レシピを見ていると、「赤味噌を使う」と書かれていることがありますよね。
でも、いざ作ろうとしたときに――
「家に白味噌しかない！」
「スーパーに赤味噌が売っていなかった…」
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
じつは、赤味噌は他の味噌や調味料で代用することができます。
もちろん、まったく同じ味にはなりませんが、
少しの工夫で「近い味わい」や「同じようなコク」を出すことができるんです。
この記事では、
・赤味噌の代用に使える味噌や調味料
・料理別のおすすめ代用法
・味を近づけるコツや分量の目安
を、初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。
赤味噌がなくて困ったときでも、
この記事を読めば「今あるもので美味しく作る方法」が見つかりますよ。
赤味噌を代用する前に知っておきたい基本
赤味噌とはどんな味噌？特徴と魅力
赤味噌は、他の味噌よりもしっかりした塩味と深いコクがあるのが特徴です。
熟成期間が長いため、色も濃く、香りにも重みがあります。
たとえば、八丁味噌や信州味噌などが代表的な赤味噌です。
料理に使うと、甘さよりも「旨み」や「香ばしさ」が引き立ち、
味噌汁・煮込み料理・味噌だれなどにぴったりなんです。
代用が必要になるのはどんなとき？
「いつもは白味噌を使っている」「地域のスーパーに赤味噌が売っていない」
そんなときに代用を考える方が多いです。
特に、東日本では淡色味噌や合わせ味噌が主流のため、
赤味噌が常備されていない家庭も少なくありません。
また、レシピに“赤味噌”と書かれていると、
「これじゃないとダメなの？」と不安になりますが、
実は他の味噌でも十分おいしく仕上げることができます。
代用するときに知っておきたいポイント
赤味噌の代用は、どの味噌を使うかによって味の方向性が変わるということです。
たとえば、
-
白味噌を使うとまろやかで甘めの仕上がりに
-
合わせ味噌なら比較的バランスよく
-
コチュジャンや甜麺醤を使うと中華風のコクがプラスされる
どれも間違いではありませんが、
「料理の種類に合わせて選ぶ」と、より自然な仕上がりになります。
また、赤味噌のコクを補うために、
みりんや醤油を少し加えるのもおすすめです。
赤味噌の代用におすすめの味噌・調味料
赤味噌がないときは、まず手元にある味噌や調味料で代用してみましょう。
ここでは、味噌の種類別・調味料別に、代用のコツや味の特徴を紹介します。
白味噌・合わせ味噌で代用する場合
白味噌は、やさしい甘みとまろやかさが特徴です。
赤味噌のような深いコクはありませんが、
塩を少し足したり、みりんを控えめにしたりすると味が引き締まります。
合わせ味噌は、赤味噌と白味噌をブレンドして作られているため、
最もバランスが良く、代用品としてはとても使いやすいです。
特に、味噌汁や煮物などの家庭料理では、ほとんど違和感なく仕上がります。
八丁味噌で代用する場合
八丁味噌は、赤味噌の中でも特に濃厚で塩気が強い味噌です。
実は、「赤味噌」と言われて思い浮かべる味に最も近いのが八丁味噌。
少量でもしっかり味が出るので、使いすぎには注意。
味噌煮込みうどんやどて煮など、こってり系の料理にぴったりです。
味が濃くなりそうなときは、だしや水を少し多めにして調整しましょう。
甜麺醤・テンメンジャンで代用する場合
甜麺醤（テンメンジャン）は、中国の甘みそです。
赤味噌よりも甘めですが、コクと照りを出すのにとても便利。
麻婆豆腐や回鍋肉などの中華料理を作るときは、
赤味噌の代わりに甜麺醤を使うと、むしろ本格的な味に近づきます。
分量は、赤味噌とほぼ同じ量で大丈夫です。
コチュジャンや豆板醤を使う場合
コチュジャンや豆板醤は、赤味噌と同じく発酵食品ですが、
辛みが強いため、使う量には注意が必要です。
おすすめは、
