
友だちとの関係は、学校生活の中でもとくに身近なテーマですよね。
「ケンカして気まずくなった」
「悪口の輪に入りたくなかった」など、
だれもが一度は経験する出来事ばかりです。
こうした“友だちとの関わり”は、意見文のテーマとしてとても書きやすい分野です。
自分がそのときどう感じたのか、どんな行動をしたのかを思い出すだけで、自然と文章の流れがつくれます。
この記事では、
友だち・人間関係をテーマにした意見文の書き方や、
そのまま使える300字の例文を紹介します。
初めて意見文に挑戦する人でも書けるよう、
やさしく説明していますので、安心して読み進めてくださいね。
友だち・人間関係が意見文のテーマに向いている理由
友だちとのやり取りは、毎日の生活の中で必ずと言っていいほど起こることです。
だからこそ、自分の体験をそのまま題材にしやすく、意見文のテーマとしてとても書きやすい分野になります。
たとえば、
「ケンカしてしまった」
「悪口を言われていやだった」
「本当の気持ちを言えなかった」
といった出来事は、どれも身近でイメージしやすいですよね。
さらに、友だちとの出来事には “気持ちの動き” がつきものです。
そのとき何を感じたのか、
どうすればよかったのかを整理すると、
自然と 意見(主張)→ 理由 → 体験 → まとめ の流れが作れます。
「特別な体験がない…」と思っている人でも、
いつもの学校生活での小さな気づきやモヤモヤがそのまま使えるため、
意見文の練習にもぴったりのテーマです。
書きやすい友だち関係のテーマ例(トラブル・悪口・気づき)

友だちとの関係では、日常のちょっとした出来事がそのまま意見文のテーマになります。
とくに、小学生〜中学生が書きやすいテーマは次の3つのパターンに分けられます。
ケンカ・気まずさなどのトラブル系
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友だちとケンカしてしまった
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仲直りしたいのに話しかけられなかった
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すれ違いで気まずくなった
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言い方がきつくなってしまい後悔した
ケンカやすれ違いは、気持ちの動きがあるため、意見文にしやすいテーマです。
悪口・陰口などの人間関係の問題系
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悪口の輪に入りたくなかった
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SNSのコメントでショックを受けた
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友だちが陰口を言われていて心が痛んだ
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誰かを仲間外れにするのは良くないと思った
「どうするのが正しいか?」が書きやすいのが、このジャンルの特徴です。
自分の気づき・距離感・前向きな選択
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周りの目を気にして本音を言えなかった
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自分からあいさつしたら関係が良くなった
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無理に合わせるより、自分の気持ちを大事にしたいと思った
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距離を置くことで楽になれた経験
自分の内面の変化が書けるため、読んだ人に共感してもらいやすいテーマです。
ほかにも書きやすい題材を知りたい場合は、
意見文のテーマに迷ったら?書きやすい題材60選+すぐ書けるコツも紹介
も参考になります。より多くのテーマの中から、自分に合ったものが選べます。
友だち関係をテーマにした意見文の書き方(簡単テンプレ)

友だちとの出来事を題材にするときも、意見文は
「序論 → 本論 → 結論」
の流れで書くと、とても読みやすくまとまります。
むずかしく考えず、この3つを順番にそろえるだけで大丈夫です。
① 序論(自分の意見を一文で伝える)
最初の文章では、自分の意見をハッキリと一文で伝えることが大切です。
「私は〜と思います」
「〜を大切にすべきだと感じます」など、
読み手がすぐ内容をつかめる一文を置くと、その後が書きやすくなります。
② 本論(理由+体験を書く)
本論では、意見の理由をくわしく説明します。
友だち関係のテーマは、自分の体験をひとつ選んで書くと、とても説得力が出ます。
「なぜそう感じたのか」
「そのときどんな気持ちだったのか」
を整理すると、文章の流れが自然につながります。
③ 終論(主張をまとめとしてもう一度伝える)
最後の結論では、序論で述べた意見を短くまとめるようにします。
「これからは〜したいです」
「今後は〜を大切にしたいです」
と締めくくると、前向きで読みやすい文章になります。
意見文の書き方をもっとくわしく知りたい人は、
意見文の書き方(完全版)|小学生〜中学生向けに流れをやさしく解説
