
卒業式や文化祭、学校行事でスピーチを任されると、
「何を話せばいいのか」「どんな形でまとめればいいのか」
意外と迷ってしまうものです。
テーマ自体は、ある程度決まっていることが多いはずです。
それでも書き出せなくなるのは、
行事スピーチには“正解の形”がはっきり決まっていないからです。
行事ごとに特別な書き方があるように感じたり、
うまいことを言わなければいけない気がして、
かえって言葉が出てこなくなる人も少なくありません。
ですが、卒業式でも文化祭でも、
行事スピーチに求められていることは実はとても共通しています。
大切なのは、行事名に合わせた言い回しではなく、
話をどういう流れで組み立てるかという点です。
この記事では、
卒業・行事スピーチで使える「例文」や「行事別の書き方」は扱いません。
その代わり、どんな行事でも応用できる
行事スピーチ共通の考え方と話の流れを整理して解説します。
テーマは決まっているけれど、
どうまとめればいいかで迷っている人は、
まずはこの「流れ」を押さえてみてください。
卒業・行事スピーチは「行事名」ではなく「役割」で考える

卒業式や文化祭、学校行事のスピーチというと、
「卒業式用の書き方」「文化祭用のあいさつ」
といったように、行事ごとに考えなければいけない気がしてしまいます。
ですが実際には、
行事名が違っても、スピーチで求められていることはあまり変わりません。
大きく見ると、行事スピーチは
「何の行事か」よりも
「どんな立場で話しているか」のほうが重要です。
たとえば、
-
クラスや学年を代表して話す
-
行事を振り返ってまとめる
-
みんなの気持ちを言葉にする
こうした役割は、
卒業式でも文化祭でも共通しています。
行事スピーチは、
自分だけの意見を強く伝える場ではありません。
その場にいる人たちの気持ちをまとめたり、次につなげたりする役目があります。
だからこそ、
-
行事に合った「特別な言い回し」を探す
-
うまい言葉を考えようとする
よりも、
「自分は、どんな役割で話すのか」
を先に考えたほうが、
スピーチ全体がぐっと組み立てやすくなります。
行事名から考え始めると、
どうしても細かいことで迷ってしまいます。
一方で、
役割から考えると、
-
何を入れればいいか
-
どんな順番で話せばいいか
が自然と見えてきます。
次の章では、
行事スピーチでよく求められる
基本的な役割の考え方を整理していきます。
行事スピーチで大切にされている3つのポイント
行事スピーチでは、
「何かすごいことを言わなければいけない」
と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
多くの行事スピーチで大切にされているのは、
次の3つのポイントです。
① みんなの気持ちをまとめること
行事スピーチは、
自分一人の考えを発表する場ではありません。
その行事に参加した人たちが、
「そうだったよね」「たしかにそう感じた」
と思えるように、
みんなの気持ちをまとめる役割があります。
細かい出来事をたくさん並べる必要はなく、
多くの人が共通して感じたことを
言葉にできていれば十分です。
② 感謝や振り返りを言葉にすること
卒業式や学校行事では、
周りの人に支えられてきた場面がたくさんあります。
-
一緒に取り組んだ友だち
-
まとめてくれた先生
-
支えてくれた人たち
そうした存在に触れながら、
行事を振り返る一言が入ると、
スピーチ全体が落ち着いた印象になります。
無理に感動的にする必要はありません。
素直な言葉で振り返るだけで大丈夫です。
③ 次につながる一言で締めること
行事スピーチは、
過去の話だけで終わるものではありません。
最後に、
-
これからの目標
-
次に向けた気持ち
-
前向きな一言
を添えることで、
スピーチ全体がきれいにまとまります。
ここで大切なのは、
立派な決意表明をすることではなく、
前を向いて終わることです。
この3つがそろっていれば、
行事スピーチとして大きく外れることはありません。