コチュジャン小さじ1＋みりん小さじ1
この組み合わせで、赤味噌に近い「甘辛いコク」を出せます。
麻婆豆腐や肉みそ炒めなど、パンチのある料理にぴったり。
逆に、味噌汁などには向いていません。
その他の調味料で応急対応する方法
もし味噌自体がまったくないときは、
醤油＋みりん＋砂糖（1:1:1）を混ぜてみましょう。
この組み合わせは、赤味噌だれの「甘辛さ」と「照り」を再現できます。
田楽やとんかつの味噌だれ風ソースにもおすすめです。
料理別｜赤味噌を代用するときのコツ
同じ「代用」といっても、料理によって味の合わせ方は少しずつ変わります。
ここでは、代表的な料理ごとに、赤味噌を代用するときのコツを紹介します。
麻婆豆腐の場合
赤味噌を使うと、まろやかさとコクのある味に仕上がります。
もし赤味噌がない場合は、
甜麺醤（テンメンジャン）＋コチュジャンを半分ずつ混ぜるのがおすすめです。
甜麺醤の甘みとコチュジャンの辛みを合わせることで、
赤味噌のような深みが出ます。
分量の目安は、赤味噌大さじ1に対して、
甜麺醤大さじ1／コチュジャン小さじ1程度でOKです。
どて煮・味噌煮込みうどんの場合
どて煮や味噌煮込みうどんは、赤味噌のコクが命の料理です。
代用するときは、
八丁味噌＋合わせ味噌（7：3の割合）で混ぜると近い味になります。
少し甘みを足したい場合は、みりんや砂糖を少量プラス。
煮込むほどに味がなじむので、じっくり火を通すのもポイントです。
味噌カツ・田楽みその場合
味噌カツや田楽に使うたれは、赤味噌がなくても簡単に作れます。
白味噌大さじ2＋砂糖大さじ1＋みりん大さじ1
この組み合わせで、甘辛い“赤味噌風たれ”が完成します。
仕上げに少し醤油を足すと、味に深みと照りが出て本格的な印象になります。
炒め物や野菜のみそ炒めの場合
炒め物の味付けに赤味噌を使うと、香ばしさがアップします。
代用する場合は、合わせ味噌に少量の醤油を足すのがコツです。
醤油の香ばしさが、赤味噌の持つコクをうまく補ってくれます。
豚肉やナスなど、油を使う料理ではこの方法が特におすすめです。
このように、料理の種類に合わせて味噌や調味料を選べば、
赤味噌がなくても、十分においしい味を再現できます。
赤味噌を代用するときの風味調整のコツ
赤味噌は、熟成による深いコクと塩気が特徴です。
そのため、白味噌や他の調味料で代用するときには、
「味がぼんやりする」「少し甘すぎる」と感じることがあります。
ここでは、そんなときに使える風味の整え方を紹介します。
甘み・塩分・コクのバランスを整える
赤味噌の味を近づけるためには、
“甘み”と“塩分”のバランスをうまく取ることが大切です。
目安としては、白味噌なら赤味噌の1.2倍、
合わせ味噌なら同じ分量を目安にしてみてください。
たとえば、白味噌で代用した場合は、
・塩をほんのひとつまみ加える
・みりんや砂糖を控えめにする
だけで、グッと引き締まった味になります。
逆に、八丁味噌など塩気の強い味噌を使う場合は、
・だしや水を少し多めにする
・みりんをほんの少し加える
ことで、まろやかさを足せます。
調味料の組み合わせで深みを出す
赤味噌のようなコクを出したいときは、
醤油やみりんを「隠し味」として少量足すのがおすすめです。
ほんの少し加えるだけで、味に奥行きが出て、
「なんだかプロっぽい味」に近づきます。
また、味噌汁や煮物など和風料理では、
だしをしっかりとることも大切です。
赤味噌の旨味をだしの香りで補うイメージですね。
火加減と調理時間にもひと工夫を
意外かもしれませんが、赤味噌を代用した料理は、
火加減や煮込み時間でも味の印象が変わります。
煮込み料理なら、少し長めに火を通すことで味がなじみ、
コクの深い仕上がりになります。
炒め物なら、強火でサッと炒めることで香ばしさが増します。
ちょっとした工夫で、代用した味噌や調味料でも
「赤味噌らしいコクと深み」を感じられるようになりますよ。
