
標語の宿題が出たけれど、
「何を書けばいいの?」「うまくまとまらない…」
そんなふうに悩む人は多いのではないでしょうか。
作文や感想文と違って、標語は短い言葉で気持ちを伝える表現。
簡単そうに見えて、実は言葉選びがむずかしい課題です。
でも大丈夫です。
標語は“特別な言葉”を使うよりも、
身近な出来事や日常の気づきを短くまとめるだけで十分。
伝えたい思いをそのまま言葉にするほうが、
心に残る作品になります。
この記事では、学校で出されやすい定番テーマ(人権・交通安全・環境・あいさつ・SNSマナー)をもとに、書きやすい標語の作り方と例文を紹介します。
五・七・五のリズムや、呼びかけの言葉など、
ちょっとしたコツをつかめば、きっと自分らしい一行が作れますよ。
標語とは?短い言葉で気持ちを伝える表現

「標語(ひょうご)」とは、
大切なことを短い言葉で呼びかける表現のことです。
たとえば、
「交通安全」「あいさつ」「環境」など、
学校や地域でポスターと一緒に掲示されている言葉を見たことがあるかもしれません。
それが、まさに標語です。
標語は、作文のように長く説明するのではなく、
短くても心に残る一言を目指します。
見る人が「なるほど」と感じたり、
「やってみよう」と思える言葉になると理想的です。
また、標語はスローガン(合言葉)とも似ています。
でも、スローガンが団体や目標を表すのに対し、
標語は身近な生活の中の思いや気づきを表すことが多いのが特徴です。
たとえば、
「赤信号 わたる勇気より まつ勇気」や
「おはようで ひびく笑顔の 第一歩」など、
身近な場面をもとに短い言葉でまとめたものは、
どれも立派な標語です。
テーマを決めるコツ|学校で出やすい題材から考えよう

標語を書くときにまず迷うのが、「テーマをどう決めるか」です。
いきなり自由に考えるのは難しいですが、
実はほとんどの学校では、あらかじめ出されるテーマや決まりやすい題材があります。
たとえば、次のようなテーマは毎年多くの学校で扱われています。
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人権・思いやり(友だちとの関係、いじめ防止など)
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交通安全・防犯(登下校・地域の安全)
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環境・エコ(ゴミ・電気・自然を守る行動)
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あいさつ・マナー(学校生活・家庭での礼儀)
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SNS・ネットマナー(スマホ・ネットの使い方)
これらはすべて、私たちが日常の中で感じたことや体験したことをもとに考えられるテーマです。
たとえば「友だちと助け合った出来事」や
「通学路で気をつけていること」など、
身近なエピソードから考えると、自然に自分の言葉が出てきます。
また、標語には「正しい答え」はありません。
自分が「大事だな」と思うことを短い言葉にすれば、それが一番のテーマになります。
書きやすくする3つのコツ(型を知ればすぐ作れる)
標語は短い言葉でまとめるぶん、
「どう並べればきれいに聞こえるのか」が大切になります。
ここでは、初心者でもまねしやすい**3つの型(パターン)**を紹介します。
① 五・七・五のリズムを意識する
標語は、俳句のようにリズムが良い言葉ほど印象に残ります。
たとえば、
あいさつで ひろがる笑顔 つながる心
のように「五・七・五」のリズムでまとめると、声に出しても気持ちよく読めます。
文字数をきっちり合わせる必要はありませんが、
「短い・長い・短い」のリズムを意識するだけで、ぐっと自然になります。
② 呼びかけの言葉を入れる
聞く人の心に届きやすくするには、
「〜しよう」「〜しようね」「〜しよう!」のような呼びかけの形がおすすめです。
たとえば、
やさしさを 言葉にのせて 伝えよう
のように、少し前向きな気持ちを込めると温かい印象になります。
③ 行動+結果の形にする
標語は、「何をしたらどうなるか」を一文で伝えるとわかりやすくなります。
手をあげて 止まる車と 守る命
のように、「行動(手をあげて)」と「結果(命を守る)」を組み合わせると、自然とメッセージ性が生まれます。
難しく考えず、
「自分が大事にしたいこと」や
「いつも気をつけていること」を、
この3つの型のどれかにあてはめてみましょう。
それだけで、書きやすくて伝わる標語になります。
テーマ別|書きやすい標語例と作り方のヒント