次の章では、
このポイントを自然に入れられる
話の流れについて説明していきます。
卒業・行事スピーチに共通する話の流れ

行事スピーチが書きにくく感じる理由のひとつに、
「どんな順番で話せばいいかわからない」
という悩みがあります。
そこで意識したいのが、
話の内容を“時間の流れ”で整理することです。
基本は「これまで → 今 → これから」
卒業式や学校行事のスピーチでは、
次の順番で考えると、とても組み立てやすくなります。
-
これまで
行事に向けて取り組んできたこと、思い出 -
今
行事を終えて感じたこと、学んだこと、感謝 -
これから
次に向けた気持ちや前向きな一言
この順番は、
卒業式でも文化祭でも、発表会でも共通です。
起承転結で考えなくていい理由
作文や文章を書くときに、
「起承転結で考えよう」と言われることがあります。
ですが、行事スピーチでは、
無理に起承転結を意識しなくても大丈夫です。
行事スピーチは物語ではなく、
体験を振り返り、気持ちを伝えるものだからです。
時間の流れに沿って話すほうが、
-
聞いている人が理解しやすい
-
話が途中で飛びにくい
-
まとめが自然になる
というメリットがあります。
この流れだと、話がまとまりやすい
「これまで → 今 → これから」の流れを使うと、
-
どこから話し始めればいいか迷わない
-
入れる内容が自然に決まる
-
最後の一文で悩みにくくなる
という効果があります。
また、この流れは、
先ほど紹介した
「みんなの気持ちをまとめる」「振り返り」「次につなげる」
という3つのポイントも、無理なく入れられます。
行事スピーチでは、
うまい言葉を探すよりも、
話の流れを整えることのほうが大切です。
次の章では、
なぜこの話の流れが
どんな行事でも使えるのかを、
もう少し詳しく見ていきます。
この話の流れが、どんな行事でも使える理由
ここまでで紹介した
「これまで → 今 → これから」
という話の流れは、特定の行事だけに使えるものではありません。
卒業式でも文化祭でも、
ほかの学校行事でも使えるのには、理由があります。
行事が違っても、伝える中身は似ている
学校行事は名前こそ違いますが、
-
みんなで準備してきた
-
当日を迎えた
-
終わって振り返る
という流れは、ほとんど同じです。
だからこそ、
-
準備してきたこと
-
行事を通して感じたこと
-
その経験をこれからどう生かしたいか
を順番に話すだけで、
どの行事でも自然なスピーチになります。
立場が違っても成り立つ
この話の流れは、
-
クラス代表
-
学年代表
-
まとめ役
など、立場が違っても使えます。
話す内容の細かさは変わっても、
-
これまでの取り組み
-
今感じていること
-
これからへの気持ち
という大きな流れは変わりません。
そのため、
「自分の立場では何を話せばいいのか」
と迷ったときにも、この流れが助けになります。
行事ごとの例を知らなくても困らない
行事スピーチでは、
「卒業式ならこう言う」
「文化祭ならこの表現」
といった決まり文句を覚える必要はありません。
大切なのは、
自分たちが経験したことを、順番に伝えることです。
話の流れが決まっていれば、
-
行事に合わせて言葉を少し変える
-
自分たちの体験を当てはめる
だけで、スピーチは十分に成り立ちます。
このように、
行事の名前にとらわれず、
話の流れで考えることで、
スピーチはぐっと書きやすくなります。
次の章では、
この流れを使っていても
つまずきやすいポイントについて整理します。
行事スピーチでつまずきやすいポイント
ここまでの話の流れを知っていても、
行事スピーチでは、いくつかつまずきやすいポイントがあります。
あらかじめ知っておくだけでも、
「これでいいのかな?」という不安はかなり減ります。
立派なことを言おうとしすぎてしまう
行事スピーチというと、
-
きれいにまとめなければいけない
-
感動する言葉を入れなければいけない
と思ってしまう人が多いです。
