
最近は、学校でもスピーチの課題が増えています。
授業や行事の中で「みんなの前で自分の考えを話す」機会が、昔よりもずっと多くなりました。
背景には、2020年以降の新しい学習指導要領があります。
「書く力」だけでなく「話す力」を育てることが大切にされるようになり、
小学校から中学・高校まで、発表やスピーチが身近な課題になったのです。
とはいえ、「テーマは自由です」と言われると、
かえって何を話せばいいのか迷ってしまいますよね。
真面目なテーマがいいのか、楽しい話でもいいのか、悩む人も多いと思います。
この記事では、そんなときに参考になる**「書きやすく、話しやすいスピーチの題材60選」**を紹介します。
小学生・中学生・高校生それぞれに合ったテーマや、
原稿を作るとき・話すときのコツもあわせてお伝えします。
読むだけで、あなたにぴったりのテーマが見つかり、
自信をもってスピーチにのぞめるようになりますよ。
スピーチのテーマを決めるときの考え方

スピーチのテーマを決めるときにいちばん大切なのは、「何を伝えたいか」をはっきりさせることです。
テーマが自由だと、どうしても「何を書けばいいの?」と迷ってしまいますが、
実はちょっとしたコツを知るだけで、ぐっと決めやすくなりますよ。
ここでは、スピーチテーマを選ぶときに役立つ3つの考え方を紹介します。
聞く人に「伝えたいこと」から考える
スピーチは「話すこと」よりも、「伝えること」が目的です。
たとえば「元気を出してもらいたい」「感謝を伝えたい」など、聞く人にどんな気持ちになってほしいかを考えると、テーマが見えてきます。
「ありがとうを伝えたい」→「感謝の気持ち」
「前向きな気分になってほしい」→「あきらめない気持ち」
このように、聞く人の立場で考えると自然に方向が決まります。
自分の体験や日常から選ぶ
スピーチは、むずかしいテーマを選ばなくても大丈夫です。
むしろ、自分が実際に経験したことを話すほうが伝わりやすく、共感を得やすいです。
たとえば、
「友達を助けてうれしかったこと」
「部活で努力して成長できたこと」
「家族との出来事から学んだこと」など、
自分が体験したことをもとにすると、言葉にも自然と力がこもります。
興味があること・好きなことをベースにする
スピーチでは、「好き」「楽しい」と思えるテーマを選ぶのもおすすめです。
好きなことなら話していても笑顔になれますし、聞いている人も引き込まれます。
たとえば、好きな本・映画・スポーツ・動物など。
「なぜ好きなのか」「それから学んだこと」まで話すと、自分らしさのあるスピーチになります。
テーマを決めるときは、
「聞く人」「自分の経験」「自分の好きなこと」
この3つの視点を意識してみましょう。
きっと、あなたにぴったりのテーマが見つかるはずです。
小学生におすすめの書きやすいスピーチテーマ
小学生のスピーチでは、身近な話題を選ぶのがいちばんです。
日常の中で感じたことや、家族・友達との出来事など、自分の体験をもとに話すと聞いている人にも伝わりやすくなります。
ここでは、小学生でも原稿が書きやすく、楽しく話せるテーマを紹介します。
学校生活や友達・家族に関する話題
・友達と協力してうれしかったこと
・学校でがんばったこと
・家族に「ありがとう」を伝えたいこと
・ペットと過ごして気づいたこと
・先生に教えてもらって印象に残ったこと
日常の出来事の中にある小さな気づきは、
どんなテーマよりも心に残るスピーチになります。
夢や将来に関するテーマ
・将来なりたい職業について
・大人になったらやってみたいこと
・自分の夢を叶えるために今できること
将来のことを考えるときは、「理由」や「きっかけ」を入れると伝わりやすいです。
たとえば「獣医になりたい → 病気の犬を助けたいと思ったから」など、具体的なエピソードを添えると、聞く人も興味を持ってくれます。
身近な気づきやマナーの話題
・あいさつの大切さ
・思いやりのある行動について
・時間を守ることの大切さ
・整理整頓で気づいたこと
・笑顔の力
こうしたテーマは、短いスピーチにもぴったりです。
普段の生活の中で感じたことを素直に話すと、
聞いている人も「自分も気をつけよう」と思ってくれます。
小学生のスピーチは、難しい言葉よりも“心のこもった言葉”が大切です。
自分が感じたことをそのまま言葉にすれば、それがいちばんの原稿になります。
中学生・高校生におすすめの書きやすいスピーチテーマ

中学生や高校生になると、学校や社会の中で考えることが増えてきます。
その分、スピーチで話せるテーマの幅もぐっと広がります。
ここでは、部活動や学校生活、ニュースや社会問題、自分の考えなど、中高生が共感しやすく、書きやすい題材を紹介します。
学校・部活動での経験
・努力とチームワークの大切さ
・失敗から学んだこと
・後輩に伝えたいこと
・仲間と過ごした時間で気づいたこと
・続けることの意味
日常の中で感じたことを、素直な言葉で話すだけでも立派なスピーチになります。
特に「自分が変わったきっかけ」を入れると、聞く人に印象が残ります。
社会・ニュース・SDGsなど時事的なテーマ
・SNSとの上手な付き合い方
・ネットの情報を信じすぎない大切さ
・環境を守るためにできること
・世界の人と助け合う社会を目指して
・多様性を認め合うために自分ができること
ニュースやSDGsのテーマを選ぶときは、
「身近な行動」とつなげて話すのがポイントです。
たとえば、「エコバッグを使うようになった」「節電を意識している」など、自分の体験を交えると説得力が生まれます。
自分の考えや生き方に関するテーマ
・感謝の気持ちを忘れないこと
・自分らしさって何だろう?
