一人暮らしを始めると、「車を持った方が便利かな?」と考える方は少なくありません。
休日に好きな場所へ出かけられる自由、重い荷物も気にせず買い物できる安心感……車がある生活には魅力がたくさんありますよね。
その一方で、「やっぱり買わなければよかった」と後悔する声もよく耳にします。
駐車場代や保険料などの維持費が思った以上に高かったり、ほとんど使わないのに毎月のローンや固定費だけがのしかかったりするケースもあります。
実際にネット上でも、「手取りが少ないのに車を買って生活が苦しくなった」「都会で暮らしているのに駐車場代ばかりかかって持ち腐れになった」といった体験談は珍しくありません。
この記事では、一人暮らしで車を持つときに考えておくべき「リスク」や「後悔しやすいポイント」をわかりやすく整理します。さらに、後悔を避けるための判断基準や、いきなり購入する前に“お試し”できる方法も紹介します。
「車を持ちたい気持ちはあるけれど、実際どうなんだろう…」と迷っている方にとって、納得できる答えを見つけるきっかけになれば幸いです。
一人暮らしと車の関係
一人暮らしで車を持つメリット
一人暮らしで車を持つと、行動の自由度がぐっと広がります。
たとえば大きなスーパーや家具店に気軽に行けたり、休日に友人を乗せてドライブを楽しめたり。実家に帰るときも電車やバスの時間を気にせず、荷物をたくさん積んで移動できるのは大きな安心です。
「車があるからこそできること」が日常生活や趣味を豊かにしてくれるのは確かです。
都市部と地方での違い
ただし、住んでいる場所によって「車の必要性」は大きく変わります。
都市部では電車やバスが充実しているため、普段の生活は公共交通機関で十分という人も多いです。むしろ駐車場代が高く、車を持つデメリットの方が目立つケースもあります。
一方で地方に住んでいると、公共交通機関が少なく「車がないと仕事や買い物に困る」という場面が多いです。地方で一人暮らしをする人にとっては、車はほぼ必需品ともいえるでしょう。
購入・リース・カーシェアという選択肢
最近では「必ずしも買う」だけが答えではなくなってきています。
車を所有する代わりに、月額料金で利用できるカーリースや、必要なときだけ使えるカーシェアというサービスも広がっています。
「週末だけ乗りたい」「買うほどじゃないけど車を使いたい」という方には、こうしたサービスを利用するのも一つの方法です。所有する前に、まずは小さく試してみると後悔が少なくなります。
一人暮らしで車を持つリスクと後悔ポイント
維持費が重くのしかかる
車は買ったら終わりではなく、持っている間ずっとお金がかかります。
駐車場代、保険料、ガソリン代、自動車税や重量税、そして2年ごとの車検費用…。これらを合計すると、都市部なら年間で数十万円にのぼることもあります。
「思ったより乗らないのに、維持費だけは毎月きっちり出ていく」という状況に後悔する人は少なくありません。
手取りと生活費のバランスが崩れる
一人暮らしでは、家賃・光熱費・食費などの固定費に加え、趣味や交際費もあります。そこに車の維持費が加わると、手取りの中でやりくりできなくなることも。
「毎月のローンや駐車場代を払ったら貯金ができない」という声もよくあります。生活に余裕がなくなると、車が便利さよりも負担に感じてしまうでしょう。
カーローンの金利を軽視してしまう
「月々1万5千円くらいなら払える」と思ってローンを組んでも、5年間の返済で金利を含めると数十万円多く払うことになります。
購入費用だけを見て判断してしまい、総額の負担を理解せずに契約してしまうのはよくある後悔ポイントです。
利用頻度が少なく「持ち腐れ」になる
都会に住んでいると、電車やバスで十分生活できてしまうことがあります。結果的に「月に数回しか乗らないのに、維持費は毎月かかる」という“持ち腐れ”状態になりがちです。
実際、「ほとんど乗らなかったから、結局売ってしまった」という人も少なくありません。
後悔しないための判断基準
自分の生活スタイルを見直す
まずは「車をどのくらい使う予定があるか」を具体的に考えてみましょう。
通勤に使うのか、休日の買い物やドライブだけなのか、実家への帰省で必要なのか…。
利用シーンを思い浮かべると、「本当に車が必要かどうか」が見えてきます。
固定費と変動費をシミュレーションする
車は購入費だけでなく、「持っているだけで必ずかかる固定費」と「使うほど増える変動費」があります。
固定費と変動費の内訳
費用項目 | 固定費/変動費 | 月額の目安(都市部例) | 特徴・注意点 |
---|---|---|---|
駐車場代 | 固定費 | 約20,000円 | 都内は特に高額。借りるだけで必ず発生 |
任意保険料 | 固定費 | 7,000〜10,000円 | 年齢や条件で大きく変動。若年層は高め |
自動車税・車検代・自賠責 | 固定費 | 約10,000円(積立換算) | 年ごと・2年ごとにまとめて発生する費用 |
ガソリン代 | 変動費 | 5,000〜10,000円 | 走行距離に比例して増減 |
高速道路料金 | 変動費 | 利用時のみ | ドライブ・帰省で大きく変わる |
オイル交換・タイヤ交換 | 変動費 | 月換算1,000〜2,000円程度 | 距離が多いほど交換サイクルが早い |
例えば都市部なら、
