
生活作文を書いていて、
途中で手が止まったり、
「これ、なんかズレてきてない?」
「このまま書いて大丈夫かな…」
と不安になったことはありませんか。
こうした迷いが出るのは、
文章が下手だからでも、表現力が足りないからでもありません。
多くの場合、
書く内容の「考える順番」が頭の中で整理されていないまま、書き進めてしまっていることが原因です。
生活作文は、
特別な言い回しや立派なまとめを書こうとすると、
かえってズレやすくなります。
途中で意見文のようになったり、
急に結論っぽい話に飛んでしまうのも、
順番が崩れているサインです。
でも、
考える流れさえ押さえておけば、
途中で迷っても立て直すことができます。
この記事では、
生活作文を書き始めてから書き終わるまで、
どんな順番で考えればズレにくいのかを、
4つの流れに分けて整理します。
「これで合っているのかな?」
と不安になりやすい人ほど、
この流れを知っておくと、
落ち着いて最後まで書き進めやすくなります。
生活作文が途中でズレるのは「順番」が決まっていないから
生活作文を書いていると、
最初はちゃんと書けているつもりだったのに、
途中から
「話が散らかってきた」
「何を伝えたいのかわからなくなった」
と感じることがあります。
このズレは、
思いつきで書いているから起こるわけではありません。
多くの場合、「何から考えるか」が決まっていないまま書き始めていることが原因です。
たとえば、
・出来事を書きながら、急に感想をまとめ始める
・気持ちを書く前に、理由や反省を書いてしまう
・まだ途中なのに、結論っぽい一文を書いてしまう
こうした状態になると、
文章そのものが間違っていなくても、
生活作文としてはズレて見えやすくなります。
生活作文は、
思ったことをそのまま並べる作文ではありません。
でも、意見文のように
「最初に結論を決めて、理由を並べる」ものでもありません。
考える順番が決まっていないと、
途中で意見文寄りになったり、
話が広がりすぎたりしてしまいます。
逆に言えば、
書く前に「考える順番」さえ分かっていれば、
文章の途中で少し迷っても、
どこに戻ればいいのかがはっきりします。
生活作文が途中でズレてしまう理由については、
意見文になってしまう原因を整理した記事で、もう少し詳しく説明しています。
次の章では、
生活作文を書くときに迷いにくくなる
4つの基本的な流れを紹介します。
まずは全体像をつかんでから、
ひとつずつ見ていきましょう。
生活作文の基本構成は4つの流れで考えるとラクになる

生活作文を書くときに迷いやすいのは、
「何を書けばいいか」ではなく、
「今、どの段階を書いているのか分からなくなること」です。
そこで役に立つのが、
考え方を4つの流れに分けて整理することです。
これは、
決まった型に当てはめるためのものではありません。
ズレずに書き進めるための目印だと思ってください。
生活作文は、次の4つの流れで考えると整理しやすくなります。
-
出来事を1つにしぼる
-
そのときの気持ちを思い出す
-
なぜそう感じたのかを考える
-
今の自分にどう残ったかで終える
この順番で考えていくと、
-
途中で話が飛びにくい
-
急にまとめに入ってしまうことが減る
-
「これで合ってる?」と不安になりにくい
といった変化が出てきます。
大切なのは、
最初から全部を意識しようとしないことです。
今は
「自分はいま、4つのうちどこを書いているのか」
それだけ分かっていれば十分です。
このあと、
それぞれの流れをひとつずつ見ていきます。
まずは最初のステップ、
出来事のしぼり方から確認していきましょう。
流れ①:出来事を1つにしぼる(広げない・盛らない)
生活作文がズレやすい最初のポイントは、
出来事をたくさん書こうとしてしまうことです。
「あの日はいろいろあって…」
「この出来事と、前の日のことも関係していて…」
という書き出しになると、
話の中心がぼやけやすくなります。
生活作文では、
出来事は1つで十分です。
むしろ、1つにしぼったほうが書きやすくなります。
ここで大切なのは、
