
会議やパーティー、結婚式など、誰かに招待していただいたときに使う「お招きいただきありがとうございます」という言葉。よく使うフレーズだからこそ、「これって二重敬語じゃない?」「目上の人に使っても失礼にならない?」とふと不安になったことはありませんか。
この記事では、「お招きいただきありがとうございます」の意味から、敬語として正しいのかどうか、対面やメールでの使い方、より丁寧にしたいときの言い換え表現まで、まとめてわかりやすく解説します。読み終わる頃には、迷わず自信を持って使えるようになりますよ。
「お招きいただきありがとうございます」の意味
「お招きいただきありがとうございます」は、「招いてもらってありがとうございます」という意味の敬語表現です。
「いただき」は「もらう」の謙譲語である「いただく」を使った形で、自分がへりくだることで、相手を立てる敬語表現になります。つまり、「お招き」という相手の行為を、自分が謹んで受け取ったというニュアンスを表しています。
「お招き」の部分にも、相手への敬意を示す接頭語の「お」がついているため、相手の行為を敬う気持ちと、自分がへりくだる気持ちの両方が込められた、丁寧な感謝の言葉だといえます。
会議やパーティー、結婚式、セミナーなど、誰かに声をかけてもらって参加する場面全般で使える表現で、社内・社外を問わず、上司や取引先、目上の方への感謝の言葉として広く使われています。
失礼にあたらない?二重敬語じゃない?
結論からお伝えすると、「お招きいただきありがとうございます」は二重敬語ではなく、正しい敬語表現です。目上の人や取引先に使っても失礼にはあたりません。
二重敬語とは、一つの言葉に対して同じ種類の敬語を重ねて使ってしまうことを指します。たとえば「おっしゃられる」は、尊敬語の「おっしゃる」に、さらに尊敬の意味を持つ「れる」を重ねているため、二重敬語にあたります。
一方、「お招きいただきありがとうございます」を分解すると、次のようになります。
- 「お招き」:相手の行為を高める尊敬の接頭語「お」
- 「いただき」:自分がへりくだる謙譲語「いただく」
このように、尊敬語と謙譲語がそれぞれ一つずつ使われているだけで、同じ種類の敬語を重ねているわけではありません。文法的にも自然な、正しい敬語表現です。
「丁寧すぎて堅苦しいのでは」と気になる場合もあるかもしれませんが、ビジネスの場では広く定着しているフレーズなので、安心して使って問題ありません。
使う場面・タイミング
「お招きいただきありがとうございます」は、次のような場面で使われます。
- 会議や打ち合わせに参加させてもらったとき
- パーティーや式典、展示会に招待されたとき
- 結婚式やホームパーティーに招かれたとき
- セミナーや講演会に登壇・参加したとき
使うタイミングによって、言葉の語尾を使い分けるのがポイントです。
その場にいる間(会場に着いたとき、会の冒頭など)には、現在形の「お招きいただきありがとうございます」を使います。まだ会が進行中、あるいはこれから始まる段階なので、過去形は使いません。
会が終わったあと(会場を後にするとき、後日のお礼メールなど)には、過去形の「お招きいただきありがとうございました」を使います。すでに終わったことへのお礼になるため、こちらは過去形が自然です。
この使い分けを意識するだけで、より状況に合った自然な敬語になります。
シーン別の例文(対面・メール)
対面での挨拶
会場に到着したときや、主催者・受付の方への挨拶で使う例文です。
- 「本日はお招きいただきありがとうございます。」
- 「このたびはお招きいただき、光栄です。」
- 「お忙しい中お招きいただき、ありがとうございます。」
会が終わって帰る際には、過去形に切り替えます。
- 「本日はお招きいただきありがとうございました。」
- 「素晴らしい会にお招きいただき、ありがとうございました。」
お礼メール
会が終わったあとに送るお礼メールでは、招待してもらったことへの感謝に加え、当日の内容や今後の対応に軽く触れると、より丁寧な印象になります。
例文①(会議・打ち合わせ後)
本日はお忙しい中、会議にお招きいただきありがとうございました。いただいたご意見をもとに、早速検討を進めてまいります。
例文②(イベント・展示会後)
このたびは貴重な展示会にお招きいただき、誠にありがとうございました。今後の参考にさせていただきます。
このように、感謝の一文のあとに「自分が次にどう動くか」を添えると、誠実で丁寧な印象のメールになります。
より丁寧にしたいときの言い換え表現
「お招きいただきありがとうございます」だけでも十分丁寧な表現ですが、相手や場面に応じて、さらに丁寧な言い換えを使うこともできます。
社外の取引先や初めての相手に(フォーマル度・高)
- 「お招きいただきましてありがとうございます」
「まして」を加えることで、より丁寧な響きになります。改まった場面で使うと安心です。 - 「お招きいただき、心より感謝申し上げます」
「ありがとうございます」より格式の高い表現で、式典や公式な場に向いています。 - 「お招き賜り、光栄に存じます」
「賜り」は「もらう」の謙譲語の中でも特にかしこまった言い方です。重要な取引先や、格式の高い式典で使うと効果的です。
上司や社内の相手に(フォーマル度・中)
- 「お招きくださいまして誠にありがとうございます」
「いただく」の代わりに「くださる」を使った表現です。敬意の度合いに大きな差はなく、好みで使い分けて問題ありません。
日頃からやり取りのある相手・カジュアルな場面に(フォーマル度・低)
- 「お招きありがとうございます」
「いただき」を省略したシンプルな形です。社内の気軽な集まりなど、堅苦しくしたくない場面に向いています。
相手との関係性や会の格式に応じて、これらを使い分けると、より自然で洗練された印象を与えられます。
使うときの注意点
同じ表現を繰り返しすぎない
「お招きいただきありがとうございます」は便利なフレーズですが、一つのメールや挨拶の中で何度も繰り返すと、かえって形式的で気持ちのこもっていない印象を与えてしまいます。感謝を重ねて伝えたい場合は、言い換え表現を使い、表現にバリエーションを持たせましょう。
感謝の言葉だけで終わらせない
「お招きいただきありがとうございます」の一言だけでは、何に対して感謝しているのかが伝わりにくいこともあります。「本日の会議にお招きいただき」「貴重な機会にお招きいただき」のように、具体的な内容を添えることで、より気持ちが伝わる表現になります。
相手との関係性に合わせて丁寧度を調整する
重要な取引先や初対面の相手には格式の高い言い換えを、日頃からやり取りのある上司や同僚には、少しやわらげた表現を選ぶと、堅すぎず自然な印象になります。
まとめ
「お招きいただきありがとうございます」は、二重敬語ではなく、正しい敬語表現です。目上の方や取引先に使っても失礼にはあたりません。
会の最中には現在形、終わったあとには過去形と、タイミングによる言葉の使い分けを意識するだけで、より自然な印象になります。相手との関係性や場面の格式に応じて言い換え表現を選べば、感謝の気持ちがより丁寧に伝わります。
この記事で紹介した使い方を参考に、自信を持って感謝の言葉を伝えてみてください。