・思いやりのある人になりたい
・あきらめない強さについて
・人とのつながりの大切さ
中高生になると、「自分はどう生きたいか」を考える場面が増えます。
スピーチでは、完璧な答えよりも「今の自分の気持ち」を正直に伝えることが大切です。
スピーチの原稿は、かっこよく書こうとしなくてOKです。
「自分の言葉で伝える」ことこそが、いちばん心に響くスピーチになります。
シーン別おすすめスピーチテーマ
スピーチと一口に言っても、発表の場によってふさわしいテーマは少し変わります。
ここでは、朝礼・学校行事・スピーチコンテストなど、よくある3つのシーン別におすすめのテーマを紹介します。
朝礼・短時間スピーチ向け
朝礼などで1〜2分の短いスピーチをするときは、
身近で明るい話題を選ぶのがおすすめです。
・あいさつで1日を気持ちよく始める
・早起きして気づいたこと
・小さな努力を続けるコツ
・笑顔で過ごす1日の大切さ
・整理整頓で気分が変わった話
短い時間でも、「自分の体験+そこから学んだこと」を入れると、聞く人の心に残るスピーチになります。
学校行事・文化祭での発表向け
クラス発表や文化祭など、仲間と作り上げる行事では、協力・感謝・達成感といったテーマが人気です。
・協力することで生まれる力
・行事を通して気づいた仲間の大切さ
・みんなで目標を達成する楽しさ
・失敗を乗り越えて感じたこと
・準備の中で学んだこと
行事スピーチでは、
「仲間と経験したこと」や「感謝」を中心に話すと、
会場全体があたたかい雰囲気になります。
スピーチコンテスト・弁論大会向け
大会やコンクールでは、自分の意見や考えをしっかり伝えるテーマが向いています。
・努力の意味と続ける力
・夢を実現するために必要なこと
・SNS社会で大切にしたいこと
・差別や偏見のない社会を目指して
・平和について自分が思うこと
コンテストでは「社会的な話題」も多いですが、
大切なのは難しい言葉よりも自分の感じたことを自分の言葉で伝えることです。
どんな場面でも、聞く人に「伝えたい気持ち」があれば大丈夫。
自分の体験をもとに話せば、きっと印象に残るスピーチになります。
スピーチ原稿の書き方(基本の流れ)
テーマが決まったら、次は原稿作りです。
「何から書けばいいかわからない」という人も多いですが、スピーチ原稿にはシンプルな型があります。
それが、「導入 → 本文 → まとめ」 の3ステップ構成です。
この流れを意識するだけで、自然に聞きやすい原稿が作れます。
① 導入(話のきっかけを伝える)
まずは、「なぜこのテーマを選んだのか」を簡単に話します。
聞く人が「どんな話なのか」をすぐに理解できるようにするのがポイントです。
たとえば——
-
「私は、部活動を通して努力の大切さを学びました。」
-
「最近のニュースを見て、環境について考えるようになりました。」
最初にテーマのきっかけを伝えると、スピーチ全体がスムーズになります。
② 本文(体験や理由を具体的に話す)
次に、テーマに関する体験や考えを詳しく話します。
「なぜそう思ったのか」「そのときどう感じたのか」を中心に書くと、聞く人がイメージしやすくなります。
たとえば——
-
「部活の大会で思うように結果が出なかったけれど、仲間に励まされて努力を続けました。」
-
「ごみ拾いのボランティアに参加して、身近な環境を守ることの大切さに気づきました。」
体験を1つに絞って話すのがコツです。
あれこれ盛り込むよりも、ひとつの出来事を丁寧に話すほうが伝わります。
③ まとめ(伝えたい気持ちで締める)
最後は、自分が伝えたい思いを一文でまとめましょう。
ここがスピーチの印象を決める部分です。
たとえば——
-
「この経験を通して、あきらめずに努力する大切さを学びました。」
-
「これからも、環境を守るために自分ができることを続けたいです。」
最後を前向きな言葉で締めくくると、
聞く人に元気や共感を与えられるスピーチになります。
スピーチ原稿は、最初から完璧に書く必要はありません。
まずは思ったことを簡単なメモにして、
それをこの「導入 → 本文 → まとめ」の形に並べ替えるだけでOKです。
スピーチ原稿を作るときのコツ
スピーチ原稿を書くときは、かっこよくまとめようとしすぎなくて大丈夫です。
大切なのは、自分の考えをわかりやすく伝えること。