「大きな出来事かどうか」ではありません。
・特別な事件
・感動的な体験
・みんなが驚くような話
である必要はありません。
たとえば、
・いつもの掃除の時間
・友だちとの何気ない会話
・家で言われた一言
こうした小さな出来事でも問題ありません。
むしろ、
出来事を広げすぎたり、
話を盛ろうとしたりすると、
そのあとに書く「気持ち」や「考え」が追いつかなくなります。
迷ったときは、
「今日、いちばん印象に残った場面はどこか」
と自分に聞いてみてください。
場面が1つ決まれば、
生活作文の土台はほぼ完成です。
次は、そのときの気持ちに目を向けていきます。
流れ②:そのときの気持ちを思い出す(説明より“自分の中”)
出来事が1つにしぼれたら、
次に考えるのはそのときの気持ちです。
ここでズレやすいのが、
出来事を説明し続けてしまうことです。
・何が起きたのか
・どういう状況だったのか
・周りはどうしていたのか
こうした説明を丁寧に書きすぎると、
自分の気持ちを書く前に、
文章が重くなってしまいます。
生活作文で大切なのは、
出来事そのものよりも、
そのとき、自分の中で何を感じたかです。
うれしかった、楽しかった、だけでなく、
・少しモヤっとした
・なんとなく気になった
・正直、めんどうだと思った
といった気持ちでもかまいません。
きれいな感想を書く必要はありません。
その場で最初に浮かんだ気持ちを思い出してみてください。
もし言葉にしにくいときは、
「あとから思い返して、何が引っかかっているか」
「今でも、少し気になるところはどこか」
と考えると、
気持ちが見つかりやすくなります。
出来事 → 気持ち
この順番が守れていれば、
生活作文はまだズレていません。
次は、
その気持ちがなぜ生まれたのかを、
少しだけ整理していきます。
流れ③:なぜそう感じたのかを整理する(理由は“後づけ”でOK)
気持ちを書けたら、
次はその気持ちがなぜ生まれたのかを考えます。
ここで止まりやすい人が多いのですが、
最初に知っておいてほしいのは、
理由はあとから考えても大丈夫ということです。
生活作文では、
「こう感じた → だからこう思った」
と、きれいに整理されていなくても問題ありません。
むしろ、
最初から理由を考えようとすると、
・ちゃんとした理由を書かなきゃ
・先生に納得してもらえる理由じゃないと
・正しい考えを書かないと
と考えすぎて、
一気に意見文っぽくなってしまいます。
ここでやるべきことは、
考えを立派にまとめることではありません。
たとえば、
・前にも同じようなことがあったから
・自分だけ損している気がしたから
・周りの反応が気になったから
このくらいの理由で十分です。
「なぜだろう?」と一度立ち止まって、
自分の中で思い当たることを言葉にする。
それだけで、生活作文としての流れは保たれます。
もし理由がうまく出てこないときは、
「その出来事の、どこが気になったのか」
「ほかの場面と、何が違ったのか」
と考えてみてください。
気持ち → 理由
この順番で整理できていれば、
話が急に広がったり、
まとめに飛んでしまうことは少なくなります。
次は最後の流れ、
今の自分にどう残ったかを考えていきます。
流れ④:今の自分にどう残ったかで閉じる(結論じゃなく“残り方”)
最後に考えるのは、
その出来事や気持ちが、今の自分にどう残っているかです。
ここで多いのが、
いきなり「まとめよう」としてしまうことです。
・これからは〇〇したい
・〇〇は大切だと思いました
・だから〇〇すべきだと思います
こうした書き方になると、
生活作文というより、
意見文に近づいてしまいます。
生活作文の終わりに必要なのは、
立派な結論や教訓ではありません。
たとえば、
・前より少し気にするようになった
・まだ答えは出ていないけど、考えるきっかけになった
このように、
「今の自分に残っている感覚」を書くだけで十分です。
大事なのは、
話を広げたり、正解を出したりしないこと。
あくまで、
出来事 → 気持ち → 理由
という流れを通ってきた自分が、
今どう感じているかで静かに終わらせます。
