
ビジネスメールや会話で「不躾ながら」という表現を目にしたことはありませんか?
なんとなく丁寧な言葉だとはわかるけれど、「自分で使うとなると、これで合ってるのかな?」と不安になる方も多いと思います。
「不躾ながら」は、相手に礼を欠くことを承知のうえでお願いや依頼をする際に使うクッション言葉です。読み方は「ぶしつけながら」。ビジネスの場では依頼・お礼・謝罪など、さまざまな場面で登場します。
この記事では、「不躾ながら」の意味と使い方を、場面別の例文つきでわかりやすく解説します。似た表現との使い分けや、やりがちなNG例もあわせて紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
「不躾ながら」の意味と読み方
「不躾ながら」は「ぶしつけながら」と読みます。
「不躾」は「礼を欠くこと」「無作法なこと」を意味する言葉です。「躾(しつけ)」に打ち消しの「不」がついた表現で、「礼儀が身についていない」というのが本来の意味。そこに「~にもかかわらず」という意味の「ながら」が加わり、「礼を欠くことは承知のうえで」というニュアンスになります。
ビジネスの場では、相手に何かをお願いしたり、本来なら直接伝えるべきことをメールで済ませたりするときの前置きのクッション言葉として使われます。「失礼なのはわかっています」という気持ちをひと言添えることで、相手への配慮を示す表現です。
どんな場面で使う?シーン別の使い方と例文
「不躾ながら」が使われるのは、主に次の3つの場面です。
① 依頼・お願いをするとき
相手にとって急なお願いや、手間をかけてしまうお願いをする際の前置きとして使います。
- 不躾ながら、資料のご確認をお願いできますでしょうか。
- 不躾ながら、今週中にご回答いただくことは可能でしょうか。
② お礼・挨拶をメールで済ませるとき
本来であれば直接出向いて伝えるべきお礼や挨拶を、メールで行う際の締めくくりとして使います。「メールで済ませてしまい申し訳ない」という気持ちを添えられる表現です。
- まずは不躾ながら、メールにてお礼申し上げます。
- 不躾ながら、まずはメールにてご挨拶申し上げます。
③ 謝罪をメールで伝えるとき
お詫びも本来は直接出向くのが筋ですが、やむを得ずメールで対応する場合に使います。
- 不躾ながら、メールにてお詫び申し上げます。
なお、「不躾な質問で恐縮ですが」のように、聞きにくい質問をする際の使い方については、別の記事で詳しく解説しています。
⇒ 「不躾な質問で恐縮ですが」は失礼?意味・使い方・例文を解説
「失礼ながら」「恐縮ですが」「僭越ながら」との使い分け
「不躾ながら」に似た表現はいくつかありますが、それぞれニュアンスが少し異なります。場面に合わせて使い分けられると、より自然な印象を与えられます。
失礼ながら
「不躾ながら」とほぼ同じ感覚で使える表現です。使える場面が広く、依頼・お礼・謝罪・質問など幅広いシーンに対応できます。「不躾ながら」より日常的によく使われる表現なので、迷ったときはこちらを選ぶのが無難です。
恐縮ですが
相手に手間や負担をかけることへの申し訳なさを強く表す表現です。依頼やお願いの場面で特によく使われます。「不躾ながら」よりも「相手への負担への配慮」のニュアンスが前面に出ます。
僭越ながら
「自分の立場をわきまえず、出過ぎたことをしますが」という意味を持つ表現です。意見を述べたり、提案をしたりする場面で使います。依頼やお礼には使いにくく、スピーチや会議での発言など、場をわきまえた発言をする際に向いています。
まとめると、依頼・お礼・謝罪には「不躾ながら」「失礼ながら」「恐縮ですが」が使いやすく、意見や提案を述べるなら「僭越ながら」が自然です。迷ったときは「失礼ながら」か「恐縮ですが」を選んでおけば、まず外れません。
やりがちなNG例
「不躾ながら」は便利なクッション言葉ですが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。注意したいポイントを3つ紹介します。
① 目下の相手には使わない
「不躾ながら」は自分をへりくだる表現なので、基本的に目上の相手や取引先に対して使うものです。部下や後輩に対して使うと、関係性とズレた不自然な印象を与えてしまいます。
② 同じメール内で何度も使わない
1通のメールの中で「不躾ながら」を何度も繰り返すと、くどい印象になり、かえって誠意が伝わりにくくなります。使うのは1通につき1回が基本です。
③ 他のクッション言葉と重ねない
「不躾ながら失礼ですが」「不躾ながら恐縮ですが」のように、クッション言葉を二重に重ねるのは避けましょう。丁寧にしようとする気持ちはわかりますが、文章がくどくなるうえ、意味も重複してしまいます。どちらか一方で十分です。
まとめ
「不躾ながら」は、「礼を欠くことは承知のうえで」という気持ちを添えるクッション言葉です。依頼・お礼・謝罪など、相手に配慮が必要な場面で前置きとして使うことで、丁寧な印象を与えられます。
似た表現との使い分けは、依頼やお礼なら「不躾ながら」「失礼ながら」「恐縮ですが」、意見や提案なら「僭越ながら」が自然です。迷ったときは「失礼ながら」か「恐縮ですが」を選んでおけば無難です。
使う際は、目下への使用・同じメール内での連発・クッション言葉の二重使いの3点に気をつけておきましょう。

