雨の日は気分も沈みがちになりますよね。そんなとき、相手から届く一通のメールに「お足元にお気をつけて」や「雨の中ありがとうございます」といった気遣いの言葉が添えられていると、少し心が和んだり、「この人は丁寧だな」と良い印象を持つ方も多いはずです。
ビジネスシーンでは、取引先への連絡や会議の案内、訪問後のお礼など、日常的にメールをやり取りする場面がたくさんあります。内容そのものは事務的な連絡でも、雨などの悪天候に配慮したひとことを添えるだけで、相手への思いやりが伝わります。
一方で、「お足元にお気をつけて」という表現は古いのでは?とか、相手が上司やお客様のときに使って大丈夫?と迷う方も少なくありません。この記事では、そんな疑問を解決できるよう、定番フレーズや避けたいNG表現、シーン別の文例などを分かりやすく紹介していきます。
雨の日のビジネスメールでよく使うフレーズと注意点
雨の日にビジネスメールを書くとき、よく使われる表現はいくつかあります。ここでは代表的なフレーズを取り上げ、それぞれの使い方や注意点をやさしく解説します。
「お足元にお気をつけて」は古い?今でも使える?
もっとも定番なのが「お足元にお気をつけて」です。雨で道が滑りやすいときや、移動が大変なときに「気をつけてくださいね」という思いを込めた表現です。
「古臭いのでは?」と心配する方もいますが、今でもビジネスシーンでよく使われています。特に来社をお願いするときや、訪問後のお礼に添えると自然です。
注意点は、あまり繰り返し使いすぎないこと。本文や結びの言葉に一度添えるだけで十分です。
「あいにくのお天気ですが…」の無難さと工夫
もう一つよく使われるのが「本日はあいにくのお天気ですが…」という書き出しです。
誰にでも伝わりやすく、失礼にあたらない便利な表現ですが、そのままではやや事務的に聞こえることもあります。
例えば、
例文
「本日はあいにくのお天気ですが、どうぞお気をつけてお越しください。」
と続けると、ただの天気の報告ではなく、相手を気遣う一言に変わります。
「ご自愛ください」「ご足労いただき…」の使いどころ
「ご自愛ください」は体調面を気遣う定番フレーズです。梅雨時など体調を崩しやすい時期に使うと自然で、結びの言葉としてもぴったりです。
一方、「ご足労いただき…」は、雨の中で来社してもらったことへの感謝を表すときに使います。目上の方や取引先に対しても問題なく使える丁寧な言葉です。
ただし、「ご足労おかけします」とお願いの前に使うと「わざわざ来てもらう」ニュアンスが強まるので、相手の立場を考えて使い分けましょう。
雨の日のメールで避けたいNG表現
雨の日に気遣いの言葉を添えるのは大切ですが、表現を間違えるとかえって失礼になったり、重たい印象を与えてしまうこともあります。ここでは、気をつけたい代表的なNG表現を紹介します。
目上に「ご苦労様です」はNG
「ご苦労様です」は基本的に目下の人に対して使う言葉です。
そのため、上司や取引先に「雨の中ご苦労様です」と送ると失礼にあたります。
代わりの表現
「お足元の悪い中ありがとうございます」や「雨の中お越しいただき感謝いたします」が安心です。
過剰すぎる気遣いはかえって重い
「雨で大変な中、ご無理をなさらず、くれぐれも体調を崩されませんように…」など、気遣いを重ねすぎると相手に重苦しく感じられることもあります。
ポイント
ひとこと添える程度で十分。大切なのは「相手に配慮している姿勢」であり、文章量の多さではありません。
天気の話題ばかりで本題がぼやけるケース
「今日は雨ですね。雨の日は気分も沈みますよね。ところで…」と、天気の話題が長くなると、本題が分かりにくくなります。
工夫
天候の一言は冒頭か結びに添えて、メールの中心はあくまで用件に置くようにしましょう。
シーン別|雨の日に使えるビジネスメール文例
雨の日にメールを送るときは、相手の状況やシーンに合わせて表現を選ぶと、より自然に気遣いが伝わります。ここでは、よくある場面ごとに例文をご紹介します。
来訪前の案内メール
取引先やお客様に来社をお願いするとき、雨で移動が大変になることを考えてひとこと添えると丁寧です。
例文
「本日はあいにくのお天気とのことですが、どうぞ道中お気をつけてお越しください。」
訪問後の御礼メール
相手が雨の中、わざわざ足を運んでくれた場合は、感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。
例文
「お足元の悪い中をご来社いただき、誠にありがとうございました。」
会議・出張など予定調整のメール
雨で交通機関の遅れや移動の負担が増えるときは、無理のない対応を促す表現が安心感につながります。
例文
「悪天候の影響もございますので、どうぞご無理のない範囲でご調整いただければ幸いです。」
台風や豪雨など特別な悪天候のときの表現
被害が出るような大雨や台風の場合は、通常の気遣いよりもさらに慎重な表現が必要です。
例文
「台風の影響で大変な状況かと存じます。何よりも安全を最優先にしていただきますようお願い申し上げます。」
迷いやすいポイントと対処法
雨の日のメールでは、どの表現が適切か判断に迷うこともあります。ここでは、よくある疑問を取り上げて、安心して使える対処法をご紹介します。
