「おうちの人からひとこと」の欄に、毎回何を書いたらいいのか悩んでしまう…そんな経験はありませんか?
通知表や休み明けのプリントなどで、保護者のコメントを書く機会は意外と多いものです。でも、いざ書こうとすると「毎回同じようなことになってしまう」「短すぎてもいいのかな」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、この「おうちの人からひとこと」は、先生に家庭での様子を伝えるだけでなく、お子さんにとっても大切な励ましの言葉になります。ほんの一言でも「頑張っているね」「助かっているよ」と書いてもらえると、子どもは「ちゃんと見てもらえている」と安心し、自信につながります。
この記事では、書き方の基本ルールや、通知表・休み明け・生活習慣などの場面別に使える例文をご紹介します。さらに通知表については、幼稚園から中学生までの学年別に参考になる文例をまとめました。
「どう書いたらいいかわからない」という悩みを少しでも軽くして、安心して書けるようになるお手伝いができれば嬉しいです。
「おうちの人からひとこと」とは?書く意味と基本ルール
「おうちの人からひとこと」という欄は、先生に家庭での様子を伝えるだけのもの…と思われがちですが、それ以上に大切な意味があります。
まず、学校と家庭をつなぐ「橋渡し」の役割です。学校での姿と家庭での姿は少し違うこともあります。家庭での頑張りや成長を先生に伝えることで、学校側もお子さんをより深く理解できるようになります。
もうひとつは、お子さんへの「励ましのサイン」になるということです。
短いコメントでも、「見てくれている」「認めてくれている」と感じられると、子どもは安心し、自信を持って次の学期に取り組むことができます。
書くときの基本ルールはとてもシンプルです。
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短くまとめる
長文を書く必要はありません。2〜3行程度で十分です。 -
前向きな言葉を使う
「できていない」よりも「少しずつできるようになってきた」と表現すると温かい印象になります。 -
シンプルに伝える
難しい言い回しや回りくどさは不要です。誰が読んでもわかる簡潔な表現を心がけましょう。
家庭コメントの3つの鉄則
「おうちの人からひとこと」を書くときに迷ったら、この3つの鉄則を意識すると安心です。
1. 良いことだけを書く
家庭コメントは、お子さんを応援するための欄です。欠点や叱りたいことを書くと、先生に不要な先入観を与えてしまうこともあります。
「楽しく過ごせたこと」「頑張っていたこと」など、良い面を中心に書きましょう。
2. 家庭での具体的な様子を入れる
「頑張りました」だけよりも、「毎日欠かさず音読を続けていました」「下のきょうだいのお世話をしてくれました」といった具体的な行動を書くと、先生にも伝わりやすくなります。
お子さん自身も「見てもらえている」と感じられて、励みになります。
3. 感謝や次学期への期待で締める
最後に「先生への感謝」や「次の学期もよろしくお願いします」と添えると、読み手に丁寧な印象を与えます。
「家庭でも応援しています」「来学期も成長を楽しみにしています」などの一言で、前向きな気持ちを伝えられます。
この3つを押さえておけば、毎回同じような言葉になってしまう…という不安も和らぎ、安心してコメントを書けるはずです。
通知表に使える例文集(学年別)
通知表の「おうちの人からひとこと」は、特に多くの保護者が悩むポイントです。
ここでは、学年ごとに使いやすい例文をまとめました。お子さんの学年にあわせて、そのまま使ったりアレンジしてみてください。
幼稚園・小学校低学年向け
短くやさしい表現で、「頑張っていたこと」を素直に伝えるのが安心です。
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毎日元気に登園できるようになり、成長を感じています。
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音読を楽しそうに続けられていて、家庭でも応援しています。
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お友だちと仲良く遊べるようになり、とても嬉しく思います。
小学校高学年向け
少し具体的に努力や成果を書いてあげると、子どもの自信につながります。
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苦手だった漢字練習を毎日続け、少しずつ自信がついてきたように感じます。
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学級委員として責任を持って取り組む姿に、親としても頼もしさを感じました。
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苦労しながらも最後までやり抜こうとする姿勢を、これからも見守っていきたいです。
中学生向け
勉強や部活動など、より主体的に取り組む姿を評価しつつ、先生への配慮も含めると良い印象になります。
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部活動と勉強を両立しようと努力している姿を、家庭でも支えています。
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苦手科目にも前向きに挑戦し、先生方のご指導に感謝しております。
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将来に向けて、自分で計画を立てながら進める力が少しずつ育ってきたように思います。
学年が上がるにつれて、「短くやさしい言葉」から「具体的で丁寧な表現」へと少しずつ変えていくのがポイントです。
休み明けのプリント向け例文
夏休みや冬休みの宿題プリントにも、「おうちの人からひとこと」を書く欄があります。
ここでは、休み期間中の取り組みや行事に合わせた例文をご紹介します。
夏休みの様子
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毎日ラジオ体操に参加し、早寝早起きの習慣を守ることができました。
