「え?おせちにチャーシュー?」
初めてそれを見たとき、多くの人がちょっと驚くと思います。ラーメンの上にのってるイメージが強いチャーシューが、まさかお正月の重箱に…?
でも、今どきのおせちは意外とバラエティ豊か。ちょっと変わった食材が入っているのも珍しくありません。今回は、そんな「チャーシューおせち」のちょっとした疑問に、さくっとお答えします。
「これって意味あるの?」「いつから入ってたの?」と気になったあなたへ、ざっくり分かりやすくお届けします。
なぜおせちにチャーシューが?
結論から言うと、チャーシューに“これぞおせち”という深い由来や決まりはありません。ただし、ちゃんと理由はあります。
ひとつは「豪華さ」を演出するため。おせちはそもそも「ハレの日の料理」で、普段は食べないようなごちそうを並べる文化があります。
チャーシューのようにジューシーで見た目も華やかな肉料理は、それだけでお重がちょっと贅沢に見えますよね。
もうひとつは「食べやすさ」。年配の方や子どもが多いお正月では、万人受けする甘辛い味付けのチャーシューはとても重宝されるんです。
昔はなかった?最近の傾向と背景
おせち料理は、もともと「節会(せちえ)」という宮中の行事で出されていた料理がルーツと言われています。特に元旦は重要な節目とされ、「節会料理」=おせちとして定着していきました。
このころは、一品一品に意味や願いが込められた和食中心の献立で、「黒豆」「数の子」「田作り」「昆布巻き」などが基本。現在よく見かける「豚の角煮」や「筑前煮」ではなく、野菜などを甘辛く煮た「煮しめ」と呼ばれる料理が出されていたのが一般的でした。
つまり、チャーシューのような洋風・中華風の肉料理は、もともとの「おせち料理」には含まれていないものでした。
でも、最近では「え、チャーシューも入ってるの?」と感じる人もいるほど、よく見かけるようになっていますよね。
では、なぜそんな変化が起きたのでしょうか?
理由はシンプルで、「現代のおせちは自由になってきているから」です。
- 市販おせちが多様化(洋風・中華風・肉メインなど)
- 家庭ごとに好きなものを詰めるスタイルが浸透
- SNSや通販の影響で見た目の豪華さが重視される
- 保存食としての意味合いが強まり、日持ちの良い料理が歓迎されるように
こうした流れから、昔はなかった食材もどんどん取り入れられるようになってきました。
チャーシューやローストビーフ、パテなども、“アリ”な存在になってきたんですね。
地域によってチャーシュー文化に差はある?
実は、地域によってはチャーシューや焼豚が「お祝いの料理」として昔から親しまれていることもあります。
たとえば関西や九州などでは、比較的肉料理が好まれる傾向があり、お正月に焼豚を出す家庭も少なくありません。おせちとは別に用意されることもあれば、重箱に一緒に詰める家庭もあるようです。
また、沖縄などでは独自の正月料理があり、そもそもおせち文化が本州と異なるため、チャーシューのような味付け肉が登場してもまったく不思議ではないのです。
地域の食文化や家庭の好みによって「うちでは昔から入ってるよ」という人もいれば、「見たことない!」という人もいる。チャーシューおせちは、そんな食の多様性を象徴する存在とも言えます。
チャーシュー以外の変わり種おせちの例
おせちにチャーシューが入っていたとして、「それっておかしい?」と感じる人もいれば、「むしろ嬉しい」という人も。
正解はありません。おせちは本来「家族みんなで新年を祝うための料理」なので、そこに入れるものも、みんなが笑顔になれるものであればOKなんです。
だから、チャーシューが入っていたら──
「最近はこんなものも入るんだね〜」 「これ、子どもが喜びそう」
そんな風に、話のタネにして楽しむのが一番です。
チャーシュー以外にも、最近のおせちには「え?こんなものも?」と思うような食材が増えています。
たとえば:
- ローストビーフやハム
- スモークサーモンやテリーヌ
- チーズ入りの伊達巻や洋風カナッペ
子どもが喜ぶ唐揚げやエビフライを入れる家庭もあり、もはや“好きなものを詰める”お祝い料理へと変化してきています。
こうした「変わり種」の中に、チャーシューがあるのも自然な流れですね。
まとめ
おせちにチャーシューが入っていたら、それは「現代らしさ」や「家族思い」が詰まった一品かもしれません。
- 豪華さや彩りのため
- 子どもや若者にもウケがいい
- 家庭の好みが反映された自由なおせち
昔ながらの伝統も大切ですが、時代とともにおせちも進化しているんですね。
次におせちを見たとき、「あ、チャーシュー入ってる!」と思ったら、この記事を思い出してもらえたら嬉しいです。