
「押印をお願いします」って、そのまま言って失礼じゃないかな——そんな不安を感じたことはありませんか?
上司に書類を持っていくとき、取引先にメールを送るとき、ふとした場面で言葉に迷うことがありますよね。
この記事では、「押印をお願いします」が敬語として正しいかどうかをまず整理したうえで、上司への社内依頼から取引先へのメール文例まで、すぐに使える表現をまとめてご紹介します。
「押印をお願いします」は敬語として正しい?
結論から言うと、「押印をお願いします」は敬語として間違いではありません。ビジネスの場でも十分に通用する表現です。
ただし、相手が上司や取引先の場合は、もう一段丁寧な言い方にするのがおすすめです。「お願いします」は丁寧語ではありますが、目上の方には少しあっさりした印象を与えることもあります。
より丁寧な言い方の例
- ご押印をお願いいたします
- ご押印いただけますでしょうか
- ご押印いただけますと幸いです
- ご押印のほど、よろしくお願い申し上げます
一方、以下のような言い方は命令形に聞こえてしまうため、上司や取引先には避けたほうが無難です。
避けたい表現
- 押印してください
- 押印お願いします(「を」が抜けた形)
- 押印よろしくです
「押印をお願いします」自体は問題ない表現ですが、シーンに合わせて上の丁寧な表現に言い換えることで、より好印象を与えられます。
「押印」と「捺印」どちらを使えばいい?
押印依頼の場面では「押印」と「捺印」、どちらの言葉を使えばいいか迷うことがあるかもしれません。まずそれぞれの意味を簡単に整理します。
- 押印:記名(印刷や代筆など自筆以外の署名)に加えて印鑑を押すこと
- 捺印:自筆による署名に加えて印鑑を押すこと
つまり厳密には、自分で名前を書いた書類なら「捺印」、印刷された名前の横に押すなら「押印」が正確な使い方です。
とはいえ、実務の現場ではどちらを使っても通じます。取引先も上司も、言葉の違いで困ることはほぼありません。悩んだときは「押印」を使っておけば問題ないでしょう。公的な書類や法令でも「押印」が広く使われています。
なお、契約書などでよく見かける「署名捺印」という言葉は、「自筆で署名し、印鑑も押す」という意味です。セットで覚えておくと便利です。
上司に押印をお願いするとき——社内での伝え方
上司への押印依頼は、取引先へのメールとは少し勝手が違います。口頭で直接お願いするケースも多いですし、社内メールで送る場合も、社外向けほどかしこまりすぎない自然な表現が求められます。
口頭での声かけ例
書類を持参して直接お願いするときは、書類の内容と押印箇所をひと言添えるとスムーズです。
- 「〇〇の申請書類です。2枚目の承認欄にご押印いただけますでしょうか」
- 「ご確認いただいたうえで、こちらにご押印をお願いいたします」
付箋を使う場合
書類に付箋を貼って回覧するときは、簡潔な一言を書き添えましょう。
- 「ご押印をお願いいたします」
- 「〇枚目の承認欄にお願いします」
社内メールの文例
件名:〇〇申請書のご確認・押印のお願い
〇〇部長
お疲れさまです。〇〇です。〇〇の申請書を添付いたしました。
ご確認いただき、2枚目の承認欄にご押印のうえ
ご返送いただけますと幸いです。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
期日がある場合は「〇月〇日までにご対応いただけますと助かります」とひと言添えると、相手も動きやすくなります。
取引先に押印をお願いするメール文例
取引先への押印依頼メールは、書類の内容・押印箇所・返送方法の3点を明確に伝えるのが基本です。相手に手間をかけることへの配慮も忘れずに添えましょう。
契約書を郵送する場合
件名:〇〇契約書のご確認・押印のお願い
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。このたびの〇〇契約書を2部郵送いたしました。
内容をご確認いただき、各書類の署名捺印欄に
ご押印のうえ、1部をご返送いただきますよう
お願い申し上げます。お手数をおかけしますが、
〇月〇日までにご対応いただけますと幸いです。ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
書類をメール添付で送る場合
件名:〇〇書類のご確認・押印のお願い
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。〇〇の書類を添付にてお送りいたします。
内容をご確認いただき、2枚目の押印欄に
ご押印のうえ、ご返送いただけますと幸いです。お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
社印をお願いする場合
個人の印鑑ではなく会社の印鑑が必要な書類には、その旨を明示しておくとトラブルを防げます。
- 「恐れ入りますが、社印でのご対応をお願いいたします」
- 「こちらの書類は社印が必要となりますので、ご確認のうえご押印いただけますと幸いです」
丁寧さが伝わる一言を添えるコツ
押印依頼は相手に手間をかけるお願いごとです。本文の表現が正しくても、一言の気遣いがあるかどうかで印象はずいぶん変わります。
クッション言葉を活用する
依頼文の前にひと言添えるだけで、柔らかい印象になります。
- 「お手数をおかけしますが」
- 「ご多忙のところ恐れ入りますが」
- 「突然のご連絡となりまして恐縮ですが」
期日はソフトに伝える
期日を伝えるときも、命令調にならないよう言い回しに気をつけましょう。
- 「〇月〇日までにご対応いただけますと幸いです」
- 「お手すきの際にご確認いただけますと助かります」
- 「ご都合のよいタイミングでお願いできますでしょうか」
ただし、急ぎの場合はあいまいにせず「〇日までにいただけますと大変助かります」と具体的に伝えるほうが親切です。
やりすぎに注意
丁寧にしようとするあまり、クッション言葉を重ねすぎると読みにくくなります。
- △「誠に勝手ながら、大変お手数をおかけして誠に恐縮ではございますが」
- 〇「お手数をおかけしますが」
シンプルに一言添えるだけで十分です。
まとめ
この記事では、「押印をお願いします」の使い方から、上司・取引先への依頼表現まで解説しました。最後にシーン別の表現をまとめておきます。
シーン別・すぐに使える表現一覧
- 社内・上司への口頭依頼
「こちらの承認欄にご押印いただけますでしょうか」 - 社内・上司へのメール
「ご確認いただき、ご押印のうえご返送いただけますと幸いです」 - 社外・取引先へのメール
「ご押印のうえ、ご返送いただきますようお願い申し上げます」 - 社印をお願いする場合
「恐れ入りますが、社印でのご対応をお願いいたします」
「押印をお願いします」は敬語として問題ない表現ですが、相手や場面に合わせてひと言丁寧にするだけで、印象は大きく変わります。この記事の表現をそのまま使いながら、少しずつ自分のものにしていただければ幸いです。

