
読書感想文を書くときに、いちばん悩むのが「どんな本を選ぶか」ですよね。
せっかくなら、読みやすくて感想も書きやすい本を選びたいところ。
でも、いざ本屋さんや図書館で探してみると、
「どの本がいいのか分からない」
「途中で挫折しそう」
と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
実は、読書感想文で書きやすい本には“ちょっとした共通点”があります。
それを知って選ぶだけで、
読むのも書くのもずっとスムーズになります。
このページでは、
小学生・中学生・高校生それぞれの学年に合わせて、
「書きやすい本の選び方」と「おすすめ作品」をまとめました。
また、最後には感想文の書き方のコツも紹介しています。
「どんな本を選べばいい?」
「どのくらいの量を書けばいい?」
と迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
書きやすい読書感想文の本を選ぶコツ

読書感想文で一番大切なのは、「自分が書きやすい本を選ぶこと」です。
どんなに有名な作品でも、内容が難しすぎたり、登場人物が多すぎたりすると、
感想がうまくまとまらなくなってしまうことがあります。
ここでは、読書感想文がスムーズに書ける本の選び方を、いくつかのポイントに分けて紹介します。
長すぎず登場人物が少ない本を選ぼう
ページ数が多い本や、
登場人物がたくさん出てくる本は、
読むだけで時間がかかってしまい、内容を整理するのが大変です。
反対に、
100〜200ページ程度で話がシンプルな本なら、
ストーリーを覚えやすく、印象に残った場面も思い出しやすくなります。
「最後まで読みきれた!」という達成感も得られるので、結果的に感想文も書きやすくなります。
自分の体験と重ねやすい内容を選ぶ
感想文では、「自分だったらどう思うか」を書くことが大切です。
だからこそ、自分の経験と少しでも重なるテーマを選ぶのがおすすめです。
たとえば、
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クラスメイトとの関わり
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部活動での努力
-
家族との時間
など、日常に近い内容だと「共感」や「気づき」が書きやすくなります。
感想を言葉にしやすいジャンルを選ぶ
読書感想文に向いているのは、次のようなジャンルです。
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感動する話(友情・家族・努力など)
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成長や挑戦を描いた話
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心が動く出来事を描いたノンフィクション
特に、登場人物が悩んだり、努力したりするストーリーは、「自分だったらどうする?」という考えを自然に書き出せます。
このあとからは、学年別に「書きやすい本」を紹介していきます。
まずは小学生におすすめの本から見ていきましょう。
小学生におすすめの書きやすい本

小学生にとって読書感想文は、本を選ぶところからが第一のハードル。
文字が多すぎたり、話が難しかったりすると途中で飽きてしまうこともあります。
ここでは、学年別に「無理なく読めて、感想が書きやすい本」を紹介します。
特に5年生・6年生の課題で悩んでいる人にもぴったりの作品ばかりです。
小学3〜4年生向け:短くて読みやすい作品
この学年では、「おもしろい」「わかりやすい」が大切です。
感想文では「びっくりした」「すごいと思った」など、自分の感じたことを素直に書くだけで立派な作品になります。
たとえば、次のような本が人気です。
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『おしいれのぼうけん』(古田足日)
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『モチモチの木』(斎藤隆介)
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『スイミー』(レオ・レオニ)
どれも短くて読みやすく、感情の変化を書きやすい内容です。
小学5〜6年生向け:考えをまとめやすい作品
高学年になると、
「主人公の気持ち」や「自分との違い」について
少し深く考えるようになります。
そんな時期におすすめなのが、考えを整理しやすいストーリーです。
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『二分間の冒険』(岡田淳)
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『ハルとカナ』(いとうみく)
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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ)
「どうして主人公はこうしたのかな?」と考える部分が多く、感想文の構成を作りやすいのが特徴です。
高学年でも短く読める名作3選
「長い本は苦手」という人に向けて、
短くても内容がしっかりしている名作を紹介します。
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『ごんぎつね』(新美南吉)
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『手ぶくろを買いに』(新美南吉)
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『ちいちゃんのかげおくり』(あまんきみこ)
どの作品も心に残るテーマがあり、
「かわいそうだった」「やさしい気持ちになった」など、素直な感想が自然と出てくる内容です。
中学生におすすめの書きやすい本
中学生になると、読書感想文の内容にも少し深みが求められます。
とはいえ、難しい本を選ぶ必要はありません。
自分の気持ちと重ねられる本を選ぶことで、
素直な感想がスムーズに書けるようになります。
ここでは、中学生でも「読みやすくて感想が書きやすい」おすすめ本を紹介します。
短いページ数でテーマが明確な作品
「長い本を読むのは苦手…」という人でも、
短編や薄めの本なら最後まで集中して読めます。
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『走れメロス』(太宰治)
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『注文の多い料理店』(宮沢賢治)
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『トラぺジウム』(高山一実)
これらはページ数が少ないうえに、
友情・信頼・挑戦といったテーマがはっきりしているので、自分の意見を書きやすいのがポイントです。
部活・友情・家族がテーマの本
中学生の読書感想文では、身近なテーマの本が人気です。
特に「部活」「友情」「家族」など、自分の生活に近い題材だと、共感できる部分が多く、書く内容も自然に浮かびます。
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『青空エール』(河原和音)
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『サマーウォーズ』(細田守・角川文庫版)
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『ふたり』(赤川次郎)
登場人物の努力や悩みを、自分の体験と重ねて書くと、読書感想文としてまとまりやすくなります。
少し深い内容でも書きやすい中学生向け3選
考えるテーマが少し難しい本でも、
「自分の考えを書きたい」という人には次の作品もおすすめです。
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『博士の愛した数式』(小川洋子)
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『夜のピクニック』(恩田陸)
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『チーム・バチスタの栄光』(海堂尊)
どの本も登場人物の考え方や行動に個性があり、
「自分ならどうするか」を書きやすい構成になっています。
高校生におすすめの書きやすい本
高校生になると、読書感想文では「自分の意見」や「考察の深さ」が求められます。
とはいえ、むずかしい文学作品に挑戦する必要はありません。
身近な社会問題や人間関係をテーマにした本なら、
自然と自分の考えを言葉にしやすくなります。
ここでは、高校生でも感想が書きやすい作品を紹介します。
現代文学・社会テーマの本(人間関係・進路など)
身近な悩みや将来への不安を扱った本は、
読んだあとに「自分はどう思ったか」を書きやすいのが特徴です。
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『コンビニ人間』(村田沙耶香)
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『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)
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『夜のピクニック』(恩田陸)
特に『コンビニ人間』は、社会とのつながり方や「自分らしさ」について考えさせられる内容で、
感想文の題材として人気があります。
「人間失格」など定番作品を選ぶときの注意点
太宰治の『人間失格』や夏目漱石の『こころ』など、
毎年多くの高校生が感想文に選ぶ定番作品もあります。
ただし、有名な本はあらすじや感想がネット上に多く出回っているため、「自分の感じたこと」を中心に書くのがポイントです。
たとえば、
-
「この主人公に自分は共感できたか」
-
「どの場面で印象が変わったか」
など、自分なりの視点を一つ入れるとオリジナリティが出ます。
短編小説やエッセイで書きやすい本
時間がないときや、
部活動・テストで忙しい時期には、
短めでも内容のある作品を選ぶのもおすすめです。
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『人生はニャンとかなる!』(水野敬也)
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『ツナグ』(辻村深月)
-
『LIFE!人生に捧げるコント』(星野源)
これらは一話完結型の構成になっており、
読後に感じたことをすぐ文章にまとめやすいのが特徴です。
読書感想文を書くときのポイント