人権・思いやり・いじめ防止
人を思いやる気持ちや、
いじめをなくすための行動をテーマにした標語は、
毎年、多くの学校で募集される定番テーマです。
ポイントは、
「優しい言葉」や「相手の立場で考える気持ち」を、やわらかい表現で伝えること。
難しい言葉を使うよりも、心に届く一言を大切にしましょう。
✳️書きやすい標語の例
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そのひとこと だれかの心に ひかる朝
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見て見ぬふりより 見守る勇気
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ちがいこそ みんなをつなぐ 力になる
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やさしさは 言葉にしなきゃ 伝わらない
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みんな違って みんな大切 それでいい
💡作り方のヒント
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自分や友だちの体験をもとに考えると自然に書けます。
(例:「友だちを助けた」「うれしかった言葉を思い出す」など) -
「思いやり」「助け合い」「認め合い」など、
前向きな言葉を中心にすると、伝わりやすく温かい印象になります。 -
“注意”や“禁止”よりも、“こうしたい”という希望の形にすると、読む人の心に残ります。
交通安全・防犯
登下校や外出のときに気をつける「交通安全」や「防犯」も、学校や地域の標語でよく出されるテーマです。
ポイントは、「命を守る行動」や「勇気ある判断」をわかりやすい言葉で伝えること。
注意やルールを並べるより、「こうすれば安全になる」という前向きな形にすると印象が良くなります。
✳️書きやすい標語の例
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赤信号 わたる勇気より まつ勇気
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手をあげて 止まる車と 守る命
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「いか・の・お・す・し」 合言葉で 守る自分
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あぶないよ その一言で 救える命
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ヘルメット かぶるその手が 命の守り
💡作り方のヒント
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具体的な行動+結果の形にすると、説得力が出ます。
(例:「手をあげて → 守る命」「声をかけて → 事故を防ぐ」) -
防犯の標語では、「知らない人についていかない」「大人に知らせる」など、
日常で意識していることをそのまま言葉にするのがおすすめです。 -
「勇気」「命」「守る」など、前向きで力強い言葉を入れると締まりのある標語になります。
環境・エコ
地球の環境を守ることや、節電・リサイクルなどの「エコ」をテーマにした標語も、夏休みの課題や地域のポスター募集などでよく出されます。
大切なのは、「自分にできること」から考えること。
大きなことを書こうとせず、身近な行動をポジティブに表現するだけで十分です。
「小さな一歩が未来につながる」――そんなイメージで言葉を選ぶと書きやすくなります。
✳️書きやすい標語の例
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ゴミひとつ ひろうあなたが まちのヒーロー
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スイッチを 切る手のひらに 地球の未来
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マイボトル 小さな一歩が 大きな森に
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水の音 未来へつなぐ しずくの輪
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リサイクル わたしの手から 広がる地球
💡作り方のヒント
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「ゴミ」「電気」「水」など、具体的なものを入れるとイメージが浮かびやすくなります。
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「○○をする → 地球(未来)が良くなる」という構成で考えると、自然とリズムも整います。
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「エコ」「自然」「未来」などのキーワードを使うと、環境テーマらしい印象に。
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難しい言葉を使うより、小学生でも理解できる簡単な語でまとめるのがコツです。
あいさつ・マナー
「あいさつ」や「思いやりのある行動」は、
学校生活や家庭での目標にもよく取り上げられるテーマです。
毎日の小さな言葉づかいやふるまいの中に、
人との関係をあたたかくするヒントがたくさんあります。
標語にするときは、
「言葉+行動+結果」の形で考えると、
自然にリズムのある一文になります。
✳️書きやすい標語の例
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おはようで ひびく笑顔の 第一歩
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ありがとう 伝えるだけで 近づく心
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ゆずる道 広がる笑顔 まちの声
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あいさつは 心をひらく 魔法の言葉
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ごめんなさい その一言で 仲直り
💡作り方のヒント
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「あいさつ」「ありがとう」「ゆずる」「笑顔」など、前向きな行動の言葉を入れると明るい印象に。
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「あいさつ=人と人をつなぐ合言葉」と考えて作ると、自然と温かい内容になります。
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実際にうれしかった言葉や、勇気を出して話しかけた経験をもとに書くと、自分らしい標語になります。
SNS・ネットマナー
スマートフォンやタブレットを使う機会が増え、
「SNSやネットでのマナー」をテーマにした標語も多く見られるようになりました。
ネットの世界は便利ですが、使い方を間違えると
相手を傷つけたり、トラブルになることもあります。
このテーマでは、
「相手の気持ちを考える」「使い方を工夫する」など、
思いやりのあるネットの使い方を伝える言葉にまとめましょう。
✳️書きやすい標語の例
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その投稿 画面の向こうに いるだれか
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スマホより 目の前の人に 笑顔をどうぞ
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送る前 一度深呼吸 もう一度
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ネットにも やさしさ流す その指で
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つぶやきも 言葉の橋で つながって
💡作り方のヒント
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ネットを使うときの自分の体験や反省をもとにするとリアルな内容になります。
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「送る」「見る」「書く」など、行動を表す動詞を使うと、状況が伝わりやすくなります。
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「思いやり」「笑顔」「心」などの言葉を加えると、
オンライン上でも温かさを感じる標語になります。
まとめ|短い言葉でも気持ちは伝わる
標語は、短い言葉の中に自分の思いや考えを込める表現です。
むずかしく考える必要はありません。
大切なのは、「どんな気持ちを伝えたいか」という部分です。
人を思いやること、安全に気をつけること、環境を守ること――
どのテーマも、日常の中で感じたことをそのまま言葉にすれば大丈夫。
短くても、心のこもった言葉はきっと見る人の心に届きます。
最初は例文をまねしてみても構いません。
自分の体験や感じたことを少しずつ加えていけば、
世界にひとつだけの“自分らしい標語”になります。
学校の課題として書くときも、
コンクールに応募するときも、
「うまく言おう」とするより、素直な気持ちをそのままに。
それが、いちばん伝わる標語の作り方です。