も参考になります。
[例文]友だち関係をテーマにした意見文(約300字×3つ)
友だちとの関わりは、だれもが経験する身近な出来事なので、意見文のテーマとしてとても書きやすい分野です。
ここでは、実際に使える 300字の例文を3つ紹介します。
文章の流れや書き方の参考にしてみてくださいね。
友だち関係以外のテーマにも挑戦したい人は、
学校生活の意見文|迷惑・ルール・気づきをテーマにした例文つき や
家庭・日常生活の意見文|書きやすい題材と例文3つ、
ゲーム・スマホ・SNSの意見文|書きやすいテーマと例文3つ
といった、ほかのテーマ別の意見文もあわせて読むと書き方の幅が広がります。
例文①:ケンカした友だちと仲直りした話(約300字)
私は、友だちとケンカしたとき、自分の気持ちを正直に伝えることが大切だと思います。
先日、ちょっとした行き違いで親しい友だちとケンカしてしまいました。お互いに気まずくなり、しばらく話すことができませんでした。
しかし、時間がたつほど「このままではいけない」と感じました。そこで、思い切って自分から「さっきは言いすぎてごめんね」と声をかけました。すると友だちも、「自分も悪かったよ」と言ってくれて、自然に会話が戻りました。その瞬間、勇気を出して話しかけてよかったと心から思いました。
この出来事を通して、気まずいままにせず、自分の気持ちをきちんと伝えることが大切だと感じました。これからも、友だちとの関係を大切にするために、素直に向き合っていきたいです。
例文②:悪口の輪に入りたくなかった経験(約300字)
私は、だれかの悪口を言うことは絶対にしてはいけないと思います。
ある日、休み時間に友だち数人が、クラスの子の悪口を話していました。私はその場にいましたが、どうしても一緒に言う気にはなれませんでした。
その子のことを完全に知っているわけではないのに、うわさだけで悪く言うのは良くないと感じたからです。でも、輪から離れると「冷たいと思われるかな」と不安な気持ちもあり、どうしたらいいのか迷いました。
結局、私はその場からそっと離れました。すると、その後で「さっきはどうしたの?」と聞かれましたが、「悪口は言いたくないんだ」と正直に伝えました。相手は少し意外そうでしたが、分かってくれたようでした。
この経験から、自分が正しいと思う行動を選ぶ勇気の大切さに気づきました。今後も、だれかを傷つけるようなことには加わらないようにしたいです。
例文③:周囲の目を気にして本音を言えなかった経験(約300字)
私は、周りの目を気にしすぎて本音を言えないのは良くないと感じています。
ある授業で、あるテーマについて意見を出す場面がありました。私はこう思う、と考えていましたが、友だちが次々と反対の意見を言い始めたため、手を挙げることができませんでした。
「変だと思われたらどうしよう」「場の空気を悪くするかもしれない」
そんな気持ちが強くなり、本音をしまいこんでしまったのです。授業が終わったあと、言えなかった自分が少し悔しくなりました。
その日の帰り道、「自分の考えを大切にしたい」と思い直しました。次の機会には、たとえ少数派でも、自分の意見を言えるようになりたいと感じました。
この経験から、周りに合わせるだけでなく、自分の気持ちを大切にする勇気が必要だと学びました。
書くときにつまずきやすいポイントと対処法
友だちとの出来事は身近だからこそ、書こうとしたときに迷ってしまう場面もあります。
ここでは、意見文を書くときに多い“つまずきポイント”と、その解決方法をまとめました。
①「理由が思いつかない」とき
意見だけ書けても、「なぜそう思ったのか」の理由で止まってしまうことがあります。
その場合は、そのときの気持ちを言葉にしてみるのがおすすめです。
「いやだった」「もやもやした」「うれしかった」など、自分の気持ちを思い出すと、自然と理由が見つかります。
② 体験部分がうまく書けない
友だち関係では、似たような出来事が多く、「どれを書けばいいのか」と迷うことがあります。
ひとつだけ選んで、“その瞬間に何が起きたか”を短く書くとまとまりやすくなります。
場面・相手の言葉・自分の行動の順に思い出すと書きやすいです。
③ 話が広がりすぎてまとまらない
気持ちが動くテーマほど、書きたいことがどんどん増えてしまいます。
そんなときは、最初に書いた序論(意見)をもう一度見直すと方向が定まります。
「本当に伝えたいことは何か?」を意識すると、不要な部分を省けます。
④ 結論が弱くなる
最後が“ただの感想”になってしまうのはよくある悩みです。
序論で書いた意見を、短く整理し直すだけでも十分な結論になります。
「これからは〜したい」
「今後は〜を大切にしたい」など、
前向きな言葉で締めると印象が良くなります。
⑤ 書き出しで止まってしまう
最初の一文がなかなか出てこないと、そこから進めなくなってしまいます。
迷うときは、「私は〜と思います」の形で意見を書くところから始めるとスムーズです。
あとでゆっくり書き直すこともできるので、まずは一歩進めることが大切です。
まとめ|友だち関係の意見文は“身近な体験”がそのまま題材になる
友だちとの関わりは、毎日の中で必ず起こる出来事です。
そのため、自分の体験を思い出すだけで、意見文の材料が自然と見つかります。
ケンカをしたときの気持ちや、
悪口を聞いて迷ったときの不安、
本音が言えなかった場面など、どれも立派な題材です。
それを「序論 → 本論 → 結論」にそって整理すれば、
自分らしい意見文が書けるようになります。
小さな気づきでも大丈夫です。
自分の心が動いた瞬間をていねいに見つめて書けば、
読み手にとっても印象に残る文章になりますよ。
