族が亡くなったとき、まず伝えるべき言葉【結論】
結論から言うと、社員の家族が亡くなったと聞いたときは、「この度はご愁傷さまです」または「心よりお悔やみ申し上げます」という言葉を、短く伝えるだけで十分です。
「もっと気の利いた言葉をかけないと」と考えすぎてしまう方もいますが、お悔やみの言葉は長く話すことよりも、短く簡潔に伝えることのほうが大切とされています。悲しみの中にいる相手に長く言葉をかけると、かえって負担になってしまうこともあるためです。
「ご愁傷さまです」は主に対面で直接声をかけるときに使う表現です。一方、「心よりお悔やみ申し上げます」は対面はもちろん、メールやチャットなど文章で伝える場合にも使いやすい表現です。まずはこの2つのどちらかを軸にすれば、大きく失礼にあたることはありません。
このあとの見出しでは、対面・メール・チャットといったシーン別の伝え方や、上司・同僚・部下といった関係性による言葉の使い分けについても詳しくご紹介していきます。
シーン別|対面・メール・チャットでの言葉のかけ方
社員の家族が亡くなったことを知ったとき、どの手段で言葉を伝えるかによって、少しずつ気をつけたいポイントが変わります。
対面で直接伝える場合
出社してきた本人に会って声をかけるときは、「この度はご愁傷さまです」と一言添えるだけで十分です。長々と質問したり、詳しい状況を尋ねたりする必要はありません。相手が話したい様子であれば耳を傾け、そうでなければ深追いしないという姿勢が大切です。
メールで伝える場合
すぐに顔を合わせられない場合は、メールで一報を伝えることもあります。その際は、「心よりお悔やみ申し上げます」という表現を使い、「ご返信・ご連絡は不要です」という一言を添えると、相手に返信の負担をかけずに済みます。
チャットツールで伝える場合
社内チャットで伝える場合も基本的な言葉遣いはメールと同じですが、スタンプや絵文字は使わず、文章のみで落ち着いたトーンを保つことが大切です。カジュアルなやり取りが多いチャットだからこそ、言葉選びは丁寧さを意識しましょう。
いずれの手段でも共通して大切なのは、相手に返答や対応を求めない、負担の少ない言葉かけを意識することです。
上司・同僚・部下…関係性で変わる言葉の選び方
基本のお悔やみの言葉は共通していますが、相手との関係性によって、言葉のかしこまり度合いを少し調整すると、より自然な印象になります。
上司から部下にかける場合
「この度はご愁傷さまです。何かあれば遠慮なく言ってください」など、お悔やみの言葉に加えて気にかけている姿勢を示す一言があると、部下も安心しやすくなります。
同僚同士でかける場合
普段の関係性にもよりますが、「大変だったね。何か手伝えることがあったら言ってね」のように、堅苦しくなりすぎない言葉でも問題ありません。ただし親しい間柄でも、お悔やみの基本表現は省略しないほうが丁寧です。
部下から上司にかける場合
目上の相手には、「この度はご愁傷さまでございます」のように、丁寧な語尾を意識するとよいでしょう。プライベートな話に踏み込みすぎず、あくまで簡潔に伝えることが大切です。
どの関係性であっても、言葉の丁寧さより「気にかけている」という気持ちが伝わることのほうが重要です。形式にとらわれすぎず、相手の状況に合わせた言葉を選びましょう。
使ってはいけないNGワード・避けたい言葉
お悔やみの言葉をかける際には、意図せず相手を傷つけてしまう表現もあるため、いくつか知っておきたいポイントがあります。
重ね言葉は避ける
「たびたび」「重ね重ね」「またまた」のように、同じ言葉を繰り返す表現は、不幸が重なることを連想させるため、お悔やみの場面では避けるのが一般的なマナーとされています。
「死」を直接的に表す言葉は避ける
「死ぬ」「死亡」といった直接的な表現ではなく、「ご逝去」「亡くなる」といった言葉に置き換えるのが基本です。
死因や状況を詮索しない
「どうして亡くなったんですか」「急だったんですか」など、死因や詳しい状況を尋ねる言葉は控えましょう。相手が自分から話してくれた場合は別ですが、こちらから聞き出そうとするのは避けたいところです。
励ましすぎる言葉にも注意
「元気出して」「頑張って」といった言葉は、励ますつもりでも、深い悲しみの中にいる相手には負担に感じられることがあります。励ますより、そっと寄り添うような言葉を選ぶほうが無難です。
これらの言葉を避けるだけでも、相手に配慮の伝わる声かけになります。
忌引き休暇や仕事の引き継ぎを伝えるときの一言
社員の家族が亡くなったときは、お悔やみの言葉だけでなく、忌引き休暇の取得や仕事の引き継ぎといった実務的な連絡も必要になる場面があります。この2つを同時に伝える際は、事務的になりすぎないよう一言添えるのがポイントです。
忌引き休暇を案内するとき
お悔やみの言葉を伝えたあとは、対面でもメールでも、「忌引き休暇のお手続きをしておきますので、仕事のことは気にせずゆっくり休んでください」と続けると、事務連絡だけの印象を避けられます。
仕事の引き継ぎを伝えるとき
本人が対応中の業務については、「担当の件はこちらで引き継いでおきますので、ご安心ください」と伝えると、相手の負担を減らせます。休んでいる間の仕事を心配させないようにする配慮が大切です。
伝えるタイミング
忌引き休暇や引き継ぎの話は、お悔やみの言葉を伝えた直後にまとめて伝えるのがスムーズです。何度も連絡を重ねると、その都度相手に気を遣わせてしまうため、必要な連絡はできるだけ一度にまとめましょう。
このように、お悔やみの言葉と実務連絡をセットで伝えることで、気遣いと業務対応の両方をきちんと示すことができます。
職場復帰後にかける言葉
忌引き休暇を終えて本人が出社してきたときも、かける言葉には少し気をつけたいポイントがあります。
基本は「いつも通り」に接する
復帰したばかりの本人に対して、「大丈夫ですか」「無理しないでくださいね」といった短い一言で十分です。腫れ物に触るような態度ではなく、普段と変わらない自然な接し方を意識すると、相手も気持ちの切り替えがしやすくなります。
深く聞き出そうとしない
「お葬式はどうだった?」など、詳しい状況を尋ねる言葉は控えるのが基本です。本人が自分から話したいときは耳を傾ければよく、こちらから話題を広げる必要はありません。
業務に関する一言を添える
「引き継いでいた分はまとめてありますので、落ち着いたタイミングで確認してください」のように、業務面でも配慮していることが伝わる一言があると、本人も安心して仕事に戻りやすくなります。
復帰後の声かけは、特別な言葉より「いつも通り」の対応が一番の気遣いになるという点を意識するとよいでしょう。
まとめ
社員の家族が亡くなったときにかける言葉は、「この度はご愁傷さまです」「心よりお悔やみ申し上げます」といった短い言葉で十分です。対面・メール・チャットといった伝える手段や、上司・同僚・部下という関係性によって、言葉のかしこまり度合いを少し調整するとより自然な印象になります。
また、重ね言葉や死因を詮索する言葉は避け、忌引き休暇や仕事の引き継ぎを伝える際は事務的になりすぎないよう気遣いの一言を添えることが大切です。復帰後は特別な言葉よりも、いつも通り自然に接することが何よりの配慮になります。