「雨の日に気遣いを入れないと失礼?」
必ずしも「雨だから何か一言入れなければ」と身構える必要はありません。
ただ、訪問や来社をお願いするときや、相手が移動を伴うと分かっている場合は、一言添えるだけで丁寧な印象になります。
対処法
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案内メール → 「本日はあいにくのお天気ですが、どうぞお気をつけてお越しください。」
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御礼メール → 「お足元の悪い中、誠にありがとうございました。」
「大雨のとき訪問依頼メールはどう書く?」
大雨や荒天での訪問依頼は、相手に負担をかけてしまう可能性があります。単に「来てください」ではなく、安全への配慮を示すことが大切です。
例文
「本日は大雨の予報も出ておりますので、ご無理のない範囲でお越しいただければ幸いです。」
「相手から『あいにくのお天気で』と来たらどう返す?」
相手が天気に触れた場合、こちらも軽く受け止めて返すのが自然です。大げさに反応する必要はなく、共感を示す程度で十分です。
返し方の例
「本当にあいにくのお天気ですね。どうぞ道中お気をつけてお越しください。」
ニュアンス比較で選びたい言葉
雨の日のメールでよく使われる言葉には、似ているようで少しずつニュアンスの違いがあります。言い回しを変えるだけで、相手に与える印象も変わるので、使い分けを意識するとより丁寧なメールになります。
「お足元」 vs 「道中」 vs 「ご足労」
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お足元にお気をつけて
→ 来社や訪問の場面でよく使う定番。相手が移動してくれることへの配慮を表す。 -
道中お気をつけて
→ 少し柔らかく、社内や親しい相手にも使いやすい。ビジネスでも問題なし。 -
ご足労いただき…
→ 既に来てもらった後に感謝を伝えるときに使う。お願いの文脈では「わざわざ来てもらう」ニュアンスが出るので注意。
「あいにくの天候」 vs 「天候不順」 vs 「荒天」
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あいにくの天候
→ 一般的で無難な表現。冒頭の挨拶に添えるのに適している。 -
天候不順
→ 少しかたい印象。梅雨や長雨が続く時期に使うと自然。 -
荒天
→ 台風や豪雨など特に強い雨のときに使う。大げさになりやすいので、状況に応じて。
フォーマル度を変える語尾・結びの一言
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フォーマル寄り
「ご無理のないようお願い申し上げます。」
「ご来社の際は、くれぐれもお気をつけくださいませ。」 -
カジュアル寄り
「どうぞお気をつけてお越しください。」
「雨の中ですが、無理のないようにしてくださいね。」
👉 同じ内容でも、言葉選びでフォーマル度を調整できるので、相手との関係に合わせて選びましょう。
すぐに使えるテンプレート集(コピペOK)
ここまで解説してきた内容をふまえて、すぐに使えるメール文例をまとめました。必要に応じてアレンジすれば、そのままコピペしても活用できます。
来訪前の案内メール
例文
「本日はあいにくのお天気ですが、どうぞ道中お気をつけてお越しください。」
訪問後の御礼メール
例文
「お足元の悪い中をご来社いただき、誠にありがとうございました。」
会議・出張など予定調整メール
例文
「悪天候の影響もございますので、どうぞご無理のない範囲でご調整いただければ幸いです。」
大雨・台風など特別な悪天候時
例文
「台風の影響で大変な状況かと存じます。何よりも安全を最優先にしていただきますようお願い申し上げます。」
👉 迷ったときは、まずはこのテンプレートを使ってみてください。その後、相手との関係やシーンに合わせて少し手を加えれば、十分に丁寧で自然なメールになります。
まとめ
雨の日のビジネスメールでは、ちょっとした一言を添えるだけで、相手に「気にかけてくれているんだな」と思ってもらえます。内容はシンプルでも、悪天候の中で移動や訪問をお願いするときには大きな安心感につながります。
この記事のポイントを3つにまとめると次の通りです。
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雨の日のメールは一言添えるだけで印象が変わる
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定番フレーズは今でも十分に使える
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相手の立場に合わせた言葉選びが信頼を深める
明日からのメール作成で、ぜひ一言の気遣いを取り入れてみてください。悪天候の中でも、あなたの丁寧さや誠実さがきっと伝わり、ビジネスの関係がより良いものになるはずです。