少しだけポイントを意識するだけで、ぐっと聞きやすい原稿になります。
ここでは、スピーチ原稿を作るときに意識したい3つのコツを紹介します。
1つのテーマに絞る
スピーチの時間は限られています。
あれもこれも話そうとすると、聞く人が内容を覚えづらくなってしまいます。
「伝えたいことは1つ」に絞るのがポイント。
たとえば「努力の大切さ」なら、部活で頑張った経験だけに焦点を当てる。
そうすることで話に一貫性が生まれ、印象に残りやすくなります。
聞く人の立場を意識する
スピーチは“読む”よりも“聞く”もの。
むずかしい言葉や長い文章は、聞いている人には伝わりにくいです。
「小学生でも分かる言葉で話す」くらいの気持ちで書くと、どの世代にも伝わる自然な原稿になります。
また、実際に声に出して読んでみると、リズムや長さの調整もしやすいですよ。
書く前に話してみる
スピーチ原稿は、まず口に出してみることから始めるのもおすすめです。
頭の中で考えるより、声に出すことで「自然な言い回し」が見えてきます。
「書く→読む→直す」をくり返すと、
自分らしいテンポと表現が整っていきます。
慣れないうちは鏡の前や家族の前で練習してみましょう。
持ち時間に合わせた原稿量の目安
スピーチの長さは、発表の場によって決まっていることが多いです。
時間に合った原稿量を目安にしておくと安心です。
| スピーチ時間 | 目安の文字数 | 原稿の目安 |
|---|---|---|
| 約1分 | 約300〜400文字 | 短めの朝礼・あいさつなど |
| 約2分 | 約600〜700文字 | 学校スピーチ・授業発表など |
| 約3分 | 約900〜1,000文字 | 弁論大会・コンテストなど |
読む速さや緊張の度合いにもよりますが、
「1分=約350文字」が目安です。
書いたあとに声に出して読んでみると、
時間オーバーを防げます。
スピーチの原稿づくりは、「正しく書く」よりも「伝わるように書く」ことが大事です。
誰かの心に届く言葉を選んでいけば、それがいちばんのスピーチになります。
伝わる話し方のポイント

どんなに良い原稿ができても、話し方によって印象は大きく変わります。
スピーチを「聞いてよかった」と感じてもらうには、
少しだけ“伝え方”を意識するのがポイントです。
ここでは、聞く人の心に届く話し方のコツを紹介します。
ゆっくり・はっきり話す
緊張すると、どうしても早口になりがちです。
でも、ゆっくり話すことで内容がしっかり伝わり、落ち着いた印象になります。
文の切れ目で小さく息を吸うと、自然にテンポが整います。
「早く終わらせよう」ではなく、「一言ずつ届けよう」という気持ちで話してみましょう。
目線と表情を大切にする
聞いている人の顔を見ながら話すと、それだけで安心感を与えられます。
下を向いて原稿を読むより、少し顔を上げて笑顔で話すだけで印象が変わります。
また、表情に感情をのせることで、言葉に温かみが生まれます。
難しく考えず、「聞いてくれてありがとう」という気持ちで話せば大丈夫です。
最後は笑顔で締める
スピーチの最後は、聞く人の心に残る大切な瞬間です。
どんな内容でも、笑顔で締めくくると前向きな印象になります。
「これで終わります。ありがとうございました。」
このひとことを、ゆっくり丁寧に言うだけで、スピーチ全体が気持ちよく終わります。
スピーチは、上手に話すよりも「気持ちをこめて話す」ことがいちばん大切。
練習を重ねるうちに、自分らしい話し方がきっと見つかります。
まとめ
スピーチは、「テーマが自由」と言われるからこそ悩むものです。
でも、難しいことを話そうとしなくても大丈夫。
自分の体験や、日々感じていることを素直に言葉にするだけで、聞く人の心に届くスピーチになります。
テーマを決めるときは、
-
聞く人に伝えたいこと
-
自分の経験や気づき
-
興味のあることや好きなこと
この3つを意識してみましょう。
小学生は身近な話題を中心に、
中高生は学校生活や社会への考えを交えて話すと、
より自分らしい内容になります。
また、原稿づくりでは「1つのテーマに絞る」ことが大切。
ゆっくり・はっきり話すことで、聞く人にも伝わりやすくなります。
スピーチは“上手に話す”よりも“気持ちを伝える”ことが目的です。
この記事のテーマ一覧やコツを参考にして、
あなただけの言葉で、自信をもって話してみてくださいね。