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固定費だけで「駐車場2万円+任意保険7,000〜1万円+税金・車検の月割り1万円」=月3.5〜4万円前後
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これに加えて変動費として「ガソリン代や高速料金」がかかります。
※保険料や駐車場代は条件によって大きく差が出るため、あくまで一例と考えてください。
「乗らなくても固定費は出ていく」という点を理解したうえで、利用頻度に見合うかどうかをシミュレーションしてみましょう。
適切な車種選びのポイント
「どうしても車が欲しい」と思ったときは、車種選びも重要です。
一人暮らしなら、維持費の安い軽自動車やコンパクトカーを選ぶのも一案です。燃費や税金が抑えられるため、毎月の負担が軽くなります。
また、新車だけでなく中古車も候補に入れると、初期費用を抑えつつ安心して乗れる車が見つかるかもしれません。
購入前にお試し利用で確認しよう
カーシェアの利点と欠点
カーシェアは、使いたいときにスマホで予約して気軽に借りられるサービスです。
「休日に数時間だけ車を使いたい」といったシーンにぴったりで、初期費用や維持費も不要。
ただし、人気の時間帯は予約が埋まってしまうことがあり、また長時間利用になると割高になる点には注意が必要です。
マンスリーレンタルで「所有に近い体験」をする
最近は1か月単位で車を借りられる「マンスリーレンタカー」も増えています。
これなら駐車場代や保険料も込みの料金で、実際に車が生活にどのくらい役立つのかを体感できます。
「所有に近い環境でお試しできる」という意味では、購入を迷っている人におすすめの方法です。
お試し期間の費用と購入後の固定費を比較する
数週間〜数か月レンタルで使った費用を記録し、もし車を所有した場合の維持費と比べてみましょう。
「レンタルで十分だった」と感じるか、「やっぱり毎日乗るから持った方がいい」と思うかは、人によって変わります。
まずはお試ししてみることで、後悔のない判断につながります。
実際の体験から学ぶ
「持って後悔した」ケース
一人暮らしで車を買ったものの、「想像以上に維持費がかさんで生活が苦しくなった」という声は少なくありません。
特に都市部では、駐車場代が月に2〜3万円かかることもあり、使う回数に比べて負担が大きくなりがちです。
また「ローンの返済はできても、ガソリン代や保険料まで含めると赤字になった」というケースもあります。
「持ってよかった」ケース
一方で、「買ってよかった」と感じている人もいます。
地方で公共交通機関が少ないエリアに住む人にとっては、車は生活必需品です。
また、実家への帰省が多い人や、趣味でアウトドアやドライブを楽しむ人にとっても、車があることで生活が豊かになったと感じる傾向があります。
自分に当てはめて考えることが大切
大事なのは「人によって答えが違う」ということです。
同じ一人暮らしでも、住む場所・収入・ライフスタイルによって車の必要性は大きく変わります。
後悔しないためには、他人の体験談を参考にしつつも、自分自身の生活に当てはめて考えることが欠かせません。
最後に考えるべきこと
未来のライフプランを見据えて選択する
車は数年単位で所有するものです。
その間に引っ越しや転職をするかもしれませんし、収入や生活スタイルが変わる可能性もあります。
「今は必要でも、2年後には不要になっているかも」という視点を持って判断すると、後悔を避けやすくなります。
車を買うこと自体が目的にならないように
「社会人になったから車を持ちたい」「友人が持っているから自分も欲しい」といった理由で購入すると、後悔しやすくなります。
大切なのは「車を持つことで生活がどう変わるのか」を考えることです。
目的と手段を取り違えないようにしましょう。
納得感を持って選ぶことが後悔を防ぐ
最終的には「自分が納得して選んだかどうか」が大きなポイントになります。
お金や利便性の面だけでなく、気持ちの面でも「これなら大丈夫」と思える判断をすることが大切です。
そのためにも、シミュレーションやお試し利用を通じて、できるだけ具体的にイメージしてから決めるようにしましょう。
まとめ
一人暮らしで車を持つことには、便利さと同時に大きな負担もあります。
移動の自由や趣味の幅が広がる一方で、駐車場代・保険料・ガソリン代などの維持費が重くのしかかり、「思った以上に使わないのにお金だけかかる」と後悔するケースも少なくありません。
後悔を避けるためのポイントは、
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自分の生活スタイルに本当に必要かどうかを見直す
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固定費と変動費をシミュレーションする
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カーシェアやレンタルで“お試し”してみる
この3つです。
結論として、一人暮らしで車を持つべきかどうかは「利用頻度と固定費のバランス」で決まります。
焦らずシミュレーションやお試し利用をしてから判断することで、後悔をぐっと減らせます。
最終的に「持ってよかった」と思えるかどうかは、事前にどれだけ準備したかで変わります。
ぜひ本記事を参考に、自分に合った選択をして、後悔のない一人暮らしライフを送ってください。