「これでいいのかな?」と思ったら、
無理に言い切ろうとしなくて大丈夫です。
言い切らない終わり方こそ、
生活作文らしい締めになります。
生活作文のまとめ方については、
意見文にならない終わらせ方をまとめた記事で、
もう少し具体的に整理しています。
最後の一文で迷いやすい人は、
そちらも参考にしてみてください。
4つの流れでもズレるときのチェックポイント
4つの流れを意識していても、
書いている途中で
「なんだか変かも?」
と感じることはあります。
そんなときは、
文章を全部書き直そうとする前に、
次のポイントを確認してみてください。
出来事がいつの間にか2つ以上になっていないか
最初は1つの出来事を書いていたのに、
途中で別の日の話や、
似たエピソードを足してしまうと、
流れが崩れやすくなります。
「これは最初に決めた出来事と同じ場面か?」
と一度立ち止まってみましょう。
気持ちより説明が長くなっていないか
状況説明が続いているのに、
自分の気持ちがほとんど出てこない場合、
読み手には「何の作文か」が伝わりにくくなります。
説明が増えてきたと感じたら、
気持ちの段階に戻るのが効果的です。
急に「みんな」「一般的に」という話になっていないか
途中から、
・みんなは〜だと思う
・一般的には〜
・社会では〜
と書き始めると、
生活作文は一気に意見文寄りになります。
この場合は、
「自分の話に戻す」ことを意識してください。
まとめようとして、言い切りすぎていないか
最後に近づくと、
つい「正しいことを書こう」として、
言い切った表現になりがちです。
たとえば、
・だから〇〇は大切だと思いました
・これからは必ず〇〇しようと思います
・〇〇すべきだと感じました
こうした書き方は、
内容が間違っているわけではありませんが、
生活作文としては少し強すぎる場合があります。
迷ったときは、
「結論」を出そうとせず、
今の自分がどう感じているかに戻ってみてください。
・前より少し〇〇を意識するようになった
・〇〇について、考えるきっかけになった
このくらいで止めておくと、
無理にまとめすぎず、
自然な締め方になります。
ズレを感じたときは、
前に戻ることは失敗ではありません。
今どの流れを書いているのかを確認する。
それだけで、
文章は立て直しやすくなります。
生活作文を最後まで書き切るためのコツ(不安になったときの戻り方)
生活作文を書いていると、
途中で
「このまま続けていいのかな」
「なんか違う気がする…」
と不安になることがあります。
でも、その時点で
作文が失敗しているわけではありません。
考え方の戻り方を知っているかどうかが、
最後まで書けるかを分けます。
まず覚えておいてほしいのは、
不安になったら、前に進まなくていいということです。
無理に続きを書こうとすると、
話が飛んだり、
まとめに逃げたりして、
かえってズレやすくなります。
そんなときは、
次の2つを確認してみてください。
今、自分は4つの流れのどこにいるか
・出来事
・気持ち
・理由
・残り方
まずは、
今どの段階を書いているのかをはっきりさせます。
もし分からなくなったら、
直前の一文を見て、
「これは出来事の話か、気持ちの話か」
と自分に聞いてみてください。
それだけで、
書くべき方向が見えやすくなります。
1文だけ戻って、書き直す
大きく消したり、
最初から書き直す必要はありません。
不安になった場所の
1文手前に戻って、
・そのとき、何を感じていたか
・なぜ、そこが気になったのか
を、
一文だけ足してみてください。
それだけで、
流れが自然につながることはよくあります。
生活作文は、
止まりながら書いていい作文です。
途中で戻って、
考え直して、
また進む。
この繰り返しで問題ありません。
もし最後の一文で迷ったら、
まとめ方だけを整理した記事もあります。
「言い切らなくていい終わり方」を知っておくと、
気持ちがかなりラクになります。
4つの流れを
完璧に守る必要はありません。
ズレたら戻れると分かっていれば、
生活作文は最後まで書き切れます。
