
年賀状を書くとき、
上司あての「ひと言」に迷ったことはありませんか?
「形式的にならないようにしたいけど、失礼があっても困る」
「感謝を伝えたいけど、かたい言葉ばかりになってしまう」
そんなふうに悩む方はとても多いです。
実は、上司への年賀状の一言は、たった数行でも印象を大きく変えるポイントになります。
ほんのひと言添えるだけで、「丁寧な人だな」「気が利くな」と思ってもらえることも多いんです。
この記事では、
フォーマルな言い回しから、
少し親しみのある表現まで、
上司に安心して使える一言メッセージ例をたっぷり紹介します。
手書きで添えるときのコツや、
マナー面での注意点もまとめていますので、
「何を書けばいいかわからない」という方も、このページだけでスッキリ解決できますよ。
上司への年賀状に一言を添える意味とは

印刷されたあいさつ文だけでも、年賀状としてはもちろん十分です。
でも、そこにひと言を添えるだけで、ぐっと温かみのある印象になります。
年賀状の文面はどうしても似たような定型文になりがちですよね。
「昨年はお世話になりました」
「本年もよろしくお願いいたします」など、
誰にでも送れる内容が多いものです。
そんな中で、
あなたからの手書きの一言があるだけで、
「自分のことを思って書いてくれたんだな」と感じてもらえます。
特に上司に対しては、
日頃の感謝や「今年も頑張ります」
という前向きな気持ちを伝えることで、
誠実さや仕事への意欲が自然に伝わるメリットがあります。
たとえば、
「昨年はたくさんのご指導をありがとうございました」
「本年もご期待に応えられるよう努めてまいります」
といった短い一文でも、しっかり心がこもります。
つまり、年賀状の一言は、形式よりも“気持ち”を伝える部分。
上司との関係をより良くするための、ちょっとしたコミュニケーションのチャンスなんです。
まずは基本マナー(3点だけ押さえればOK)
上司あての年賀状に一言を書くときは、
細かいマナーをすべて覚える必要はありません。
実は、3つの基本だけ意識しておけば大丈夫です。
① 句読点は使わないのがマナー
年賀状では、「、」や「。」などの句読点を使わないのが一般的です。
これは、昔から“お祝いごとを区切らない”という意味があるため。
たとえば
「本年もよろしくお願いいたします。」ではなく、
「本年もよろしくお願いいたします」と、最後の点を省きましょう。
気をつけるのはこの程度で十分です。
無理に完璧にしようとしなくても、常識の範囲で丁寧に書けばOKです。
② 賀詞と敬語のバランスを整える
「賀正」「迎春」などの二文字賀詞は、上司や目上の方に対しては控えたほうが無難です。
これは、「略しすぎて失礼になる」と考えられているためです。
フォーマルにしたいときは、
「謹賀新年」「恭賀新年」などの四文字賀詞、
または「明けましておめでとうございます」などの文形式が安心です。
賀詞のあとに続く文章では、
「お世話になりました」「ご指導を賜り」など、
丁寧語や尊敬語を意識するだけで十分上品に仕上がります。
③ 肩書き・敬称を正しく書く
年賀状の宛名や本文で、肩書きや名前を間違えるのは避けたいポイントです。
特に、「部長」と「課長」を混同したり、
名前の漢字を誤ってしまったりすると印象を損ねかねません。
宛名面では
「○○株式会社 営業部 部長 山田太郎様」のように、
会社名 → 部署 → 肩書 → 氏名様の順に書くのが一般的です。
少し手間ですが、ここを丁寧にしておくことで、
全体の印象がぐっと良くなりますよ。
3つのポイントを押さえておけば、
どんな文例を書いても失礼になることはありません。
このあと紹介する「シーン別の一言メッセージ例」を選ぶ前に、ぜひ一度だけ確認しておきましょう。
シーン別|上司への一言メッセージ例
上司への年賀状では、相手の立場や状況に合わせて言葉を選ぶことが大切です。
ここでは、よくあるシーン別に使いやすい一言メッセージを紹介します。
どれもそのまま使える内容なので、気に入ったものを選んでくださいね。