どんな本を選んでも、
「どう書き始めるか」「どのくらいの量にするか」で迷う人は多いものです。
ここでは、初心者でもスムーズに書けるように、
基本の構成と書き方のコツを紹介します。
感想文の基本構成は「4つの流れ」
読書感想文は、次のような流れで書くと自然にまとまります。
1️⃣ 本を読んだきっかけ
→ 「タイトルにひかれて」「先生にすすめられて」など簡単に。
2️⃣ 印象に残った場面や言葉
→ 一番心が動いたところを中心に書く。
3️⃣ 自分が感じたこと・考えたこと
→ 「自分ならどうするか」「自分の経験と似ている」など。
4️⃣ 読んで学んだこと・これからどうしたいか
→ 「これからは〜したい」とまとめるときれいに終われます。
「あらすじ」より「自分の考え」を大切に
感想文というと、
あらすじを長く書いてしまう人も多いですが、
大切なのは本を読んで何を感じたかです。
物語の説明は必要最低限にして、
「この場面で自分はどう思ったか」を中心に書くと、
読んだ人の心に残る感想文になります。
スピーチ原稿のように声に出して読むのもおすすめ
書き終えたあとは、声に出して読んでみましょう。
文のつながりや、伝えたい気持ちが伝わるかどうかを確認できます。
読みながら「この言葉をもう少し短くしよう」「ここは順番を変えよう」と直すと、文章がぐっと読みやすくなります。
どれくらいの分量を書けばいい?
学校によって指定はさまざまですが、
おおよその目安は次のとおりです。
| 学年 | 目安の文字数 | 原稿用紙枚数(400字詰め) |
|---|---|---|
| 小学生 | 約600〜1200字 | 1.5〜3枚 |
| 中学生 | 約1000〜1600字 | 2.5〜4枚 |
| 高校生 | 約1600〜2000字 | 4〜5枚 |
原稿用紙3枚(約1200字)前後を目安にすると、
内容にまとまりが出て、読みやすい感想文になります。
まとめ
読書感想文は、本を読むことよりも「どう感じたか」を伝えることが大切です。
難しい本を無理に選ばなくても、
自分に合った“書きやすい本”を選ぶだけで、
読書も感想もぐっとスムーズになります。
今回紹介したように、
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小学生なら「短くて感情が動く本」
-
中学生なら「共感できるテーマの本」
-
高校生なら「自分の考えを深められる本」
といったように、学年ごとに選び方のポイントがあります。
どの本を選ぶときも、
「自分だったらどう思うか」
「どんな気持ちになったか」
を意識して書けば、自然とあなただけの感想文になります。
焦らず、自分のペースで本と向き合ってみてくださいね。