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苦手な計算ドリルにも毎日コツコツ取り組む姿を見て、成長を感じました。
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家族で旅行に行き、自然にふれあう体験を楽しそうにしていました。
冬休みの様子
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お正月の行事を通して、家族との時間を大切に過ごすことができました。
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書き初めの練習に集中して取り組み、きれいな字が書けるようになりました。
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寒い中でも外で元気に遊び、体力づくりを頑張っていました。
行事(運動会・発表会など)
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運動会ではリレーで一生懸命走る姿に感動しました。努力の成果が出せたと思います。
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学芸会では大きな声でセリフを言うことができ、本人も自信になったようです。
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音楽会に向けて毎日練習していた成果がしっかり発揮できたと思います。
休み明けのコメントは、「休み中に頑張ったこと」「家族と過ごした経験」「行事での成長」を一言添えると、前向きで温かい印象になります。
生活習慣や課題に関する例文
日々の生活や家庭学習に関する取り組みも、「おうちの人からひとこと」に書くと先生に伝わりやすくなります。ここでは、生活習慣や課題に関する例文をいくつかご紹介します。
歯磨き・早寝などの生活習慣
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毎晩の歯磨きを忘れずに続けられるようになりました。
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早寝早起きを心がけ、朝の準備もスムーズにできるようになっています。
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自分から身の回りのことを整える習慣が少しずつ身についてきました。
家庭科・料理の課題
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家でお味噌汁づくりに挑戦し、家族にふるまうことができました。
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包丁の使い方を学び、安全に気をつけながら料理に取り組んでいました。
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家事の手伝いを通して、少しずつ責任感が育ってきたように感じます。
読書や勉強習慣
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毎日少しずつ読書を続け、感想を話してくれるようになりました。
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宿題を自分から進んで取り組む姿勢が見られるようになっています。
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苦手な計算にも繰り返し挑戦し、努力を重ねている様子が伝わってきます。
このように、生活や学習の小さな取り組みを書くだけでも十分です。先生にとっては「家庭での成長」が伝わり、お子さんにとっては「見てくれている」と感じられる大切なメッセージになります。
避けたいNG表現とその言い換え例
「おうちの人からひとこと」は、子どもを励ますためのものです。
つい日常の口調で書いてしまうと、先生に厳しく伝わってしまったり、お子さんが読んで気持ちが沈んでしまうこともあります。ここでは、避けたい表現と、その言い換え例を紹介します。
ネガティブな指摘は避ける
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NG例:「全然集中できません」
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言い換え:「集中できる時間が少しずつ増えてきました」
感情的な書き方は控える
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NG例:「何度言っても宿題をやりません」
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言い換え:「宿題に取り組むまで時間がかかることもありますが、取り組み始めると一生懸命やっています」
比較して落ち込ませない
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NG例:「お姉ちゃんに比べて全然ダメです」
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言い換え:「自分のペースで努力を続けている姿を見守っています」
このように、否定的な表現をそのまま書くのではなく、少しでも前向きに言い換えることで、お子さんも先生も安心して受け止められるコメントになります。
まとめ
「おうちの人からひとこと」は、ただの形式的なコメント欄ではなく、子どもを励ますメッセージであり、先生に家庭での様子を伝える大切な機会です。
毎回同じような内容になってしまっても大丈夫。大切なのは、「良いところを見て伝える」「具体的な様子を書く」「感謝や期待で締める」という鉄則を意識することです。
通知表の場合は、学年ごとに表現を少し変えるとより伝わりやすくなりますし、休み明けや生活習慣に関するコメントも、短い一言で十分に温かさを届けられます。
難しく考えず、普段の小さな成長や努力をそのまま書くだけで、お子さんにとっては大きな励みになります。
「見てもらえている」「認めてもらえている」――その実感こそが、次の学期への自信につながります。