昨年お世話になった上司へ(フォーマル)
感謝の気持ちを伝える定番のパターンです。
ビジネスの場でも安心して使える、落ち着いた表現を選びましょう。
文例:
-
旧年中は格別のご指導を賜り、誠にありがとうございました
-
本年も変わらぬご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます
-
本年も精進してまいります。ご鞭撻のほどお願い申し上げます
-
皆様のご健康とご発展を心よりお祈り申し上げます
昇進した上司へ(敬意とお祝いを込めて)
お祝いの気持ちと、これからもご指導をお願いしたい気持ちを添えるのがポイントです。
文例:
-
ご昇進おめでとうございます。さらなるご活躍をお祈りいたします
-
新しい立場でのご多忙をお察しします。お体に気をつけてお過ごしください
-
ご昇進を心よりお喜び申し上げます。本年もご指導のほどよろしくお願いいたします
異動・転勤した上司へ(ねぎらいと健康を気遣う)
離れたあとも感謝の気持ちを伝えることで、良い関係が続きやすくなります。
文例:
-
新天地でのご活躍を心よりお祈り申し上げます
-
異動後もますますのご発展をお祈りいたします
-
旧年中のご厚情に深く感謝申し上げます。どうぞお体を大切にお過ごしください
部署が変わった自分から上司へ(前向きな抱負を添えて)
これまでお世話になった上司に、自分の成長を感じてもらえるような言葉を添えるのがおすすめです。
文例:
-
異動後も学びを活かし、より一層努力してまいります
-
いただいたお言葉を胸に、本年も精進してまいります
-
引き続きご指導賜れますと幸いです
距離が近い上司へ(親しみを込めたやわらか表現)
普段から話しやすい上司や、フランクな雰囲気の職場では、少し柔らかめの一言もOKです。
ただし、くだけすぎず、丁寧語をベースにしましょう。
文例:
-
旧年中の温かいお心配りに感謝いたします
-
本年もご健康で、素晴らしい一年となりますように
-
今年もご一緒にお仕事できることを嬉しく思います
-
寒い日が続きますので、どうぞご自愛ください
どのシーンでも、「感謝」と「前向きな気持ち」を入れるのが基本です。
迷ったときは、まず“お礼+今年もよろしく”という形を選べば間違いありません。
トーン別|フォーマル/やわらかめの使い分け
上司あての年賀状では、言葉づかいの“トーン”も大切です。
同じ気持ちを伝えるにしても、表現のかたさや距離感で印象が変わります。
ここでは「フォーマル」と「やわらかめ」の違いをわかりやすく紹介します。
フォーマルにまとめたいとき
職場で上下関係がはっきりしている場合や、
あまり親しく話す機会がない上司には、フォーマルな一言がおすすめです。
フォーマルな文章の特徴は、
-
丁寧語・尊敬語が中心
-
感情よりも礼儀を重視
-
短くても落ち着いた印象
たとえば次のような書き方です。
文例:
-
旧年中は格別のご指導を賜り、誠にありがとうございました
-
本年も変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
-
皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます
フォーマルな一言は「失礼がないこと」を第一に考えればOK。
かたいと感じるくらいが、目上の方にはちょうど良い印象になります。
やわらかめにまとめたいとき
一方で、普段から話しやすい上司や、
少し距離が近い関係であれば、やわらかめの一言も好印象です。
やわらかめの文章の特徴は、
-
感謝や気づかいを自然な言葉で表現
-
適度な親しみを感じさせる
-
丁寧語は保ちながら、口調がやさしい
文例:
-
昨年はたくさんのご指導をありがとうございました
-
本年もお体に気をつけて、素敵な一年をお過ごしください
-
今年もご一緒にお仕事できることを嬉しく思います
気をつけたいのは、フランクになりすぎないこと。
「〜です!」や「〜ですね!」などのくだけた文末は避け、