赤味噌を常備するための保存の工夫
赤味噌は一度にたくさん使うことが少ないので、
「気づいたら冷蔵庫の奥で固くなっていた…」ということもありますよね。
でも、ちょっとした工夫で、赤味噌は長くおいしく保存できます。
冷蔵庫での保存方法
開封後の赤味噌は、冷蔵庫で保存するのが基本です。
しっかり密閉しておけば、だいたい3か月ほどは風味を保てます。
味噌は空気に触れると酸化して黒っぽくなりますが、
それは発酵が進んでいるだけなので、食べても問題ありません。
ただし、風味は少しずつ落ちていくため、
なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
冷凍保存もおすすめ
実は味噌は、冷凍しても固まらない食品です。
だから、使いやすい量に小分けして冷凍しておくと、とても便利。
・1回分ずつラップで包む
・フリーザーバッグにまとめて入れる
この方法で、半年ほど保存できます。
使うときは、冷蔵庫で少し戻すか、
そのまま鍋に入れて溶かすだけでもOKです。
風味を長持ちさせるちょっとしたコツ
・味噌の表面をラップで覆って空気を遮断する
・容器のふたをしっかり閉める
・できれば冷蔵庫の奥（温度が安定している場所）に置く
これだけで、風味の劣化をかなり防げます。
赤味噌を上手に保存しておけば、
「もう赤味噌がない！」と焦ることもなくなります。
普段の料理でも使いやすくなり、代用の手間もぐっと減りますよ。
よくある質問（FAQ）
ここでは、「赤味噌の代用」に関してよくある疑問をまとめました。
多くの人が気になるポイントを中心に、わかりやすくお答えします。
Q1. 赤味噌と白味噌はどう違うの？
赤味噌は長く熟成させて作られるため、色が濃く、塩分とコクが強いのが特徴です。
一方、白味噌は熟成期間が短く、甘みがあり、やさしい味わいになります。
どちらも美味しいですが、風味の方向が違うので、
代用するときは「塩分」と「甘み」のバランスを意識すると良いです。
Q2. コチュジャンを味噌汁に入れても大丈夫？
コチュジャンは辛みと甘みがある調味料なので、
味噌汁に入れると全体の風味が変わってしまうことがあります。
もし使うなら、ほんの少量にとどめて、
ピリ辛味噌汁のようなアレンジとして楽しむのがおすすめです。
Q3. 赤味噌がないときの分量の目安は？
白味噌を使う場合は、赤味噌の約1.2倍を目安に。
合わせ味噌なら、同じ分量でほぼOKです。
ただし、味噌の種類やブランドによって味の濃さが違うので、
最初は少なめに入れて、味を見ながら調整しましょう。
Q4. 応急的に赤味噌を作る方法はある？
はい、あります。
醤油＋みりん＋砂糖を1：1：1で混ぜると、
赤味噌風の甘辛いタレが簡単に作れます。
田楽や炒め物など、味噌だれを使う料理におすすめです。
Q5. 赤味噌の保存期間はどのくらい？
冷蔵保存なら約3か月、冷凍保存なら約半年が目安です。
冷凍しても固まらないので、小分けにして保存すると使いやすいですよ。
Q6. 代用した味噌で味が薄く感じるのはなぜ？
赤味噌の代わりに白味噌などを使うと、
どうしても塩分と旨みが少なめになる傾向があります。
そんなときは、ほんの少し醤油を足したり、
だしをしっかり取ったりすると、味に深みが出ます。
まとめ
赤味噌がなくても、身近な味噌や調味料でしっかり代用できます。
白味噌や合わせ味噌なら味の方向性が近く、
甜麺醤やコチュジャンを使えば中華風のコクを出すこともできます。
もし「少し味が物足りない」と感じたら、
みりんや醤油をほんの少し足すだけで、ぐっと深みが出ます。
また、赤味噌は冷蔵・冷凍で長期保存ができるので、
一度買っておけば、いざという時にも安心です。
代用のコツを覚えておくと、
「赤味噌がないから作れない…」ということもなくなります。
今日の料理に活かしながら、あなたの“お気に入りの代用法”を見つけてみてくださいね。