ですが、行事スピーチで大切なのは、
立派さよりも分かりやすさです。
実際に経験したことを、
無理のない言葉で伝えるだけで、
聞いている人には十分伝わります。
まとめようとして言葉がぼんやりする
「きれいにまとめよう」と意識しすぎると、
-
抽象的な言葉が増える
-
何を言いたいのか分かりにくくなる
ということがよくあります。
話の流れに沿って、
-
これまで
-
今
-
これから
を一つずつ整理していけば、
無理にまとめなくても、自然とまとまります。
話が短く・長く感じられてしまう原因
同じ長さのスピーチでも、
-
必要な内容がそろっていないと短く感じる
-
話があちこちに飛ぶと長く感じる
ことがあります。
たとえば、
原稿用紙1枚(400字)程度でも、
振り返りや感謝、締めの一言が入っていないと、
「少し物足りない」と感じられやすくなります。
逆に、話の流れが整っていれば、
長さにそれほど神経質になる必要はありません。
ここで大切なのは、
文字数や時間そのものよりも、
話すべき内容が順番に入っているかです。
次の章では、
この話の流れを使って、
実際にどうやって書き進めればいいのかを見ていきます。
実際に書くときの考え方と進め方
行事スピーチを書くとき、
いきなり原稿用紙に文章を書き始めると、
途中で手が止まりやすくなります。
ここでは、
話の流れを使って、無理なく書き進める方法を紹介します。
いきなり文章にしなくていい
まずやってほしいのは、
きれいな文章を書くことではありません。
最初は、次のように
メモで十分です。
-
これまで:
行事に向けて頑張ったこと、印象に残っていること -
今:
終えてみて感じたこと、うれしかったこと、感謝したいこと -
これから:
次に生かしたいこと、前向きな気持ち
この段階では、
言葉が整っていなくても問題ありません。
メモを並べて、順番を整える
次に、書き出したメモを見ながら、
-
どれを使うか
-
どれを省くか
を考えます。
このとき、
「これまで → 今 → これから」
の順番に並べるだけで、
スピーチ全体の形が見えてきます。
話の流れが決まると、
「次に何を書けばいいか」で迷いにくくなります。
最後に文章にしていく
順番が決まったら、
それを文章にしていきます。
最初から完璧に書こうとせず、
-
少しずつ言葉を整える
-
声に出して読んでみる
このくらいの気持ちで進めると、
無理なく仕上げられます。
行事スピーチは、
作文のように細かく評価されるものではありません。
伝わるかどうかを大切にして書いてみてください。
ここまで進めば、
行事スピーチの形はほぼ完成です。
最後に、
テーマそのものから考え直したい場合の
参考記事を紹介します。
テーマから考え直したいときはこちら
ここまで読んで、
-
話の流れは分かった
-
でも、そもそもテーマがしっくりきていない
-
何を軸に話すかでまだ迷っている
という人もいるかもしれません。
その場合は、
一度テーマ選びから整理してみるのもひとつの方法です。
行事スピーチでは、
-
感謝
-
協力
-
成長
-
達成感
など、よく使われるテーマがあります。
テーマがはっきりすると、
今回紹介した話の流れにも当てはめやすくなります。
テーマ選びに迷っている場合は、
こちらの記事も参考にしてみてください。
→ スピーチのテーマに迷ったら?書きやすい題材60選+伝わる話し方のコツ
まとめ
卒業・行事スピーチは、
行事ごとに特別な書き方を覚える必要はありません。
大切なのは、
-
行事名ではなく「役割」で考えること
-
立派な言葉より、分かりやすさを大切にすること
-
「これまで → 今 → これから」という話の流れで組み立てること
です。
この流れを意識するだけで、
スピーチはぐっと書きやすくなります。
テーマはすでに決まっているのに、
どうまとめればいいかで止まっていた人は、
ぜひこの考え方を使ってみてください。
行事スピーチは、
うまく話すことよりも、
その場にいる人に気持ちが伝わることが何より大切です。