語尾を「〜いたします」「〜くださいね」などやさしく整えると上品にまとまります。
相手との関係が迷う場合は、
「フォーマル寄りのやわらかさ」を意識するのがおすすめです。
感謝の言葉に“ひとこと気づかい”を添えるだけで、印象はぐっと良くなりますよ。
手書きで印象が上がるコツ

年賀状の印刷文に、ひと言だけ手書きを添える。
たったそれだけでも、受け取る側の印象はぐっと良くなります。
上司あての年賀状では、手書きの文字にこそ「気持ち」や「丁寧さ」が表れます。
ここでは、手書きで書くときに覚えておきたい3つのコツを紹介します。
① 印刷文と内容がかぶらないようにする
まず気をつけたいのは、印刷文と手書きの一言の重複です。
たとえば印刷面に「本年もよろしくお願いいたします」と入っているのに、
同じ言葉を手書きでも書いてしまうと、少し単調な印象になります。
その場合は、印刷文の内容を踏まえて、
「昨年は大変お世話になりました」や「ご健康をお祈り申し上げます」など、
少し違う角度から言葉を添えると自然です。
② 文末スペースに“さらっと”書くのが上品
手書きの一言は、スペースを意識することも大切です。
余白を埋めすぎるより、短くきれいに書くほうが上品に見えます。
おすすめは、印刷文の下や右下にさらっと添える書き方。
たとえば――
「寒い日が続きますが、お体に気をつけてお過ごしください」
といった一文を、すこし小さめの文字で書くだけでも印象が変わります。
③ 字は「きれいさ」より「ていねいさ」を意識
字に自信がない方でも、ていねいに書く気持ちが伝われば十分です。
上司は文字の上手さよりも、一筆添えようとした心づかいを見ています。
焦らず、少しゆっくり書くだけで字の印象は整います。
黒のボールペンやサインペンを使い、にじみにくい紙面を選ぶのも安心です。
手書きの一言は、「ほんの数秒のひと手間」で相手の心に残ります。
たくさん書かなくても大丈夫。
“一筆に心を込める”ことが、いちばんのマナーです。
よくある質問(超簡潔に)
上司への年賀状に関しては、毎年同じような悩みを持つ方が多いものです。
ここでは、特によくある3つの質問にシンプルにお答えします。
Q1.「今年もよろしくお願いします」は使っていいの?
はい、大丈夫です。
ただし、印刷文にすでに同じ言葉がある場合は、
手書きの一言では別の表現に変えるのがおすすめです。
たとえば
「本年も変わらぬご指導をお願いいたします」
「本年もご活躍をお祈り申し上げます」
など、少し言い換えるだけで丁寧な印象になります。
Q2.健康を気づかう一言を添えたいときは?
季節柄、健康を気づかう言葉も喜ばれます。
短くてもやさしい気持ちが伝わるので、ぜひ使ってみてください。
文例:
-
ご健康とご多幸をお祈り申し上げます
-
お体に気をつけて、良い一年をお過ごしください
-
本年もお元気でご活躍されますように
Q3.「出さない」「年賀状じまい」にしたい場合は?
近年は、仕事の関係が変わったタイミングで
「上司への年賀状をやめる」という選択をする人も増えています。
その場合は、最後の一通に
「長年のご指導に心より感謝申し上げます」
「今後のご健康とご活躍をお祈りいたします」
など、お礼をしっかり伝えて締めるのがマナーです。
困ったときは、「感謝」か「気づかい」のどちらかを軸に考えると、
どんな相手にも失礼のない一言にまとまりますよ。
まとめ|印象に残る一言で新年のご挨拶を
上司への年賀状は、
形式的なあいさつ文だけで終わらせず、
ひと言でも「自分の言葉」を添えることが大切です。
短い一文でも、そこには
「感謝の気持ち」
「仕事への意欲」
「相手への思いやり」
といった温かい気持ちがしっかり伝わります。
フォーマルでも親しみ系でも、どちらでも構いません。
大切なのは、“その上司との関係性に合った言葉を選ぶこと”です。
年賀状は、1年の始まりに気持ちを伝える大切な機会。
ぜひこの記事の文例を参考に、
あなたらしい言葉で上司へ新年のご挨拶を届けてみてくださいね。
